美しい投資術 Vol.32 旅行資金と資産1000万円、両方準備できる方法は?

フィガロジャポン2021年7月号から「美しい投資術」を連載する、個人投資家/資産運用アドバイザーの廣田里那さん。

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今回の相談者は、年数回の旅行もしつつお金も貯めたい自営業の32歳女性。すでに資産運用は始めているけれど、毎月の支出と運用を見直すことで、両方を叶えることはできるでしょうか。


今月の資産相談

旅行資金と資産1,000万円、両方準備できる方法は?

T子さん(32歳・既婚) 自営業
貯金 380万円

会社員を辞め、IT関連の事業で独立して8年。パートナーが起業したばかりなので、私が生活費を負担しています。収入は月平均で約86万円あり、銀行預金に20万円、つみたてNISAに約3万円、iDeCoに3万円を回しています。上質な日用品や美容にお金をかけていて、国内外の旅行も大好き。年数回の旅行は継続しつつ、純資産1,000万円を目指すことが目標。収支を見直して投資でお金を殖やしたいです。これまで自分のつみたてNISAとパートナーの一般NISAで、全世界と米国の投資信託を運用してきましたが、新NISAに移行するまでに、より良い方法や銘柄を探しており、アドバイスをお願いします。

1カ月の収支

収入 ▶ 約 ¥860,000(手取り)/月 支出 ▶ 約 ¥454,000 /月

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資産と運用内容の見直し

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旅行資金の捻出と純資産1,000万円、ふたつを叶えたいT子さん。お金を貯めるには、目標設定と先取り貯蓄が有効です。私の場合は、純資産1億円が目標で、稼いだお金は投資に回したいので買い物を控えるのは苦になりません。パリと比較すると東京の女性たちは日用品や美容にお金をかける印象があります。今回、収支を"見える化"したことで、出費の優先順位を意識できるようになったのでは。支出をコントロールすることで、目標の1,000万円達成は数年で叶いそうです。そのうえで、まず生活防衛費として400万円まで貯めたら、銀行預金に回している月20万円のうち5万円をドルの定期預金にして、旅行資金に活用することをおすすめします。銀行によっては半年で2.5%の金利がつくケースも。先取り貯蓄になりますし、外貨は海外旅行の際にも役立つはずです。残りの15万円とつみたてNISAに回していた3万円、計18万円のうち10万円を新NISAの年間の投資上限120万円の「つみたて投資枠」で、全世界の株式に分散投資できるインデックスファンドをコツコツと、8万円は年間の投資上限240万円の「成長投資枠」で、米国やインドなど今後も成長を期待できる国のインデックスファンドへ。パートナーの新NISAはつみたて投資枠だけ活用し、一般NISAと同じ内容で運用を続けてみてはどうでしょうか。

※資産運用の相談者を募集中!

貯蓄や運用している資産について、お悩みや見直したいことがありましたらぜひご応募ください。収支全体のチェック、もしくは投資のみのご相談、どちらでもお受けいたします。応募はこちら

*「フィガロジャポン」2024年2月号より抜粋

text: Yoko Sueyoshi

個人投資家/資産運用アドバイザー。1990年、パリ生まれ。現地高校卒業後、お茶の水女子大学に進学し、東京に移住。日系商社に勤めた後、通訳、金融会社を経て、個人投資家に。

instagram:@lina_saint.germain

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