「暮らしに花を」前田有紀さんのフラワーショップが鎌倉にOPEN
鎌倉ウイークエンダー 2025.07.06
長谷川真弓
元テレビ朝日のアナウンサーで、現在はフローリストとして活躍する前田有紀さんが、鎌倉にフラワーショップをオープン。季節の花からオーガニックフラワー、野菜の苗まで並ぶ、魅力的な空間となっている。鎌倉在住の前田さんがおすすめする、レストラン、アパレルショップもご紹介!
鎌倉駅から徒歩3分の場所に4月にオープン。白を基調とした店内に、ナチュラルで可憐な花がセンスよく並ぶ。
飾るだけじゃない、花の楽しみが広がる店
#01 gui flower Kamakura
海と山に囲まれた鎌倉の街に溶け込むように佇む、季節の花が彩るフラワーショップ。店内に入るとふわっとお花の香りに包まれて、いるだけで清々しい気持ちに。ここは、フローリスト前田有紀さんがプロデュースしたお店「gui flower Kamakura」。「野の花が好き」という前田さんらしく、素朴な雰囲気の草花なども並んでいる。
「いろいろな人にとって、花を飾るきっかけになれたらいいなと思っています」と、前田さん。
前田さんはテレビ局で勤務した後、イギリスへ留学し、花やガーデンについて学んだそう。帰国後、花屋での修行を経て、2018年にフラワーブランドguiを立ち上げる。2021年には東京・表参道に「NUR flower」をオープン。鎌倉ではpop up shopなどの出店を続け、2025年4月に鎌倉・御成で「CHIC FLOWER STAND」を営んでいた大松和子さんとともに、お店をリニューアルする形で新たに花屋をオープンした。
「ご自宅用に選びに来られる方も多いので、少ない本数でもさまになるようなお花もそろえています。お店にお越しいただいた方とちょっとしたおしゃべりをしたりして、お花を通して様々な方と繋がれるのがとてもうれしいです」
写真右から/共同オーナー大松和子さん、前田有紀さん、「農園つづく」の菊池レイコさん。
ここでは市場で仕入れた花だけでなく、農薬・化学肥料を使わないオーガニック栽培の花に出会うことができる。「できるだけ地産地消で、環境に寄り添ったものを届けたい」と前田さん。農園から直接届く花は季節を感じられる上、安心して食卓に飾ることができ、小さな子どもが触れても安心な花として喜ばれている。
観葉植物や自然栽培の野菜、自分でも育てられるようにと野菜やハーブの苗なども並ぶ。苗はビニールのポットではなく、そのまま植えられて土に還るポットに入れて販売。「ただ飾るだけではなく、お花の楽しみ方が広がる場所を目指しています」と笑顔で語る。
茅ヶ崎の「農園つづく」さんの、収穫したばかりのオーガニック野菜はこれ目当てで来るひともいるほど人気。
花瓶はインテリアとしても飾っておけるものを市場やメーカーさんなどから仕入れており、お客様からの評判もいいそう。
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#02 前田有紀さん行きつけの鎌倉のお店2選
1. 前田有紀さんおすすめのイタリアン
Trattoria Fonte
黒葉大根、新じゃがと新玉ねぎ、子安三寸人参など季節の自家製野菜を使った前菜が人気。パンやチーズ、ハムも自家製。パスタと食後のお飲み物がついた、Fonte畑と鎌倉の旬を楽しむランチ¥1700。
南イタリアで修行したシェフの原貴之さんと奥さまの千夏さんが営む店「Trattoria Fonte」。自らが自然農法で育てた野菜を使った料理と居心地のよさが魅力だ。
北鎌倉に持つ畑では、かまくら大根をはじめとする伝統野菜を常時20種類、ハーブも20種類ほど育てているそう。野菜は、一般的に流通しているF1種ではなく、地域で長年受け継がれてきた固定種にこだわっている。「自然の野菜を食べてほしいと思って、種取りもがんばっています」と、原さん。
「手作りのほうが美味しいから」と、ハムやソーセージ、フレッシュチーズも自家製。小麦を収穫して全粒粉のパンを焼くなど、どれも手がこんでいる。前菜にもパスタにも採れたての野菜がふんだんに使われていて、一つひとつがしっかり美味しい上にリーズナブルな価格帯なので、地元の人に長年愛されている人気店だ。
居心地のよい店内。窓辺には畑でとれたドライフラワーやリーフを飾っている。
「野菜本来の味を感じられるお料理が多く、家族も大好きでよく足を運んでいます。野菜が贅沢に使われた前菜や、しらすのパスタが美味しくてお気に入り。子どもにも安心して食べさせられます。お店に通う中で自然農の野菜づくりをされていることを知り、こちらの畑で育てているお花やハーブを、お店で扱わせていただくようになりました。」(前田有紀さん)
神奈川県鎌倉市雪ノ下562-16
0467-67-7796
営)11:30〜14:30(L.O.)、17:30〜21:00(L.O.)
休)月
@trattoriafonte
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2. 前田有紀さんおすすめの洋服屋さん
JAMES & CO.
入り口にはグリーンが飾られ、海街らしい緩やかな空気感がただよう。
シーズンごとにトレンドを追うのではなく、デザインも着心地も自分の気に入ったものを選んで着続けたい。そんな、ベーシックで上質なカジュアル服を求める人に支持され、今年14周年を迎えた「JAMES & CO.」。
コンセプトは「スタンダードライフ」。オリジナルブランドを中心に、年齢や性別を問わずに長く着られるアイテムを提案している。
着心地やシルエットにこだわったシャツやパンツなどはデザインを変えずに、創業当初から現在まで国内の縫製工場で職人の手によって作られているそう。
「オリジナルのSTUDIO ORIBEのパンツは、何年も愛用してまた同じものを買い足しにいらっしゃるお客様も多いです。今の時期は、着心地のいいリネン100%のシャツやTシャツが人気です」(スタッフ原田さん)
ユニセックスで着られる服がほとんどなので、夫婦でシェアする人も多いそう。
「鎌倉の暮らしに合う服づくりをされていて、地元の人たちはみんな大好きなお店。私はもちろん家族も愛用しています! 本当に長く着られる服ばかりなので、お花の仕事をしていると服に穴が開いたりすることもあるけれど、何年たってもクローゼットに残ってくれているのがここの服なんです。コットン素材のニットやワンピースが特にお気に入りです」(前田有紀さん)
text & photography: Mayumi Hasegawa