編集者がお気に入りのものを語る連載、Love it!
今回はドリス ヴァン ノッテンから登場したデニムのカプセルコレクションについて。
Photo : Sarah Piantadosi, Stylist : Léopold Duchemin, Models : Raffaele Giolli, América González
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最近のデニムトレンドは、もはやひとつのスタイルやブランドに人気が集中することはなく、ジーンズのみならず、スカートやジャケット(Gジャン、懐かしい!)も見かけるし、つまり、なんでもアリな状況。だから「いますぐこのデザイン/ブランドを買わなきゃ!」みたいな切迫感がなかった。定番アイテムだけに、あらゆるデザインがいつでも手に入るような気もして。
そんななかドリス ヴァン ノッテンがデニムのカプセルコレクションを発表するというニュースが。当然、それは「どこにでもある」ようなデニムにあらず。こだわったのは、職人による独自の染色技術。プレスリリースによると、このカプセルコレクションを印象づける美学は、何世紀にもわたって進化してきた複雑なブリーチ・ディッピング加工のプロセスによって完成。その結果、大胆なぼかしの濃淡が生まれ、象徴的なインディゴとセルリアンブルーは、無駄を削ぎ落としたブリーチホワイトのミニマリズムとのコントラストを描くーー。
そして、このブリーチ・ディッピング加工は、ベルギーの現代美術家、ジェフ・ヴァーヘイエンの光を駆使した作品の、その方法を探求する手段として2011年春夏のウィメンズコレクションの中で初めて発表されたもの。ドレスやジャケット、コートなどがグラデーション、または対照的なハッとするような美しい色合いで染められていたのを私も記憶している。今回のカプセルコレクションは、まさにこの2011年のオリジナルデザインを、12年の時を経て、今日のダイナミックでカジュアルなスタイルへと発展させたものとなる。
シャツ、ショートパンツ、スカート、アウター、ジーンズで構成されるアイテムの中でも、個人的にとくに気になるのは、リラックス感漂うシルエットがシックなタック入りブリーチジーンズや、レイヤードでもおしゃれを楽しめそうなブリーチデニムベストなど。独自の職人技とドリス ヴァン ノッテンのアートへの深い造詣と想いがつくり上げた「ここにしかない」デニムは、時を超えてずっと愛せる逸品になるだろう。
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パンツ¥75,900/ドリス ヴァン ノッテン
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ベスト¥82,500/ドリス ヴァン ノッテン
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ジャケット(メンズ)¥93,500/ドリス ヴァン ノッテン
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スカート¥62,700/ドリス ヴァン ノッテン
ドリス ヴァン ノッテン
tel : 03-6820-8104
text:Natsuko Kadokura