美しい投資術 Vol.11 話題のFIRE、実現するには目標額を決めて節約&資産運用を。

フィガロジャポン2021年7月号から連載「美しい投資術」をスタートした、個人投資家/資産運用アドバイザーの廣田里那さん。今回は最近よく耳にするようになった「FIRE」について聞きました。

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photo: iStock

最近、耳にする「FIRE」という言葉は、「Financial Independence, Retire Early」の略で、「経済的自立と早期退職」のこと。資産運用で収入を得て、好きなことだけをする新しい生き方です。

FIREが話題になるのは、仕事を楽しめていない人が多いからかも? 生活のためだけに働いていたり、やりがいがなかったりすると、早く辞めて自由に生きたいと思いますよね。私も新卒で日系商社に入社しましたが、大企業ゆえの不自由を感じて定年まで勤めるなんて考えられませんでした。

では、実際に会社に縛られず、早期退職後も自立して生きるには? まず目標設定が必須です。毎月いくらのお金で生活できるかを考え、何歳でFIREしたいのか、その年齢までにどれくらい貯蓄が必要なのかを算出します。ネット上にはFIREに必要な金額をシミュレーションできる無料サイト(https://ecpplus.net/fire_calculatorなど)もあるので、興味のある方は計算してみてください。

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FIREを実現するには、早期退職するまで投資で資産を殖やし、その資産を運用しながらリタイア後の生活費を捻出する必要があります。若い頃は株式や投資信託で利回りを高く運用して貯蓄をし、目標の年齢が近づいてきたら一部を安定資産の債券(コラム参照)にスイッチするとよいかもしれません。不動産投資も不労所得を得る方法のひとつです。

固定費を減らし、支出を抑えることも肝心。人気ブログ「三菱サラリーマンが株式投資でセミリタイア目指してみた」の筆者は、金融資産を7000万円まで殖やして30歳でFIRE達成しましたが、徹底した節約で収入の約8割を投資に回したそう。私には難易度が高くて真似できませんが、支出の優先順位をつける意識は学べます。

私自身、好きな仕事をしながら生活費の一部を資産運用で得ているので、ある意味FIREしているようなもの。でも早くリタイアしたいとは思っていません。働くことで人と出会うことができ、学びや成長がある。仕事は辞めずに「経済的自立」をしていたいと思っています。

債券の魅力は高い安全性。
一般的に投資対象の債券とは、国や地方自治体、企業などが投資家から資金を借り入れるために発行する証券。ほとんどの債券には満期があり、破産などで債務不履行(デフォルト)にならない限りは満期を迎えた時に元本が戻る。株式に配当があるように、債券にも利子が支払われる。株式と異なり利子は変動しないことから、さまざまな金融商品の中でも比較的低リスクだとされている。ただし市場の金利水準の変化に応じて変動するため、満期の前に換金すると損失が生じる可能性もある。

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*「フィガロジャポン」2022年5月号より抜粋

text: Yoko Sueyoshi

個人投資家/資産運用アドバイザー。1990年、パリ生まれ。現地高校卒業後、お茶の水女子大学に進学し、東京に移住。日系商社に勤めた後、通訳、金融会社を経て、個人投資家に。

instagram:@lina_saint.germain

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