編集者たちが毎月逸品を語る連載。今月は、SHISEIDOの口紅から、新しい技術で生まれたテクノサテン ジェル リップスティックについて。
オイルをジェル化した基材が唇に軽やかに密着。潤いを閉じ込めて、高発色が持続する新感覚のリップ。赤のバリエーションの中でも、彩度が高くポップな印象。テクノサテン ジェル リップスティック 417 ¥3,960/SHISEIDO
シャープな顔立ちのせいか、赤い口紅を塗ると「人でも喰ってきた?」と言われるのが常で、化粧に目覚めた10代から口紅は淡い色を選ぶ傾向がある。とはいえ、90年代はフューシャに続いてベージュ、最近ならオレンジブラウン……とトレンドカラーにチャレンジはするのだ。だってオタクだから。
しかし。コロナ禍のマスク生活で唇が荒れやすくなり、さらにマスクを外す機会もないので口紅の必要性がまったくなくなってしまった。気分転換に口紅をつけるとマスクが汚れて不潔、という悪循環。
そんな悪夢からやっと解放されたいま、反動のように口紅がつけたい。自分の定番色、くすみローズ以外にも似合う色があるのかも!? まっさらな気持ちでSHISEIDOのテクノサテン ジェル リップスティックの20色と向き合うことに。ベージュからピンク、ビビッドなフューシャやオレンジ、ディープなブラウンやパープル、そして赤のバリエーション。唇にフィットして一体化するストレッチフレックステクノロジーで、ふっくら高発色。ひと塗りで輪郭がピシッと描ける紅型も特徴なのだが、苦手意識のある赤から417をあえて輪郭を指でぼかしてちょっとオーバー気味に仕上げてみる。あれ、なんかポップで可愛い。鏡を見て思わず笑顔になる。この赤ならアリじゃない? と人に見せたくなる。話したくなる。そうだ、口紅ってポジティブな作用があるんだった。わくわくする20色、まずはトライ!(編集SK)
ニューヨーク発信の幅広い色調が楽しい。上段左から、テクノサテン ジェル リップスティック 402、403、404、405、407、408、409、410、411、下段左から、同 412、413、414、415、416、419、421、422、423、424 各¥3,960/以上SHISEIDO
*「フィガロジャポン」2022年7月号より抜粋