ご褒美は逗子のヴィーガンアイスクリーム

ある冬の寒い日。1歳半の末娘は、外が寒くても、家のなかで遊んでいるより、お散歩に出かける気配を両親が見せると、うれしそうにする。自ら玄関に行って、靴を履かせて上着を着せてと、せがんでくる。けれど、姉の方は…。以前は妹とおなじ感じだったのに、4歳ともなると言うことが一丁前になって、散歩に行こうと誘っても、「さむいからいやだー」とにべも無く断られる。

このやりとりの最中、玄関にいる妹は、なかなか出かけられないことに対してぐずりだし、一気に家のなかがカオスと化していくのが、ここ最近の流れ。姉を外出に誘い出す手段はいろいろあるなかで、食べ物で釣るのはあまりよくないとわかりつつも、一番手っ取り早いのが「お菓子を持っていって、海で食べよう!」という誘い。「えー、いくー」と返ってくる。

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CREMA HOPの店内で。年末にくじ引きのイベントがあり、その商品だったぬいぐるみと。娘ははずれくじを引いたけれど、グミをもらってうれしそうだった。

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ダブルをカップで注文。上は娘が選んだ季節限定フレーバーのストロベリーとピスタチオ。下はわたしが選んだ、ちょっと大人味のチョコミント。

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その日はさらに夫が留守で、わたし一人で姉妹の面倒をみていたので、とにかく物事がスムーズに進んでほしかった。というわけで、お菓子で釣るどころか、特別なときにしか行かないことにしているアイスクリーム屋さんに、海で遊んだ後に行こうと提案した。その食いつきの良いこと! 私自身もその店のアイスクリームは大好きなのだけれど、まだ小さい子どもたちの手前上、そんなに頻繁に行けないのが悩み。だから、自分にとってもいいアイディアだった。

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海でたくさん遊んだので、妹はベビーカーで爆睡中。というわけで、この日のCREMA HOP訪問は姉とわたしの憩いの時間に(夫はフルマラソンの大会に参加中!)

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この日は特に寒かったのか、他に遊んでいる子どもはほとんどおらず…、貸切状態の海岸。でも空気は澄んでいて、富士山も見えてきれいだった。

そのアイスクリーム屋さんはCREMA HOP、クレマホップといい、逗子銀座商店街にある。赤いサッシが目を引く可愛らしい佇まいだ。一番の特徴は、ヴィーガンのアイスクリームがあること。定番フレーバーでは、例えばチャイラテやシチリアレモンソルベなどが、有機豆乳とアーモンドと有機メープルシロップが材料に使われている。毎月変わる限定フレーバーにもヴィーガンのものが登場する。

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夏に娘の友だちと訪れたとき。店頭にその月の限定フレーバーの看板が出ているので、通りかかるたびに、子どもたちは釘付けになる。

さらには、ヴィーガンでないアイスクリームにも、ブラウンシュガーが使われている。普段の生活で、常に素材にこだわって食べ物を口にしているわけではないし、コンビニの手頃で楽しいアイスクリームも買う。けれど、子どもと一緒に楽しむご褒美スイーツとしては、クレマホップのアイスクリームは、いろいろな面においてベストな選択肢になる。親子で過ごすことの多い週末、暮らす街に、こんな店があってよかったなと思うのだった。

KIKI

モデル。1978年生まれ、東京都出身。武蔵野美術大学造形学部建築学科卒。雑誌をはじめ広告、テレビ出演、映画などで活躍。エッセイなどの執筆も手がけ、旅や登山をテーマにしたフォトエッセイ『美しい山を旅して』(平凡社)など多数の著書がある。現在、文芸誌『小説幻冬』(幻冬舎)にて書評を連載中。インスタグラム:@campagne_premiere

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