旅への想いをドレスウォッチにしたためた、ルイ・ヴィトンの「エスカル」コレクションとは?

いいモノ語り 2024.11.05

時計とジュエリー、永遠のパートナーともなりうるこのふたつ。だからこそ、ブランドやそのモノの背景にあるストーリーに耳を傾けたい。いいモノにある、いい物語を語る連載「いいモノ語り」。
今回は、ルイ・ヴィトンのメカニカルウォッチ「エスカル」コレクションの話をお届けします。

file : 087
LOUIS VUITTON
ESCALE

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端正な顔立ちのドレスウォッチとして時計愛好家からも高い評価を得ている最新作。時計「エスカル オトマティック ローズゴールド ブルー」(RG、Φ39mm、自動巻き、カーフストラップ)¥4,147,000/ルイ・ヴィトン(ルイ・ヴィトン クライアントサービス)

旅へのオマージュをちりばめた、ドレスウォッチの洗練された美貌。

ルイ・ヴィトンのハイクオリティなメカニカルウォッチ「エスカル」コレクションから、とびきりシックな新作が登場した。時針・分針・秒針だけの時刻表示にフォーカスしたデザインは、このコレクションでは初めて。ユニセックスなスタイルで着用できる直径39ミリのサイズで仕立てられ、すっきりとした顔立ちが魅力的。ごくシンプルな造形ながら、ディテールをじっくりと見ていくと、ルイ・ヴィトンならではのシンボリックなモチーフや特徴的な質感がちりばめられているのに気付くはずだ。

文字盤の青い部分の仕上げは、アイコニックなモノグラム・キャンバスの風合いを巧みに再現したもの。時刻を表す小さなドットの目盛りは、トランクの外側に沿って並ぶロジンのビスを彷彿とさせる。12時、3時、6時、9時位置に配されているのは、トランクのメタリックパーツをイメージした目盛り。時計ケースの側面にも、トランクのコーナーにリベット留めされたメタリックパーツを思わせるデザインがあしらわれていて、メゾンを象徴するアイコニックなディテールがウォッチのあちこちに見て取れる。ファンにとってはうれしい発見があるデザインなのだ。

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ケースの裏蓋を留めるビスもデザインのうち。ムーブメントの美しい仕上げにも注目して。

このモデルを仕立てているのは、スイスにある自社のウォッチメイキングアトリエ、ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン。高度な技術を持った職人たちが集結しているので、細部のほんの小さな部分にいたるまで丁寧な仕事がなされている。ウォッチを裏返してみると、輝くような仕上げを施したムーブメントが見える。ジュネーブにある検定機関の厳しい検査をパスしたムーブメントを搭載しているので、精度の高さは折り紙つきだ。

コレクション名の「エスカル」とは、寄港地を意味するフランス語。つまり、このウォッチに込められているのは旅へのオマージュなのだ。メゾンの創業者、ルイ・ヴィトンの成功も旅からスタート。フランスのジュラ山脈地方で生まれた彼は、14歳の時に故郷を離れ、2年かけて徒歩で花の都パリに向かったという。

時代がどんなに便利な移動手段を提供してくれるようになっても、メゾンにとって中核となるフィロソフィは、旅。いつも暮らしている場所とは違う遠い街の景色は、高揚感や驚き、懐かしさなどさまざまな感情を呼び起こしてくれるもの。「エスカル」を手に取って、次の旅の寄港地をどこにするか夢想してみるのも悪くない。

*「フィガロジャポン」2024年12月号より抜粋

問い合わせ先:
ルイ・ヴィトン クライアントサービス
0120-00-1854(フリーダイヤル)
https://jp.louisvuitton.com/jpn-jp/

>> 「いいモノ語り」をチェック。

photography: Ayumu Yoshida styling: Tomoko Iijima text: Keiko Homma editing: Mami Aiko

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