時計とジュエリー、永遠のパートナーともなりうるこのふたつ。だからこそ、ブランドやそのモノの背景にあるストーリーに耳を傾けたい。いいモノにある、いい物語を語る連載「いいモノ語り」。
今回は、ミラノ発ならではのモダニティあふれるデザインで、ジュエリーシーンでの存在感を高めているポメラートの話をお届けします。
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POMELLATO
SCARABEO DI POMELLATO
いまを生き抜く女性たちのための、スペシャルなお守りリングたち。
ミラノ発ならではのモダニティあふれるデザインで、ジュエリーシーンでの存在感を高めているポメラート。「スカラベオ ディ ポメラート」は、種類豊富なジェムストーンからなる31種類ものリングを揃え、天然石の美しさとポジティブなパワーを肌で感じることができるカプセルコレクションに仕上げている。
リングにあしらわれたのは、ターコイズやアメシスト、ペリドットといったなじみ深いジェムストーンから、縞模様が入ったロードクロサイトやブラックアゲート、針のような内包物が透けて見えるルチルクオーツ、斑紋のあるグリーンのゾイサイトなど、ユニークなものが続々。それらにスカラベの彫刻を施してリングにセットし、ダイヤモンドやエメラルド、サファイアなどのパヴェと組み合わせて鮮やかなカラーコントラストを生み出している。
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スカラベは紀元前の昔から不滅と再生、豊かな実り、そして太陽のシンボルとして信じられたモチーフ。パワフルなタリスマン(護符)としての力があるとされるこのモチーフを、ポメラートはコンテンポラリーでスタイリッシュなリングへと変貌させたのだ。
「私が目指したのは、宝石の魔力と象徴的なパワーをポメラートのシグネチャースタイルに取り込んで、現代的なタリスマンとして生かすこと。このリングは古代の守護の印の力強さを呼び覚ましながら、それぞれの石に備わるまばゆいばかりの自然の美しさを讃えています」と語るポメラートのクリエイティブディレクター、ヴィンチェンツォ・カスタルド。各ジェムストーンの魅力を最大限に引き出すため、まだ磨かれていない原石のどの部分を彫刻するか、こだわり抜いて選んでいるのだそう。そのため原石の最も色のきれいな部分がスカラベになったり、スカラベの背中に独特の模様が浮き上がったり、ひとつひとつに唯一無二の魅力が備わっている。
もともと天然石は自然が生み出したものだから、まったく同じものはふたつと存在せず、それぞれが個性的。ポメラートはこうしたジェムストーンの個性を大切にするジュエラーで、型にはまらない自由な発想のデザインで石本来の魅力を際立ててきた。
宝石彫刻を専門とする職人がひとつひとつ手作業で磨き、多様な美しさを引き出した「スカラベオ ディ ポメラート」。このリングは、私たちもジェムストーンと同じように、ひとりひとりが個性的で唯一無二だということを思い出させてくれる。
*「フィガロジャポン」2024年7月号より抜粋
photography: Ayumu Yoshida styling: Tomoko Iijima text: Keiko Homma editing: Mami Aiko