春の鎌倉散策で立ち寄りたい、ベーカリーカフェ3選!

鎌倉ウイークエンダー 2025.04.14

長谷川真弓

桜に彩られた春の鎌倉。海辺を散歩したり、山をハイキングをしたりするのにもぴったりの季節。そんな散策の途中で立ち寄りたい、ベーカリーカフェを3軒ご紹介。パンをテイクアウトするもよし、併設のカフェでブランチにするもよし。幸福な一日のはじまりにぜひ。

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まだ人の少ない午前中に、ベーカリーカフェでくつろぎの時間を。

かめばかむほど味わい深い、特別なパン
#01. テールベルト&カノムパン

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1階がパン屋。朝の光が差し込む、気持ちの良い店内。

鎌倉の谷戸の緑に包まれたカフェ「テールベルト」。海外のお家のようなセンスあふれる一軒家で、訪れるたびに旅行に来た気分になってしまう。

2011年に中村美雪さんが開いたこのカフェに、2年後に「カノムパン」が加わった。「カノムパン」とは元々は葉山でスタートし、25周年を迎えた、天然酵母のパン好きの間では有名な店。店主である中村岳さんの作り出す、力強くて味わい深いパンにファンが多い。

玄米を発酵させてつくる自家製天然酵母は、まだ天然酵母になじみのなかった頃から、28年ほど継ぎ足して使っているそう。

「じっくり時間をかけて発酵させるので、朝仕込みを始めてパンが焼き上がるのは翌朝」と、岳さんは言う。

「使っている国産小麦も、始めた当初はパンに向いていないと言われていて。でもこの味や香り、独特の食感が好きで、どうやったらおいしいパンにできるかと、さまざまな製法を試みて作りだした」というが、いまも現状に満足せずに、探求し続けているそう。

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それぞれのパンに合うペアリングも提案してくれるのがうれしい。

看板メニューはバナナブレッド。

「甘いバナナブレッドを想像して食べるとびっくりされますね。うちのパンはスパイスやハーブを練り込んだパンが多いので、お食事と一緒に楽しんだり、お好みのスプレッドに合わせて、味覚が拡張するような感覚をぜひ味わってほしいなと思います」

店内で食べるなら、レンバイで仕入れたみずみずしい鎌倉野菜をたっぷり使ったランチプレートがおすすめ。2種類あり、必ず片方はヴィーガンメニューとなっているので、旅行客などからも好評だ。

もちろんテイクアウトのみもOKなので、好みのパンをいくつか選んで量り売りで購入していくのもおすすめ。

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パンとスープ・プレート¥1,650、セットドリンクのコーヒー¥330
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豊かな緑を眺められる、2階のカフェスペース。店の一角には、靴のオーダーメイドブランド「Shohei Katano」と、観葉植物の販売を行う「hang」も。

テールベルト&カノムパン
神奈川県鎌倉市扇ガ谷3-3-24
0467-67-1339
営)12:00〜18:30(L.O.18:00)
休)火〜木+不定休あり
@cafe_terreverte
@khanompang.jp

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海街でのんびりと、身体に優しいベーグルを
#02. なみまちベーグル

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なみまちベーグルから海へと続く小道。

穏やかな波が打ち寄せる春の鎌倉の海を背にして、路地を入ったすぐの場所。築100年超の古民家を改装したベーグル屋さんには朝からひっきりなしにお客さんが訪れる。焼き立てが順次並んでいき、人気のメニューは開店から1時間で売り切れてしまうことも。

常時25種類くらいのベーグルが並んでいるが、季節限定メニューも多いため、年間では50種類ほどあるのだとか。4月はヨモギやハニーオレンジクリームチーズなどが登場する。

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安心安全をテーマに、食材にこだわったベーグルが並ぶ。

元々はアトピーに苦しんでいたという店長の橋本真紀子さん。ご主人が「ベーグルなら卵や牛乳を使っていないからいいんじゃないか」と、手作りしてくれたのがベーグルにハマるきっかけとなったそう。

