美しい投資術 vol.22 資産運用に興味はあるけれど、 何から始めればいいですか?

フィガロジャポン2021年7月号から連載「美しい投資術」をスタートした、個人投資家/資産運用アドバイザーの廣田里那さん。

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画像はイメージ。illustration: VectorBird_iStock

今回の相談者は、新卒で入った会社に勤続6年、今後も同社でキャリアアップを目指す28歳の女性。毎月銀行預金に回していた資産を、どれくらい、どんな運用から始めるといいのでしょうか。


今月の資産相談

資産運用に興味はあるけれど、 何から始めればいいですか?

J子さん(28歳・独身) 
会社員 年収 約500万円 貯金 約500万円

新卒入社の通信会社で働き始めて6年、仕事に不満はなく、今後もこの職場でキャリアアップをして、収入を増やしていきたいです。社会人1年目から毎月先取り貯金をしてきたおかげで、ある程度お金は貯まりましたが、社内のキャリア研修をきっかけに、将来のライフプランの構想と同時にお金のことも真剣に考えるように。企業年金や財形貯蓄は活用していますが、資産のメインは利息を期待できない銀行預金。1年前にiDeCoとつみたてNISAの口座は開設しましたが、何に投資したらいいのかわからずそのままです。30歳目前、本気で資産運用に踏み出したいのですが、まず何から始めればいいでしょうか。

1カ月の収支

収入 ▶ ¥310,000(手取り)/月 支出 ▶ 約 ¥131,000/月

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iDeCoとつみたてNISAのご提案

投資先や運用方法にお悩みとのこと、まずは将来必要なお金の計算から始めてください。具体的な目標を設定することで投資の方向性が決まります。結婚や出産の時期は未定とのことなので、今回は老後資金を計算してみましょう。現在のJ子さんのライフスタイルをもとに、65歳でリタイアして女性の平均寿命87歳まで、用意しておきたい資金を計算すると、生活費月約25万円(−年金月約10万円)×22年=約3,960万円。この費用の準備を考えることからスタートしてみるのはどうでしょう。

投資初心者ということで、「守りの投資」をおすすめしたいです。投資の世界には「卵をひとつのカゴに盛るな」という格言があります。カゴ(投資先)を複数用意して卵(資産)を分ける手法です。分散投資はリスク低減効果を期待できます。意識するポイントは「資産・銘柄の分散」「地域の分散」「時間(時期)の分散」です。iDeCoやつみたてNISAは、まさに分散投資に向いています。国内外のさまざまな種類の投資信託に長期で積立投資することで、守りの投資を実現できます。

銘柄選びのポイントは「運用成績が右肩上がりである」「歴史が長い」「運用コスト(手数料)が安い」の3つ。現在の銀行預金は生活防衛費としてキープし、これからは先取り貯金に充てていたお金の一部を投資にシフトしてみてくださいね。

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※資産運用の相談者を募集中!

貯蓄や運用している資産について、お悩みや見直したいことがありましたらぜひご応募ください。収支全体のチェック、もしくは投資のみのご相談、どちらでもお受けいたします。応募はこちら

*「フィガロジャポン」2023年4月号より抜粋

text: Yoko Sueyoshi

個人投資家/資産運用アドバイザー。1990年、パリ生まれ。現地高校卒業後、お茶の水女子大学に進学し、東京に移住。日系商社に勤めた後、通訳、金融会社を経て、個人投資家に。

instagram:@lina_saint.germain

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