映画音楽×JAZZ! 挾間美帆プロデュースの一夜をお聴き逃しなく。

自身のジャズ室内楽団m_unitによるアルバム『ダンサー・イン・ノーホエア』がグラミー賞にノミネートされるなど、世界を舞台に活躍する作曲家/アレンジャー/指揮者の挾間美帆。今夏はTOKYO JAZZのメインプログラムである「TOKYO JAZZ 2022 NEO-SYMPHONIC! CINEMA JAZZ」を東京芸術劇場で開催し、映画音楽とジャズをテーマに展開する。ジャズ演奏には気鋭のミュージシャン、黒田卓也(tp)、江﨑文武(p)、須川崇志(b)、石若駿(ds)が集い、スペシャル・ゲストには中村佳穂(vo)を迎え、東京フィルハーモニー交響楽団と共に贅沢な演奏が繰り広げられることになっている。イベント直前、本企画のプロデューサーでもある挾間に聴きどころを教えてもらった。

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Miho Hazama / 1986年、東京生まれ。2010年にマンハッタン音楽院大学院へ留学、12年にはファーストアルバムをリリースし、13年から本格デビュー。17年9月に「第16回 TOKYO JAZZ 2017」に出演。19年には共演を重ねたデンマーク・ラジオ ビッグバンドの首席指揮者に就任。20年には前述のとおりアルバムがグラミー賞にノミネートされるなど、世界での活躍が止まらない。

――バラエティに富んだ選曲で、いまから本当に楽しみです。『ウエスト・サイド・ストーリー』からの「シンフォニック・ダンス」は盛り上がりそうですね!

スピルバーグ監督のリニューアル版がちょうど今年に公開されたので、「いましかこの曲をできるチャンスはないよね」という気持ちもあって挑戦することにしました。バーンスタインのスコアは変えてはいけないという決まりがあります。とても難しい曲ですけど、これは自分が住んでいるNYの話ですし、たまたまリンカーンセンターの映画館で観ていたら、映画の舞台だったところがいまはきれいになっていたので、親近感や臨場感が湧いてきて。なので大袈裟に考えずに、もっとこの音楽と近しい関係になる方法があるかなと考えているところです。

――いっぽうで『エヴァンゲリオン』の曲もリストに入っています。

日本にもジャズを愛して止まない作曲家が映画音楽を書いていることを、皆さんに知っていただきたいと思い、『新世紀エヴァンゲリオン』の音楽を手がけた鷺巣詩郎さんのジャズ・アレンジアルバム『The world! EVAngelion JAZZ night = The Tokyo III Jazz club =』から選曲しました。映画にはジャズ版は流れていないけれど、「ジャズを使って楽曲をお料理すると、こんなふうになるよ」と楽しんでもらえたら(笑)。

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――ピクサーのアニメーション映画『ソウルフル・ワールド』からの曲もリストに入っていますが、これは今年のグラミー賞で最多5部門を受賞したジョン・バティステの作品ですね。

このアルバムを選んだのは、ジョン・バティステだから。グラミー賞では『ウィー・アー』で最優秀アルバム賞を受賞したように、現代においてすごく重要なジャズミュージシャンでありながら、ジャンルの枠を超えたコラボレーションにも精力的で、自分の良さをどんどん出すことのできるアーティスト。根底にはジャズやゴスペルがありますが、活動の全部が自分の血となり肉となり歌のセンスとなり……という、すべてが見事に楽曲に反映されているんです。

――このアルバムでは「born to play」や「bigger than us」が好きですが、演奏しますか?

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Ayatake Ezaki / ピアニスト、キーボーディスト。1992年、福岡市生まれ。2011年東京藝術大学音楽学部入学。13年にWONKを結成。King Gnuのレコーディングのサポートメンバーや、Millenium Paradeとしての活動、また楽曲提供やプロデュース、映画音楽の担当など幅広く活躍する。

江﨑(文武)さんにメドレーとして構成を考えていただいて、その2曲は入っています(笑)。そのギュッと濃縮されたメドレーを、アメリカのスコット・ニンマーという作曲家にオーケストレーションしてもらいました。編曲家/プロデユーサーとしての江崎さんと、ピアニストの江﨑さんのどちらも楽しんでいただける曲になっているんじゃないかと思います。

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――期待してしまいます。そして中村佳穂さんとは『竜とそばかすの姫』からの曲の他に、ビョークの曲も!

