年のはじめに、鎌倉・江の島七福神めぐり。

鎌倉ウイークエンダー 2024.01.05

長谷川真弓

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七つの災難を除き、七つの幸運を授かるといわれる七福神めぐり。

お正月や1月の休日に鎌倉へ初詣に行くなら、鶴岡八幡宮だけではなく、七福神めぐりをしてみませんか? 御朱印を授かりながらまわれば、帰る頃にはパワーがみなぎっているかも。鎌倉から江の島まで1日でまわることができ、天気がよければ富士山も拝める七福神めぐり、年のはじめに行うと清々しい気分になれそう。

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01#鎌倉・江の島七福神めぐりは8箇所

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江島神社と御霊神社の間は距離があるので江ノ電を利用して。

七福神とは、恵比寿天、大黒天、毘沙門天、弁財天、布袋尊、福禄寿、寿老人の7柱の福の神のこと。これらの福神を参詣してまわると除災招福と諸願成就がもたらされるといわれており、江戸時代にお正月の行事として一般化したのだそう。

「鎌倉・江の島には弁天様が2箇所あるため、計8箇所の寺社をめぐります。お正月だけでなく1年を通して参拝することができるので、朝から歩いてくたびれたらまた別の機会に出直してもいいし、混む時期の1月を避けてほかの季節にするなど、無理なくまわるのがおすすめです」(鎌倉・江の島七福神会)

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02#七福神専用の御朱印色紙も

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それぞれの御朱印が入ると迫力満点。

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屏風型の御朱印張も。

御朱印とは、参拝の証しとして印を押して、日付を墨書きしてもらうもの。鎌倉の七福神をまつる各寺社では、七福神用の御朱印色紙が購入できる。浄智寺と御霊神社では屏風型御朱印帳も販売。巡拝の記念となり、すべてまわると結願印(けちがんいん)がもらえるのでぜひ8つの御朱印を集めてみて。

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03#おすすめの北鎌倉駅からめぐるコースを紹介

【福徳円満】
浄智寺[布袋尊]

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杉の木に囲まれた雰囲気のある石段を上り、本堂へ。

北鎌倉駅からスタート。駅を出て徒歩7分ほどで着くのが、鎌倉五山第四位の古刹である浄智寺。山の中に佇むこのお寺は、門構えからして雰囲気があり、何度訪れても見惚れてしまう。

境内裏の洞窟にまつられているのは、知恵を授けて福徳円満の人をつくる福神、布袋尊の石像。その柔らかい笑顔をぜひ拝んでみて。お腹をなでるとご利益があるとか。

浄智寺(じょうちじ)
神奈川県鎌倉市山ノ内1402
拝観時間 9:00〜16:30

徒歩約18分 1.3km

【芸能成就】
鶴岡八幡宮 旗上弁財天

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社殿裏には、源頼朝が政子のために安産を祈って置いたといわれる「政子石」も。

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白旗は源氏のシンボルだったそうで、小島を囲むように旗がはためいている。

次は言わずと知れた、鶴岡八幡宮へ。地元の人からは親しみと敬意を込めて「八幡様」という愛称で呼ばれている。

本殿は、お正月は初詣の参拝客で混み合っているが、旗上弁財天は、入り口近くの源平池の中に浮かぶ小島にある。

源頼朝が源氏の勝利と平家の滅亡を祈願したとされる旗上弁財天。必勝祈願や大願成就の福神で、弁財天像は鎌倉国宝館の中に寄託されている。

鶴岡八幡宮(つるがおかはちまんぐう)
神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-31
拝観時間 9:00〜16:00

徒歩約4分  260m

【勝運来福】
宝戒寺 毘沙門天

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毘沙門天は本堂の左手にまつられている。本堂にあがって拝観できる数少ないお寺。

鶴岡八幡宮を出たら、真っ直ぐにのびる段葛を通らずに、左手へと進む。5分ほどの場所にあるのが北条氏ゆかりのお寺、宝戒寺。花の名所としても有名で、萩の花が咲き誇る秋は特に美しいと評判。

本尊の左手に、戦いの神様である毘沙門天がまつられている。上杉謙信が愛した仏像としても有名で、勝利や幸福をもたらすということから、今では新しいことに取り組むとき、就職、受験などでお参りする人も多い。毘沙門天の勇ましいお姿に勇気をもらえそう。

宝戒寺(ほうかいじ)
神奈川県鎌倉市小町3-5-22
拝観時間 9:30〜16:00

徒歩約5分  350m

【長寿延命】
妙隆寺[寿老人]

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鎌倉幕府の有力御家人であった千葉氏の屋敷跡に創建された寺院。

