編集者たちが毎月逸品を語る連載。今月は、サンローランから昨年デビューしたバッグ「ル・サンカセット スープル」ついて。
軽量で柔らかなカーフスキンのボディに、フッククロージャーとしての役割を持つゴールドのカサンドラロゴがアンティークジュエリーのように輝く。(H23╳W22╳D8.5cm)¥324,500/サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ(サンローラン クライアントサービス)
2022年AWコレクションでデビューしたバッグ「ル・サンカセット スープル」(Le5 À 7 Supple)。“ル・サンカセット”とは、フランス語で“午後5時から7時”を意味する。それは、仕事終わり
の女性がリラックスできる時間であり、夜の予定に向けて準備をする時間でもある。
理想を言えば、私だってパリジェンヌさながら仕事終わりにいったん帰宅してシャワーを浴び、着替え、バッグを持ち変え、夜のプライベートなディナーに出かけたい。しかし、東京という街で齷齪(あくせく)と働く私の毎日は、そんな素敵なライフスタイルからは程遠い。まるでキャンディのような小さなバッグも好きだけど、そういう愛らしいバッグが、めまぐるしい毎日のパートナーになってくれるかというと、残念ながらそうはいかない。
私たちに必要なのは、昼間はPCを入れてタフに持ち歩けて、夜はちょっと気の利いた素敵なレストランに持って行っても野暮に見えない、デイ&ナイトさまざまなシーンを支えてくれるバッグだ。
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左:スエード素材のブラウンキャメル。¥341,000 中央:新色はヌーディカラーのダスティ・グレイ。¥324,500 右:シックなライトムスク。¥324,500/以上サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ(サンローラン クライアントサービス)
サンローランの「ル・サンカセット スープル」は、なだらかな台形のシルエット。優美な佇まいのワンハンドルはハンドバッグとして手から提げるだけではなく、ショルダーとして肩に掛けられる。働く女性の毎日を支えるバッグとして必要なスペックを十分に兼ね備えつつも佇まいは洗練されており、どこまでもエレガント。このバッグさえあれば、仕事の時も特別な日もいつだって素敵な女性でいられる、そんな自信を授けてくれる。(編集ST)
リリー・コリンズは、リラックスしたオフスタイルに合わせて。
空港でキャッチされたロゼが肌身離さず持っていたバッグもコレ。
女優のローラ・ハリアーも愛用中。
*「フィガロジャポン」2023年8月号より抜粋