もしも、マックスマーラの「ホイットニー バッグ」を擬人化させたらどうなる?
Love it ! 2025.05.22
編集者たちが見つけたお気に入りの逸品を熱く語る連載。今回は、マックスマーラのバッグ「ホイットニー バッグ」を編集TKが語ります。
私が焦がれたあの人みたいな......。
SNS界隈では、AIによる愛犬や愛猫の擬人化が流行っていたけれど、もしマックスマーラの「ホイットニー バッグ」を擬人化したら、映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』でシガニー・ウィーバーが演じたベテラン出版エージェントのマーガレット女史みたいになるんじゃないか、と想像する。映画での物語の舞台は90年代なので、「現代にして」とプロンプトを追加したバージョン。
都会的で隙がなく、文学や芸術を愛していて、職人気質。でも人間味や繊細さもある。映画を見た当時、私は主人公の横で圧倒的な存在感を放つこの人をすぐ好きになってしまったのだった。

彼女を思い起こさせたバッグのデザインは、2015年にニューヨークのミートパッキング地区に新設されたホイットニー美術館の構築的な建築が着想源。1931年に彫刻家のガートルード・ヴァンダービルト・ホイットニーが、美術家たちの活動を支援するために設立した歴史的な前身があり、名建築家 レンゾ・ピアノが設計した美術館だ。イタリアブランドの技術と美学を認めながら、ホイットニー美術館の開館を記念して作られたこのバッグの意匠には、シャープでアーティスティックな雰囲気が漂う。
上段:規律正しいレザーのリブ模様。 左下:アニバーサリー限定版のインナーは2015年に登場したものと同様にレッドのナッパレザーを使用。 右下:底部にいたるまで美術館のファサードをイメージ。
今年は、ホイットニーバッグの初代誕生から10年目となるアニバーサリーイヤー。初代でも登場したアルミニウムカラーの特別モデルを数量限定で発売するほか、6種のサイズと13のカラーまで豊富に揃う。スタイルに合わせて選べる選択肢の多さに驚きながら、いつも傍にいてほしいのはこんなマーガレットのような存在だとあらためて思いを巡らせた。
背筋を伸ばして、背中を押してくれるこんなバッグこそ、私のベストな相棒なのだと思う。(編集TK)
左から、ホイットニー バッグ(H12.5×W17×D7cm)¥192,500、(H17×W20×D9cm)¥238,700、(H21×W24×D11cm)¥336,600、(H21×W27.5×D13cm)¥385,000、(H25×W32.5×D12.5cm)¥433,400/以上マックス マーラ(マックスマーラ ジャパン)
*「フィガロジャポン」2025年7月号より抜粋
photography: Maxmara text: Terumi Kobayashi

ファッションをメインにライフスタイル、カルチャーを担当する編集者。2001年にストリート誌からキャリアをスタートし、雑誌・デジタルといくつかのファッション誌編集部を経て、2023年にフィガロジャポン在籍。好きなものは、映画、漫画、ジュエリー、美味しい食べ物、恋バナと将来の夢を聞くこと。漫画は雑食です。
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