鎌倉の海、お散歩するなら冬の方がずっといい。

朝晩の空気が、ひんやりとしてきたこの頃。私自身、冬生まれだからか、寒い季節は嫌いではない。むしろ、夏の暑さで疲れていたからだが、ようやく落ち着きを取り戻していく気がする。娘もおなじく冬生まれなので、もしかしたら、夏より冬の方が過ごしやすく感じていたりするのかな、なんて思う。

鎌倉の海も、お散歩をするなら、夏より冬の方がずっといい。まず、人が少ない。そして、海も砂浜もきれいだし、空気も澄んでいるから遠くの景色がよく見える。うちは犬もいるので、時間を気にせず来られるのもいい。(夏の海水浴場が開設されている時期は、昼間は犬が海岸に入れないのだ。)

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娘は飼い犬の「椿」が大好き。散歩のときは、張り切ってリードを持ちたがる。

そんなわけで、冬の天気のいい休みの日には、たいてい自転車に乗って、家族みんなで海へ行く。海岸ですることは、砂遊びと貝拾い。どういう時がチャンスなのか、いまだわからないのだけれど、時折、淡いピンク色の桜貝がたくさん見つかる時があって、そうなると私が誰よりも貝拾いに夢中になってしまう。

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ある日、桜貝ではないのだけれど、形のいい貝をたくさん見つけた。そうだ!と思いついて、その貝をデコレーション代わりに、砂のケーキを作った。もうすぐ娘の2歳の誕生日。山をつくって、削って、平にして、貝をのせて。これまた、母が夢中になってつくっている姿を見て、娘も貝殻を拾ってきてくれる。欠けていたり、小石だったりしても、ご愛嬌。そして、とっておきのバースデーケーキができあがった。

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砂と貝殻で作ったバースデーケーキ。完成してまもなく、娘に壊される運命でした。

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冬の材木座海岸は、昼間からほぼ貸切状態。歩き始めてすぐ、娘が1才になった頃。

砂遊びは、無限の可能性がある遊びだなと思う。何もないところから、何でも作れる。スコップくらいはあってもいいけれど、遊び道具がなくても、いろいろなものが作れる。海辺の無限の砂場で、娘にはこれからもたくさん遊んでもらって、自然と想像力を豊かに膨らませられるようになれたらいいなと思う。

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ハイハイをしていた時から海にはよく来ていたので、砂を嫌がらず、裸足で駆け回る。

海辺のバースデーケーキは食べられないし、時間が経てば波に洗われてなくなってしまう。けれど、どんなものでも、また作れる。3歳の誕生日ケーキを、娘と一緒に作るのが、いまから楽しみだ。

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柴犬の椿。妹のすこし乱暴な扱いにも、じっと我慢してくれる、とってもいい子です。

KIKI

モデル。1978年生まれ、東京都出身。武蔵野美術大学造形学部建築学科卒。雑誌をはじめ広告、テレビ出演、映画などで活躍。エッセイなどの執筆も手がけ、旅や登山をテーマにしたフォトエッセイ『美しい山を旅して』(平凡社)など多数の著書がある。現在、文芸誌『小説幻冬』(幻冬舎)にて書評を連載中。インスタグラム:@campagne_premiere

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