エレガンスとファンタジーあふれる「ドゥバイヨル」の世界を創り出す、二人のシェフにインタビュー!

インタビュー 2014.02.06

ベルギー・ブリュッセル発のパティスリー「DEBAILLEUL(ドゥバイヨル)」。創設者のMOFパティシエ、マルク・ドゥバイヨル氏の掲げる信念を大切に守りながら、昨年30周年のアニバーサリーイヤーを迎えたメゾンから、おとぎ話の中に広がる庭園「JARDIN」をコンセプトにしたコレクションが登場した。19世紀ヨーロッパのファブリックや壁紙のようなエレガンスとファンタジーにあふれたデザインは、どこかルイス・キャロルの世界のよう。サロン・デュ・ショコラの開催に合わせて初来日したショコラティエのロイック・ブランダン氏とパティシエのジル・ドゥマンジュ氏に、その世界観やクリエーションのプロセスについて伺った。

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ショコラティエのロイック・ブランダン氏(左)と、パティシエのジル・ドゥマンジュ氏。


―― 今シーズンは「ジャルダン(庭)」がテーマとのことですが、このコンセプトをどのようにショコラに落とし込んでいきましたか?

ロイック・ブランダン(以下L):「まず最初に"ドゥバイヨル・パレス"というイメージが浮かびました。ドゥバイヨル王国の宮殿にある楽しいお庭、そんな風景を思い描き、木や鳥や花のデザインをショコラに施しました。味に関しては、私たちの伝統的な味であるバニラ、モカを中心に発展させたものです」


―― ブランドは昨年30周年を迎えましたが、伝統を受け継ぐべき部分と新しさを取り入れるバランスにおいて心がけていることは?

L:「一番大事にしているのは、なんといっても調和です。伝統も大切なのですが、それとともに新しいものを生み出していきたいという意欲があります。ですから、その二つのハーモニーをいつも考えています」

ジル・ドゥマンジュ(以下G):「マルク・ドゥバイヨルが創業当初から大事にしている素材へのこだわりをはじめとして、基本的には彼の理念を尊重していきたいと思っていますが、同時にモダンな要素を少しずつプラスしていきたいとも考えています」


―― 今回のサロン・デュ・ショコラでは、新しい試みとしてカップケーキを販売されましたね。

G:「はい。みなさんがよく知っているカップケーキに私たち流のスタイルを足しました。まずスポンジ生地がほかのものより軽く、食感がライトに仕上がっています。それから、断面を見るとわかりやすいのですが、上から層のように味が重なる工夫をしたので、バリエーションや変化を楽しんでいただけるような一品だと思います」

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初登場した華やかなカップケーキ。左から、ショコラ、カフェキャラメル、シトロンフランボワーズ。

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―― 新しいメニューなどは、いつもどうやって生み出されるのですか?

L:「私はショコラの担当ですが、社内の他の立場の人から提案されるいろいろな意見を参考にトライアルを重ねます。一番大事なのはマリアージュ、組み合わせだと思っています」

G:「私はドゥバイヨル社で長くパティシエを務めているのですが、30年の伝統をたどり、かつての味を再解釈して自分なりにもう一度表現する、という姿勢を心がけています。ルネッサンスではありませんが。それから私はアイスクリームを使ったデセールが得意なので、『この味にアイスクリームを加えたらどうなるだろう?』ということをよく考えます」


―― 3月から丸の内オアゾ店のメニューに新しく加わる「アヴァランシュ」にも、そういったアイデアが反映されていそうですね。

G:「これはボール型のショコラの中にアイスクリームとクランブルが閉じ込められていて、温かいチョコレートドリンクをかけると、ショコラが溶けて中のアイスクリームとクランブルが現れるというものです。こういった驚きと楽しさのあるものを作りたいと思っていたので、ショコラの担当者とアイデアを出し合って作り上げました。家族のような雰囲気のある会社なので、お互いに意見交換することもよくあるんです」


―― バレンタインコレクションの『ジャルダン アンシャンテ』を楽しむ、おすすめのシチュエーションは?

G:「ぜひ、日本産のワインと一緒に味わってもらいたいです。昨晩はスタッフとの夕食会で日本のワインをいただいたのですが、とってもおいしくて『ああ、ショコラを持ってくればよかった!』という場面があったんですよ。きっと合うと思います。それから"ジャルダン"の楽しいイメージの通り、恋人同士でおいしいワインとショコラを囲みながら、二人の世界を作ってほしいと思います」

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バレンタインコレクションの「ジャルダン アンシャンテ」。限定のガナッシュ2種とプラリネ2種が詰め合わせになっている。ボックスのイラストもかわいくてユニーク!


―― 今回の来日で、新しいアイデアは生まれそうですか?

G:「新作を考えるにはとてもいい機会でした。日本とベルギーは遠いと思っていたのに、私たちの製品を日本のみなさんが食べてくださっていて、私たちも日本食や日本のワインをおいしくいただいて、『食を通せば、ある意味とても近いんだ!』と感じたので、これをヒントにしたいと思っています」

L:「新宿には大きなビルディングが並ぶ一方で、ちょっとしたところに日本人の庶民的な感覚を垣間見ることができたので、このイメージを持ち帰ってなにかの形にできればと思います。桜の季節に滞在できなかったのが残念ですが......」


―― お二人にとって、今まで一番印象に残っている旅のディスティネーションは?

G:「私はフランス人で、今はベルギーに住んでいるのですが、若い頃はフランス各地を巡る職人だったんです。そのときに見てきたフランスの地方も印象に残っているし、あとはカナダのケベックも魅力的だったけれど、その土地で人と触れ合うことができると『いい国だな』と思います」

L:「私は間違いなく日本です!」


140130_debailleul_05.jpgユニークで贅沢な味わいを楽しむ、春のデセールメニュー「アヴァランシュ」新登場!
この春、ドゥバイヨルのデセールメニューに加わる「アヴァランシュ」は、ベルギー本国のオリジナルレシピ。「アヴァランシュ」とはフランス語で「雪崩」を意味し、ボール状のショコラに温かいチョコレートドリンクをかけると、ショコラが雪崩のように溶けだし、中に詰まったバニラアイスクリームと香ばしいクランブルが顔をのぞかせる楽しい仕掛け。ぜひ味わってみて!
発売時期:2014年3月中旬~

ドゥバイヨル 丸の内OAZO店
東京都千代田区丸の内1-6-4 オアゾ ショップ&レストラン1F
営)9:00~22:00(L.O. 21:30)
http://www.debailleul.jp

photos:EISUKE ASAOKA

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