カルティエの「トリニティ」に生誕100年を祝して新作が登場。

いいモノ語り 2024.05.24

時計とジュエリー、永遠のパートナーともなりうるこのふたつ。だからこそ、ブランドやそのモノの背景にあるストーリーに耳を傾けたい。いいモノこそ、いい物語があります。今回は、カルティエのジュエリーの話をお届けします。

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CARTIER
TRINITY

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宝石細工職人がわずか0.1mmの精度で少しずつ削り、理想的なプロポーションを追求したというクッションシェイプの新作。なめらかに回転しながら指に心地よくフィット。リング「トリニティ」(WG×PG×YG)¥605,000/カルティエ(カルティエ カスタマー サービスセンター)

新たなフォルムを纏って進化した、誕生100周年のアイコンリング。

カルティエの数あるアイコンのひとつ「トリニティ」リングといえば、誰もが知っているホワイトゴールド、ピンクゴールド、イエローゴールドからなる環が絡み合ったシンプルなデザイン。そして最新作は、その3色の環にこれまでにない魅力を付け加え、イノベ ーティブなデザインに進化。スクエアな形の角に丸みを持たせたクッションシェイプの「トリニティ」リングがヴェールを脱いだ。

スクエアなのにスムーズに3色のリングが重なり、指に通すとしっくりなじむのはさすがカルティエならではの仕立ての技。タイムレスなアイコンに加えられた新しいシェイプの美しさが、手元のアクセントとなって肌を輝かせてくれる。

コレクションのファーストモデルが誕生したのはいまからちょうど100年前、1924年のこと。翌年にはブレスレットも加わった。このコレクションを愛したのは、詩人ジャン・コクトーや俳優ゲイリー・クーパー、アラン・ドロン、ロミー・シュナイダー、グレー ス・ケリーなど、多くの文化人や銀幕のスターたち。70年代から80年代にかけてはライターやペン、装飾品などにも3本の環のモチーフがあしらわれ、コレクションは日常に溶け込んでいったという。

その後もXLサイズのブレスレットやダイヤモンドのパヴェセッティングのモデル、ブラックセラミック素材など、多彩なバリエーションが生まれていくなかで、とりわけ画期的だったのは2022年の限定モデル。sacaiのデザイナー兼ファウンダー、阿部千登勢との出会いからユニークなダブルフィンガーリングの「トリニティ」が生まれたのだ。

そして今回、コレクションの100周年を祝う新しいデザインを生み出したのは、メゾンのジュエリー&ウォッチ クリエイティブディレクター、マリー=ロール・セレード。ごくシンプルで、それゆえあまりにも完璧な「トリニティ」を再解釈するにあたって、彼女は原点に立ち返り、独立していながらも不可分な3色の環でひとつのリングが成り立っているという基本を見つめ直したのだそう。

100年前も、 21世紀の現在も変わらずに「トリニティ」がシンボライズするもの、それは愛と多様性。年齢も性別も、国籍も問わず、誰でも自由に楽しめるユニバーサルな造形美。決して離れることなく絡み合った3色の環にさまざまな想いを重ねて、自分だけの大切な意味を持つ特別なリングとしていつまでも愛用していきたい。

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往年の「マスト ドゥ カルティエ」コレクションにもこのモチーフが。
リング「トリニティ」(WG×PG×YG)¥962,500/カルティエ(カルティエ カスタマー サービスセンター)photography: Antoine Pividori © Cartier
モジュール式リング「トリニティ」(WG×PG×YG×ダイヤモンド)¥4,118,400/カルティエ(カルティエ カスタマー サービスセンター)photography: Antoine Pividori © Cartier
ブレスレット「トリニティ」(WG×PG×YG)¥2,983,200/カルティエ(カルティエ カスタマー サービスセンター)photography: Antoine Pividori © Cartier
ネックレス「トリニティ」(WG×PG×YG×ダイヤモンド)日本先行発売 ¥962,500/カルティエ(カルティエ カスタマー サービスセンター)photography: Antoine Pividori © Cartier

*「フィガロジャポン」2024年5月号より抜粋

●問い合わせ先:
カルティエ カスタマー サービスセンター
0120-1847-00(フリーダイヤル)
www.cartier.jp

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photography: Ayumu Yoshida styling: Tomoko Iijima text: Keiko Homma editing: Mami Aiko

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