KIKI、ときどき鎌倉暮らし。 春間近の三浦半島に、2歳の娘と初めてのイチゴ狩り。

写真・文/KIKI

子どもが産まれてから、くだものをよく買って食べるようになった。それまでは、出されたら食べるけれど、自分で買ってきて食べることあまりなかった。というのも、ものぐさで恥ずかしいのだけれど、皮を剥くのが面倒くさい。皮を剥かなくていいイチゴは自分でも買ってきてよく食べていた。味も大好き、くだもののなかでイチゴはいちばんの好物だ。

あまり買う機会を作ってこなかったからか、味や旬の見極めは苦手で失敗もするけれど、いまでは、イチゴだけでなく季節ごとに果物を買う。赤ん坊だった娘が成長して、ミルクから離乳食へ移行するとともに、おやつやデザートに出すようになったからだ。そうなると、もともと果物そのものは嫌いではないので、自分でもよく食べるようになった。

機会が増えると、よりおいしいものを食べさせたいし、その食べ物がどんなふうにできているか、子どもに触れてほしいと思うようになった。ならば、フルーツ狩りはどうだろうか。そう思って、昨年冬から春に向かうこの季節に2歳になったばかりの娘を連れて、わたし自身も以前から興味を持っていたイチゴ狩りに初めて出かけた。

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母も娘も初めてのイチゴ狩り。娘に摘み方を教える前に、自分が食べるのが止まらない。

鎌倉から、車があればわりとアクセスのいい三浦半島には、イチゴ狩りができる農園がいくつかある。予約をして向かったのは嘉山農園。料金を支払い、30分の食べ放題。家族やグループごとに、決められた畝のイチゴを好きなだけ採って食べていい。小さなカップにコンデンスミルクを入れてもらうのだけれど、出番はなし。摘みたての苺はおどろくほど甘くておいしい。

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そのみずみずしいこと! 大きい粒も小さい粒も、どちらもおいしい。

どれだけ食べられるのかな、という若干欲張り気味の気持ちと、食べすぎてお腹が痛くなったらどうしようという親らしい不安があったのだけれど、2歳児にそんな心配は無用だった。自分で苺を摘むことに、まずは感動している様子。そして、いつもはお皿に4〜5粒しか並んでいないものが、好きなだけ食べてよいと言われて、戸惑っているようだった。

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真剣になると、眉間にシワがよる娘。味わうのも一生懸命。

30分という時間も絶妙な長さで、大人の私でも十分満足できる量のイチゴが食べられたし、娘も時間なかばで、「もうたくさんたべた〜」と満足気。楽しかったようで、その後もしばらく食卓に苺が出されると、「イチゴがりいったね、またいきたいねぇ」としばらく目を輝かせて言っていた。

初夏にはさくらんぼ、秋にはぶどう。ほかのフルーツ狩りにも行きたいと思いつつ、近場で経験できるところもなく機会を逃してしまった。そうこうしているうちに、今年もまたイチゴのシーズンに。近いうちに、またイチゴ狩りに行こうと思っている。イチゴ好きは、皮の有無と関係なく母から娘に伝播しそうだ。

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イチゴ狩りの後は三浦半島の先端まで足を伸ばして、城ヶ島公園へ。

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城ヶ島公園では、飼い犬の椿も一緒。いまが時季の八重水仙が咲く一帯もある。

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三浦半島では寄り道したいところがたくさん。三崎の魚屋「まるいち」で刺身を買って帰った。

Photography & text: Kiki

KIKI

モデル。1978年生まれ、東京都出身。武蔵野美術大学造形学部建築学科卒。雑誌をはじめ広告、テレビ出演、映画などで活躍。エッセイなどの執筆も手がけ、旅や登山をテーマにしたフォトエッセイ『美しい山を旅して』(平凡社)など多数の著書がある。現在、文芸誌『小説幻冬』(幻冬舎)にて書評を連載中。インスタグラム:@campagne_premiere

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