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Kaho Nakamura / シンガーソングライター。1992年、京都府生まれ。2012年から本格的音楽活動をスタート。21年の映画『竜とそばかすの姫』では主人公の声と劇中歌を担当、22年には資生堂創立150周年記念のCMで「君のひとみは10000ボルト」の歌唱を担当するなど、活動の幅が広がっている。

どうしても中村さんに「I’ve Seen It All」を歌ってほしいと思ったので、熱意を持ってお願いしました(笑)。私が高校生の時に、映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を観るよりも先にこの曲を聴いたのですが、もう衝撃的で! 原曲のオーケストラを書いているのが素晴らしいジャズ作曲家であるヴィンス・メンドーザで、このサウンドを壊したくなかったので、私が耳コピして、そのままスコア化しています。

――すごい!そして、テレンス・ブランチャードはスパイク・リー監督の映画音楽でも有名です。

彼はジャズ・トランペッターとして長いキャリアを持ちながら、作曲家として幅広い活動をするようになって、今年は黒人作曲家として初めて、NYのメトロポリタン歌劇場で自作のオペラを初演するという快挙を成し遂げました。今話題の人で、そのことも選んだ理由のひとつです。黒田(卓也)さんをフィーチュアできる曲として、ハリケーン・カトリーナのドキュメンタリー映画から鎮魂歌である「Levees」を選びました。

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Takuya Kuroda / ジャズトランぺッター。1980年芦屋市生まれ。2003年、NYのニュースクール大学ジャズ科に進学。14年に日本人としてはじめてブルーノート・レコードと契約した。ブルックリンを拠点に世界で活躍する。

――ほかにも「Mo’ Better Blues」などもあり、とても贅沢な夜になりそうです。

今回は幅広くピックアップしているので、「これは知らないけど、これは聞いたことがある」とか、いろいろな引っかかり方があると思います。より多くの皆さんに興味を持って聴いてもらえるようプログラムを組んでいるので、「お祭りに来たみたいに楽しい!」って思っていただけるようなコンサートを目指します(笑)。足を運んでいただけたら嬉しいですね。

TOKYO JAZZ 2022 NEO-SYMPHONIC ! CINEMA JAZZ
開催日時:2022年8月19日(金)19時開演(18時開場)
会場:東京芸術劇場 コンサートホール 東京都豊島区西池袋1丁目8-1
チケット料金:
S席8,500円 A席7,000円 B席5,500円 高校生以下1,000円(各税込)
※未就学児入場不可。
※高校生以下は東京芸術劇場ボックスオフィスのみ取扱い
※障害者手帳をお持ちの方は、割引料金でご鑑賞いただけます。詳細は東京芸術劇場ボックスオフィスにお問合せください(要事前予約)。
※開演時間に遅れますと、しばらくの間ご入場いただけない場合や、自席にご案内できない場合がございます。
※感染予防および公演当日の混雑緩和のため、チケットの事前予約・引き取り・購入をお奨めいたします。
※やむを得ぬ事情により、出演者・曲目等に変更が生じる場合がございます。
※公演中止の場合を除き、ご予約・ご購入いただきましたチケットのキャンセル・変更は承れません。
チケット販売窓口:東京芸術劇場ボックスオフィス
TEL:0570-010-296(休館日を除く10:00~19:00)
※一部携帯電話、PHS、IP電話からは、ご利用いただけません。
WEB www.geigeki.jp/t
●問い合わせ:東京芸術劇場ボックスオフィス
0570-010-296(休館日をのぞく10:00~19:00)
https://tokyo-jazz.com/

 

音楽&映画ジャーナリスト/編集者
これまで『フィガロジャポン』やモード誌などで取材、対談、原稿執筆、書籍の編集を担当。CD解説原稿や、選曲・番組構成、イベントや音楽プロデュースなども。また、デヴィッド・ボウイ、マドンナ、ビョーク、レディオヘッドはじめ、国内外のアーティストに多数取材。日本ポピュラー音楽学会会員。
ブログ:MUSIC DIARY 24/7
連載:Music Sketch
Twitter:@natsumiitoh

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