【鎌倉散歩】日々の暮らしに寄り添う、器と雑貨の店3選。
鎌倉ウイークエンダー 2025.02.10
長谷川真弓
お気に入りの器を使ったり、小さなオブジェを飾ったり......。そんな暮らしの質を上げてくれるアイテムを探しに、鎌倉に出かけてみませんか。オーナーの審美眼が光る、暮らしまわりのショップを3軒紹介。
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日常を彩る、センスのよいアイテムがそろう|#01.Talk
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お店でひとめぼれしたり、吟味して手に入れたアイテム。持ち帰ったそれを部屋に置くだけで気分が上がるし、時間が経つと元からそこにあったように、なくてはならないものに変化していく。そんなとっておきの一品を探しに行くのに、Talkはぴったりの店だ。
「生活必需品ではない物を扱うお店」というコンセプトをもとに、ボタニカルブランド「The Landscapers」を手がける塙さん夫妻が昨年2月にオープンした。
植物や雑貨、アパレル、陶芸作家の作品など、必需品でなくてもその人にとっては欠かせない、生活を豊かにしてくれるアイテムが並ぶ。
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商品を手に取っていると、さりげなく話しかけてくれる塙さん。オリジナルプロダクトはもちろん、作家の作品も作り手の想いや背景などを添えてお話してくれるので、どれも愛着が湧いてしまい、欲しいものだらけになってしまう。
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「The Landscapers」がボタニカルを軸としたブランドなのに対して、生活全般をカバーするような「Talkabout by The Landscapers」というブランドも始動。IDEE出身で、家具もアパレルも扱ってきたという塙さん夫妻のセンスが光る。
企画からデザイン工場のやりとりまで自ら行うというおふたり。ジャンルを問わずこれから少しずつアイテムが増えていくというので、お店に通う楽しみが増えそうだ。
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時を重ねた穏やかな空間で、じっくりと器選びを|#02.vuori
長谷にある大好きなカフェvuoriに行くと、必ず覗くのが2階にある、暮らしの道具を展示したギャラリー兼ショップ。
店舗は老舗の海産物問屋「のり真安齊商店」の旧倉庫を使用。隣に現在も建つ大正時代からの倉庫も残されていて、鎌倉市の景観重要建築物に登録されている。
時を経た味わいのある店内には、陶芸作家、村木雄児さんの作品をはじめとした器や木工、書物やアクセサリーなどが並べられている。
そもそも店主である野崎咲耶子さんがこのお店を始めたのは、日本各地を旅する中で、伊豆にある村木雄児さんの工房を訪れたことがきっかけだそう。
窯焚きの際に、そこにさまざまな作家さんたちが集まって仕事をしているのを見て、自分も皆が集まって何かを発信できるような場が作りたいと思ったことが、このお店に繋がった。
「洗練されてすっきりしたものより、土味があって手で包んだときにほっとできるような器に惹かれます」という野崎さん。
並んでいる器やカップは1階のカフェでも使われているので、お茶をして気に入ったものを2階で購入というお客さんもいるそう。
店名のvuoriは、フィンランド語で山を意味する。野崎さんは幼少の頃から山に親しみ、現在も各地で山登りを続けている。お店にいても、山や森に流れている時間を感じ、そこに繋がる場所にしていきたいと語る。
確かに、このお店にいると、街中にもかかわらず時間がゆっくりと流れているような気がする。そんな中でじっくりと器や本に向き合うのは至福の時間だ。
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日本の丁寧な物作りに触れる、心地いい時間|#03.ハルバル商店
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鎌倉駅を出て海方面へ15分ほどお散歩すると、のんびりとした空気が漂う材木座の住宅街の中に溶け込むようにお店がある。
出迎えてくれたのは、物腰の柔らかな店主の伊藤さん。
もともとはテレビ局勤務をしていたというが、会社を早期退職し、人が集まる場所を作ろうと、2021年にコミュニティスペースやコワーキングスペースを立ち上げた。
そこで年に2回、鎌倉や逗子、葉山の作家さんのマルシェを開催していたそう。
さまざまな作家さんと出会うことで日本の物づくりに惹かれ、マルシェではなく常設のお店として全国各地の作家さんを紹介する場を作りたいと、2024年3月にこの店をオープンした。
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作り手の方には必ずお会いし、自分が暮らしの仲間にしたいと思ったものだけを取り扱うという伊藤さん。沖縄や岡山など、気になった作家さんの工房へ、時には何度も通ってコミュニケーションをとる。
たとえば店頭に飾られているホウキは、長野県茅野市でホウキ職人をされている、90歳の静さんが作っているもので、お宅まで会いに行き、ホウキ作りのお話を聞かせてもらったそう。
お店で手に取ってくれたお客さんには静さんのお話をし、こういうお客さんが気に入って買ってくれたということを静さんにもお伝えしているのだとか。
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取材中、ちょうど訪れたお客さんに「お久しぶり。もしよかったらコーヒー淹れましょうか」と声をかける姿も。
「お店に来たからといって、買わなきゃいけないと思わなくていいんです。ゆっくり過ごしてもらえるようにベンチもあるので、フラッと雑談しに来てくれれば」という伊藤さんが醸し出す、穏やかな空気感が魅力だ。
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長谷川真弓
エディター兼ライター。鎌倉在住、3児の母。大学卒業後、出版社に入社。女性ファッション誌の編集に携わり、2011年に独立。現在はフリーランスとして雑誌やwebなどで活動中。