美しい投資術 vol.39 貯金が苦手。家計を見直して何を節約すべき?

美しい投資術 2024.07.20

フィガロジャポン2021年7月号から「美しい投資術」を連載する、個人投資家/資産運用アドバイザーの廣田里那さん。

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今回の相談者は、結婚、引っ越し、出産で出費が続き、貯金が100万円から増えないとお悩みの35歳主婦。どうすれば貯蓄できるか、家計の見直しの相談です。

今月の投資相談

貯金が苦手。家計を見直して何を節約すべき?

HKさん(35歳・既婚) 主婦
世帯年収 約1,100万円 貯金 約100万円

3年前に結婚、関西から東京に引っ越して3カ月前に子どもを出産しました。時折アルバイトをしていますが、現在は専業主婦です。夫は会社員で年収は約1,100万円、手取り約790万円と、年齢の割に世帯年収は多い方だと思います。でも夫婦ともに貯蓄が苦手で、現在の貯蓄は100万円しかありません。私は独身時代に貯蓄はゼロ、夫の貯蓄で結婚式やハネムーンで500万円ほど使ってしまいました。老後の資金として、夫婦で年金保険をかけているのと、NISAのつみたて投資枠を活用しています。1年半前に投資用ワンルームマンションを購入し、将来マイホームの購入資金に充てる予定です。東京は物価が高く、子どもの養育費にもお金がかかるので、このままで良いのか不安です。

1カ月の収支

収入 ▶ 約¥660,000(手取り)/月
支出 ▶ 約625,000/月

  • ▼固定費
    約¥225,000
  • 居住費(賃貸)
    ¥ 230,000
  • ※1年間、10万円家賃補助あり
    →1年後に住宅購入を検討しては?
  • 光熱費
    ¥30,000
  • 通信費
    ¥17,000
  • →携帯のキャリア変更で約¥5,000下げる。
  • 医療保険
    ¥ 13,000(夫)
  • →掛け捨てにしては金額が大きいので、他の商品に変更を検討しては?
  • 生命保険
    ¥ 69,000(夫¥37,000+妻¥32,000)
  • →一部払い済みにして運用を続け、掛け金分をNISAやiDeCoに変更しては?
  • その他ローン
    ¥100,000
  • ※不動産投資ローン。賃貸収入10万円で収支¥0
  • ▼変動費
    約¥326,000
  • 食費
    ¥110,000(うち外食¥50,000)
  • 交際費
    ¥100,000(夫妻各¥50,000)
  • →外食と交際費をそれぞれ半分にして5万円を貯金に回す?
  • 交通費
    ¥10,000(夫妻各¥5,000)
  • 趣味・娯楽
    ¥ 3,000
  • 日用品
    ¥13,000
  • 衣服・美容
    ¥40,000(夫妻各¥20,000)
  • 健康・医療
    ¥ 10,000
  • 教養・教育
    ¥ 20,000
  • ▼貯蓄
  • 銀行貯金
    ¥0
  • →たとえば月5万円を天引き貯金で別口座に入れ、500万円を目指す。
  • ▼運用
  • NISAつみたて投資枠(オールカントリー)
    ¥40,000
  • →貯金ができたら月10万円満額を目指す。

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毎月の支出で気になる固定費は保険料と家賃でしょうか。医療保険は他の商品を検討、生命保険は保険料の支払いを停止し、現在までの払込保険料で保障を続ける(払い済みにする)ことで毎月の保険料の負担を減らせます。払い済みにすると保障額は減少しますが、これまでに支払った保険料に基づく保障は続き、解約返戻金は運用され続けます。この運用により、返戻金の額が少し増える可能性があります。

また、1年後に家賃補助がなくなることを見越してマイホームの購入を検討してみてはどうでしょうか。不動産という将来の資産も手に入りますし、東京都内の人口増加地域では資産価値の下落リスクが低いです。
毎月の支出を抑えた分を、まずは生活防衛費として約1年分の生活費500万円を目標に貯蓄を進めましょう。普段の支出を「NEEDS(家賃、食費など必要経費):WANTS(娯楽、趣味など):SAVINGS(貯蓄や投資)=50:30:20」の割合で管理することがおすすめ。また、天引き貯金を活用し、給与からあらかじめ貯蓄分を差し引くと貯めやすいです。

生活防衛費を達成したら、NISAを満額活用することを検討してほしいです。NISAなら非課税保有限度額が1,800万円で、NISAを通じて得られた投資収益は、通常の投資と異なり非課税となります。NISAの活用については、お子さまの養育費から逆算し、計画的な資産形成を進めましょう。公立と私立では必要な費用が大きく異なりますので、まずは方針を定めて、必要な学習費を明確にすることをおすすめします。

 小中高、公立と私立の学費の違い

文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」によると、小中高の12年間を公立と私立それぞれで通った場合、公立は約525万円、私立は約1,745万円と学習費の合計は約3倍違います。NISAは長期的な資産形成に向いているので、小学校入学時に資金を取り崩してしまうと複利の効果がなくなりますが、高校、さらに大学に向けてリスクを抑えながら学習費を効率的に形成するために活用するのは手です。元本に対して得られる利子や配当が再投資されることで、資産が時間とともに増加する可能性が高まります。
参考
https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/mext_00001.html

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この記事や情報は、特定の銘柄への投資を推奨または勧誘するものではなく、あくまで参考情報であり、将来の成果を示唆、あるいは保証するものではありません。
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text: Yoko Sueyoshi

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