住宅街にひっそりとたたずむ妙隆寺。「鍋かむり日親」と呼ばれた日新上人ゆかりのお寺で、寒中に厳しい修行したといわれている池も残されている。

境内の小さな祠には、けやき一本造りのにこやかな寿老人尊像がまつられている。長寿と健康の象徴とされているので、願いをこめて参拝してみて。

夏には色の変わる珍しい花、酔ふようが楽しめる。朝の咲き始めは白で時間が経つにつれてピンクに変わるので、その季節に足を運ぶのもおすすめ。

妙隆寺(みょうりゅうじ)
神奈川県鎌倉市小町2-17-20
拝観時間 10:00〜16:00
(1月は9:00〜、2〜12月は12:00〜13:00休憩)

徒歩約6分  450m

【商売繁盛】
本覚寺[夷尊神]

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三角屋根の夷堂。中には夷神がまつられている。

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お正月の三が日は「初えびす」。商売繁盛の福笹などが売られており、活気に満ちている。

鎌倉随一の商売繁盛のご利益があるといわれている本覚寺。

もと天台宗の夷堂があった地に1436年に創建されたお寺で、佐渡流罪から鎌倉に戻った日蓮聖人が一時身を寄せたと伝えられている。鎌倉駅からも近いのでお参りもしやすい。

境内にある夷堂の中には、眼光鋭い夷様が鎮座している。

立派な垂れ桜が見られる春に訪れるのもおすすめ。毎日にぎるとご利益があるという、「にぎり福」という名前の小さなかわいいお守りも人気。

本覚寺(ほんがくじ)
神奈川県鎌倉市小町1-12-12
拝観時間 9:00〜16:00

徒歩約30分  2.1km(江ノ電を使うと約18分)

【出世開運】
長谷寺[大黒天]

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山門と赤い灯籠が風格ある長谷寺。

40種以上約2,500株並ぶ有名な紫陽花をはじめ、四季折々の花が楽しめる長谷寺は鎌倉有数の古刹。見晴台から由比ヶ浜や鎌倉の街並みを眺めることもできるのも魅力。

池に隣接した大黒堂では「出世開運授け大黒天」や、触るとご利益があるといわれている、「さわり大黒天」を拝むことができる。

応永19年の銘を持つ神奈川県内で最古といわれる大黒天は通常は非公開だが、時期によっては特別に公開されるそう。

また、長谷寺には3体微笑んで並ぶかわいらしい「良縁地蔵」が境内の3箇所にあるのでぜひ探してみて。

長谷寺(はせでら)
神奈川県鎌倉市長谷3-11-2
拝観時間 8:00〜16:30

徒歩約8分  600m

【家禄永遠】
御霊神社[福禄寿]

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福禄寿は境内右手の宝蔵庫にまつられている。

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鳥居のすぐ目の前を江ノ電が走るので、撮影している人も多い。境内は撮影禁止。

平安時代後期に創建され、後三年の役で活躍した武将、鎌倉権五郎景政をまつる神社。権五郎神社ともよばれ、親しまれている。

毎年9月に行われる、お面をつけて練り歩く「面掛行列」は、神奈川県無形民族文化財にも指定されている。その十面のうちの一つ、福禄寿は福(幸福)、禄(金運)、寿(長寿)と、3つの徳を司る神様で、境内の宝蔵庫にまつられている。

御神木である、樹齢約400年の立派なたぶの木は必見。

御霊神社(ごりょうじんじゃ)
神奈川県鎌倉市坂ノ下4-9
拝観時間 9:00〜15:30

江ノ電を使って約47分  6.1km

【金寶富貴】
江島神社[江島弁財天]

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辺津宮本殿に向かって左側に位置する奉安殿。

最後はひと足のばして、江ノ電に乗って江の島駅へ。江ノ島の入り口にある青銅の鳥居をくぐると、江戸時代から続く賑やかな参道がのびている。参道には多くのお店並び、いつもにぎやか。

広い境内はご利益スポットがたくさんあるが、弁天様をお参りするには奉安殿へ。日本三大弁天のひとつに数えられる有名な「妙音弁財天(みょうおんべんざいてん)」と「八臂弁財天(はっぴべんざいてん)」が安置されている。芸術上達、幸福・財宝を招く福神で、芸能人や著名人が多く訪れているそう。

以上で七福神めぐりは完結! すべて1日でまわるには距離もあり時間もかかるので、朝からスタートし、道中の景色も楽しみながら途中ランチしたりお茶したりと休憩を挟みながらまわるのがおすすめ。七福神めぐりをして良い年になりますように。

江島神社(えのしまじんじゃ)
神奈川県藤沢市江の島2-3-8
拝観時間 8:30〜17:00

協力:鎌倉・江の島七福神会
http://kamakura-enoshima-shichifukujin.jp/index.htm

text: Mayumi hasegawa

長谷川真弓

エディター兼ライター。鎌倉在住、3児の母。大学卒業後、出版社に入社。女性ファッション誌の編集に携わり、2011年に独立。現在はフリーランスとして雑誌やwebなどで活動中。

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