山下智久が海外作品でホスト役! いま新境地を語る。

インタビュー 2022.05.13

WOWOWとハリウッド(HBO Max)が共同制作した連続ドラマシリーズ「TOKYO VICE」で、物語のスパイスとなるホスト役を務めた山下智久さん。海外作品への意気込みやパリのお気に入りアドレスについて聞きました。昨年、フィガロジャポンで撮りおろした撮影の秘蔵アザーカットとともにお届け!

1990年代、東京の大学を卒業したアメリカ人青年ジェイク(アンセル・エルゴード)は、難関を突破し、日本の大手新聞社に就職する。警察担当の記者となった彼は、特ダネを追ううちに闇社会へと深く入り込んでいく。WOWOWとハリウッド(HBO Max)が共同制作した連続ドラマシリーズ「TOKYO VICE」(全8話)。『ウエスト・サイド・ストーリー』のアンセル・エルゴードをはじめ、渡辺謙、伊藤英明、笠松将、菊地凛子といった豪華キャストが顔を揃えた話題作だ。オーディションを経て、物語の“スパイス”となるホスト、アキラ役を演じた山下智久が、新境地に挑んだ体験を語る。

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――オーディションを受けたのは3年前だそうですが、このドラマに興味を持った理由はなんですか?

いろんなことにチャレンジしたいという思いがあり、オーディションを受けました。20代前半から海外の作品に出たいと考えていて、いろいろなオーディションを受けていたんですが、なかなか役をいただけなかった。そろそろ難しいかなと思っていた時に、この役をもらうことができたので本当に嬉しかったです。大きい役ではないですけれど、自分にとって、とても大きな意味がある役。決まったという電話をいただいた瞬間は、いまでも鮮明に覚えていますし、どうやって作品の中のいいスパイスになれるか、真剣に考えました。人間の汚さや醜い部分を持っている役で、救いようはありません。でも、そういう人物を演じることは新鮮で、おもしろかったですね。これまで光の面が強い役ばかりをやっていたので、影のある、真逆のほうに振り切った役は初めてでした。俳優としてのキャリアを考えれば、とてもいい経験をさせていただいたと思います。

――脚本のどんなところが興味深かったですか?

日本で育った日本人が見る東京と、外国のカルチャーで育った人から見る東京ってこんなに違いがあるんだと、あらためて感じました。中からと外からと両方の角度で見ることができるのは、ある種、この「TOKYO VICE」ならではなのかな、と。さらに深いダークな部分もあったし、僕自身もこういう世界があるんだとあらためて、おもしろいと感じながら読ませていただきました。いまの時代、なかなか描けないことも増えてきている中で、かなり深いところまで闇を掘り下げた、チャレンジングな作品ですよね。

――どんな風に役作りをしたのですか?

刑事とヤクザ、新聞記者たちの物語で、僕が演じたホストは少し外れた存在なのですが、社会の裏と密接した夜の世界で生きている人間です。どうやったら(観客の)記憶に残るか考えながら、自分なりに味付けして演じたつもりです。役作りのための時間は充分にあったので、監督と話し合ったり、ホストクラブにも行ったりしました。一日一日が貴重でしたね。

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――日本での撮影でしたが、ハリウッドの監督やキャストと仕事をして新たに学んだことはありますか?

マイケル・マン監督とはオーディションで初めてお会いし、自分の出演シーンがなくても、撮影現場にも遊びに行かせていただいたりしました。物腰が柔らかで、とても優しい人です。役者それぞれに違うアプローチでイメージを伝えるのが上手な人だとも思いました。たとえば、「何かスポーツやっていた?」と聞かれて、「野球をちょっとやっていました」と答えたら、野球にたとえて演技指導してくれる。もちろん、お会いした時にはすごく緊張しました。海外の現場では、謙遜しすぎずにイエス、ノーをはっきり伝えることが大事だと思いますが、そういった海外作品の現場特有の雰囲気はありました。でも、いいものを目指して作るということにおいては、どこにいても一緒なんだなと、あらためて気付けたと思います。

――本作だけでなく、海外での仕事を積極的に選んでいるように見えますが、昨年の後半もフランスにいらしたそうですね。

漫画が原作のドラマシリーズの撮影で、フランスに4カ月ほど滞在していました。1カ月は南フランスのオランジュという街で、残り3カ月はパリです。ワインに関するドラマなので、日本でワインの勉強をしてから行きましたが、フランス滞在中もどっぷりワイン漬けでした。嗅覚や味覚のレベルが上がるということで、ダイエットにも取り組みました。勉強も兼ねてワインショップにたくさん行って、自腹でワインもかなり買いましたね。お金はたくさん使いました(笑)

――4カ月の滞在だと、旅行というより暮らしているような生活体験ができたのではないですか?

はい。長かったので、コインランドリーにも通っていたし、まさに暮らしていましたね。革命の街、バスティーユのホテルに滞在していたんです。カフェに行くのも楽しみのひとつでした。日本のコンビニより多いのではないかというくらい、カフェがたくさんあって驚きましたね。パリは車がとても混むので移動が大変ということもあり、自転車で移動することが多かったですね。アプリで電動自転車を簡単に借りられたりするんです。でも街を歩いているだけでも美術館にいるような気分になれたし、美食の街を味わえたし、とても楽しかったです。

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――外国に滞在したり、海外作品に出演する醍醐味とは何ですか?

いろんな意味で、ボーダーラインを外したいんですね。ずっとどう人からみられているのか、そういうことばかりを考えてきたので、本当の自分を隠して生きていたところがあります。多くの人に好かれたい、と。でも歳を重ねて、自分の綺麗な部分だけじゃなく、汚い部分も役を通して表現していきたい、という欲が出てきたんです。ある先輩に「お前は新幹線じゃなくて、自分で車を運転して目的地に行きたいんだな」と言われて、ハッとしましたね。ナビに頼ると道も覚えないけれど、自分の足で知らない道を開拓しながら進めば、その道も覚えている。苦労を伴うけれど、記憶が焼き付く。そんなプロセスを楽しめる生き方がしたいと、いま模索している最中です。この作品が、その第一歩になるといいなと思っています。

山下智久Tomohisa Yamashita
1985年4月9日千葉県生まれ。牡羊座。A型。ドラマ「正直不動産」(NHK総合)に出演中。映画『ザ・マン・フロム・トロント』が8月12日より全米公開予定。Huluオリジナル『Drops of God / 神の雫(仮題)』が‘今年配信予定。
 Instagram : @tomo.y9
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「TOKYO VICE」
1990年代、東京の大学を卒業したアメリカ人ジェイク(アンセル・エルゴート)は、難関な試験を突破して日本の大手新聞社に就職。警察担当記者となり、特ダネを追いかけるうちに、刑事の片桐(渡辺謙)と出会う。巨匠マイケル・マンが全編オール日本ロケで、新聞記者、ヤクザ、警察が入り乱れる裏世界を描くドラマシリーズ。
●監督/マイケル・マン、HIKARI、ジョセフ・クボタ・ラディカ、アラン・プール
●出演/アンセル・エルゴート、渡辺謙、伊藤英明、笠松将、菊地凛子、山下智久ほか
●全8話
●WOWOWにて毎週日曜22時より放送中、WOWOWオンデマンドにて独占配信中

 

photography: Riku Ikeya interview & text: A

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