美しい投資術 Vol.28 起業した事業に力を入れつつ、手持ちの資産を殖やすには?

フィガロジャポン2021年7月号から「美しい投資術」を連載する、個人投資家/資産運用アドバイザーの廣田里那さん。

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研究職を経て2年前に起業した44歳の女性。いまある預金を少しでも殖やしたいけれど、仕事に集中したい。負担の少ない方法で、どう運用できるでしょうか。


今月の資産相談

起業した事業に力を入れつつ、手持ちの資産を殖やすには?

P子さん(44歳・未婚)
自営業 貯金 約3,000万円

大学院を卒業後、メーカーに研究職で入社。2年前に起業しました。会社が黒字化するまで自分の給料は抑えており、現在は貯金3,000万円を取り崩して生活費に充てています。約20年間、定期預金に毎月5万円拠出してきましたが、友人の勧めで昨年から一部をつみたてNISAに回しています。お金には無頓着なのですが、利息が少ない銀行の預金だけではなく、投資で少しでも殖やしたいと思い始めました。ただ、仕事に集中したいので、負担の少ない方法を知りたいです。一方で、知識が広がるような投資にも興味はあり、可能な範囲で挑戦してみたいです。個人的には、成長著しいインドも気になっています。

1カ月の収支

収入 ▶ 約 ¥25,000 /月 ※会社が黒字になるまで貯金でマイナスを補填。
支出 ▶ 約 ¥227,000 /月

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新NISAを利用した運用のご提案

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会社員時代に十分な貯蓄を達成されたP子さん。銀行預金や定期預金に疑問を感じているご様子、確かにこの低金利時代、現状のままではもったいないです。P子さんには来年からスタートする「新NISA」を利用し、全世界の株式へ銘柄分散できる投資信託を中心にした運用で、長期的リターンを狙うことをおすすめします。

新NISAは投資で得た利益に税金がかからない制度なので、通常の投資よりもお得です。生涯投資枠は上限1,800万円なので、まずはその枠内での投資を目指しましょう。頻繁に売買するのではなく、長期保有を前提にコツコツ買い増す投資なら手間がかかりません。投資商品の種類ごとに「成長投資枠(240万円)」「つみたて投資枠(120万円)」と1年に計360万円の上限があるので、生涯投資枠は最短5年で埋めることができますが、投資のペースは負担がない範囲で。上表では、2つのプランをシミュレーションしてみました。

もうひとつ「学びの投資」には、P子さんの仕事と関連するような企業、分野への投資はいかがでしょうか。個別株は分析が必要になるので、本業にもプラスになるはずです。

また、関心をお持ちのインドは、GDP成長率の高い国で、私も注目しています。インドを代表する株価指数に連動したインデックスファンドなら、投資初心者でも挑戦しやすいと思います。

※資産運用の相談者を募集中!

貯蓄や運用している資産について、お悩みや見直したいことがありましたらぜひご応募ください。収支全体のチェック、もしくは投資のみのご相談、どちらでもお受けいたします。応募はこちら

*「フィガロジャポン」2023年10月号より抜粋

text: Yoko Sueyoshi

個人投資家/資産運用アドバイザー。1990年、パリ生まれ。現地高校卒業後、お茶の水女子大学に進学し、東京に移住。日系商社に勤めた後、通訳、金融会社を経て、個人投資家に。

instagram:@lina_saint.germain

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