「そこからベーグルの研究、試作をし続け、3年かけて完成させたプレーンベーグル。生地の美味しさには自信があります!」

外はバリッと、中はもちもちとした、シンプルなのに奥深い味わいのプレーンベーグルは、食べたら幸せな気分になること間違いなし。

「普通の酵母を使うと酸味が出てしまうので、うちではホシノ天然酵母を少量使っています」と、橋本さん。一晩ねかせて発酵させるとクセがなく、小さい子でも食べやすいと好評だ。

「小麦粉は北海道産小麦・はるゆたか100%。粉という粉を試して、風味も良く味も良いこの小麦粉にひと目惚れしました。沢山とれるものではない希少な粉を契約農家さんから送っていただいているので、ぜひ粉のおいしさを味わっていただきたいです」

ベーグルサンドは注文を受けてからひとつひとつ丁寧に手作りしているそう。ぜひ店内でゆっくりと味わってほしい。

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スモークサーモン&バジルクリームチーズ セット¥1,600。
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天井が高く開放感のある店内。ブルーの照明はオーダーでつくってもらったそう。

なみまちベーグル
神奈川県鎌倉市坂ノ下19-12
080-4578-7373
営)9:30〜15:00
休)月(変更する場合もあり)
@namimachibagel

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風味豊かなパンを、晴れた日にテラス席で
#03. BREAD IT BE

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店の前にテラス席があり、店の隣の建物にも休憩できるフリースペースが新設された。

開店は朝8時。地元の人からも愛されるこの店には、オープンから次々とお客さんが訪れる。売り場に並ぶのはハード系のパンが25種類ほど。

「パン自体の美味しさを味わってほしい」と、デニッシュや惣菜の入ったパンではなく、カンパーニュやバゲットなどが中心だ。

ハード系というと苦手意識を持つ方もいるが、ここのパンは水分を多く含む高加水のパンなので、中はモチモチとした食感でしっとりとした口当たりに仕上がっている。

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洗練された中に遊び心もあるインテリアが見ていて楽しい。

「ベーカリー&レストラン沢村」や「THE CITY BAKERY」に統括シェフとして取り組んできた森田シェフが、自分の理想を込めた店がこの「BREAD IT BE」だ。

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いつも早朝の3時から厨房に入るという森田シェフ。パン職人歴は20年以上。

森田シェフは、国産小麦やオーガニック小麦など30種類ほどの中から、そのパンにいちばん合う粉を組み合わせ、それをドイツから取り寄せた石臼の製粉器にかける。酵母は、4種類の自家製酵母の中からそれぞれの特徴に応じて使い分けているのだそう。

そこからじっくりと長時間発酵させることで、小麦の旨味をしみじみと感じられるパンが焼き上がる。

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左の「たとえばこんなカレーパン」は、カレールゥを使わずに10種類以上のスパイスを生地に練り込むことでカレー独特の香りと味を表現している。右の、ドライフルーツをワインに漬け込み、シナモンなどのスパイスを使った「ビアンコ」も人気。

いつもはテイクアウトするパンを、テラス席でいただくのも気持ちいい。観光客も地元の人も同じように気軽に楽しめるパンで、豊かな一日を過ごしてみては。

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テラス席でコーヒーとともに。水出しコーヒーやカフェラテ、紅茶など、ドリンクも充実。

BREAD IT BE/ブレッド イット ビー
神奈川県鎌倉市小町2-16-35
0467-33-4680
営)8:00〜17:00
休)水、第2木
@breaditbe.kamakura

長谷川真弓

エディター兼ライター。鎌倉在住、3児の母。大学卒業後、出版社に入社。女性ファッション誌の編集に携わり、2011年に独立。現在はフリーランスとして雑誌やwebなどで活動中。

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