寝坊した日は、葉山の先の農園レストランへ

鎌倉と葉山、と聞くと隣町同士で近いのでは、という気になる。実際には、その間には逗子市があって、鎌倉も「鎌倉市」でみるとかなりの広さがあり、地域によってはちょっとそこまで〜という感じの距離ではなくなってくる。夏や週末や祝日には、外からの車も増えて道路渋滞がひどくなるので、車での外出を控えるし、そもそも出かけないという、選択をすることもある。

とはいえ、葉山はもちろん、その先、ぐるりと海に囲まれる三浦半島にはさまざまなお出かけスポットがたくさんあり、度々、足を伸ばしている。だけどやっぱり渋滞を避けたいので、週末、東京から鎌倉へ向かうときに、直接向かわずに、寄り道していくことにしている。いつも出かける金曜日の晩が忙しく、土曜日も寝坊してしまった。なんてときこそ、いいタイミングだ。

SYOKU-YABO農園は、そんな日によくランチをしに行く場所のひとつ。住所だと横須賀市芦名になり、鎌倉〜逗子〜葉山〜秋谷の先、海岸線からすこしだけ山の方に入っていったところにある農園レストランだ。東京方面からだと、ヨコヨコ(横浜横須賀道路)の横須賀ICを利用すると、スムーズに行くことができる。

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SYOKU-YABO農園でできた野菜が並ぶ日も。娘が自分で選んだときは、ちょっと苦手でいつもは敬遠している野菜でも、美味しいといって食べる。

このレストランのことを教えてくれたのは、柴犬を長く飼っている友人で、わたしが柴犬を飼うにあたりいろいろなアドバイスをくれたり、犬連れで行くのにおすすめの湘南界隈のスポットを教えてくれたり。ショクヤボは、農園のなかにあり、適度な広さの敷地に、畑があり、散策できる場所があり、アートが飾られ、テーブルとソファが点在している。屋根のあるスペースもあるけれど、天気の心地いい日は、たいていの人が屋外の席についている。そして、マナーを守れば犬連れでも良い。

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ある日の農園野菜定食。内容は、季節ごとにとれる野菜によって少しずつ変わっていく。

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レトロな木馬は、娘のお気に入り。背が伸びてきて、自分で乗り降りできるようになってうれしそうだった。

のびのびと過ごせる場所は、わたしたちのような子連れ家族にもありがたい。3歳の長女は飼い犬の椿と夫一緒に、到着するなり、あちこち走り回ってくる。その間に、わたしは食事の注文。ランチのメニューは「農園野菜定食」で、農園でその時期に採れる野菜を基本にしたもの。いつも、じんわりと野菜の滋味深さが染み込んできて、からだがよろこんでいる気がする。

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雰囲気のある室内スペース。予約制の夜の部は、この場所で「スナックひかり」というネーミングで開店する。

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子ども用の定食のトマトリゾット。親の定食にも手を伸ばしつつ、こちらもペロリと完食。

食事を終えてからも、娘はまた遊びたい!と元気いっぱい。何をするわけでもないのだけれど、あっちこっちを一緒に散策して、ショクヤボで過ごす時間をいつも満喫してくれる。これからの季節、寒さが厳しくなってくる。けれど、そんな寒さにめげずに外で遊んだり食べたり、冬も楽しんでくれるといいなと思っている。そして、そんな環境が、湘南にはたくさんあって、今度はどこへ行こうか考えるのもまた楽しみになる。

KIKI

モデル。1978年生まれ、東京都出身。武蔵野美術大学造形学部建築学科卒。雑誌をはじめ広告、テレビ出演、映画などで活躍。エッセイなどの執筆も手がけ、旅や登山をテーマにしたフォトエッセイ『美しい山を旅して』(平凡社)など多数の著書がある。現在、文芸誌『小説幻冬』(幻冬舎)にて書評を連載中。インスタグラム:@campagne_premiere

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