清川あさみのひと針を導く、静かな気づきをくれるパリ。

私のパリ 2018.12.04

さまざまなクリエイターの、パリにまつわる作品とエッセイを紹介していく連載「私のパリ」。今回は写真や書籍をはじめ、あらゆるものに刺繍を用いて作品を製作する、アーティストの清川あさみ

パリはいつも私に静かな気づきやインスピレーションをくれます。

 

アーティスト/清川あさみ

私がパリに初めて行ったのは学生時代。歴史がありつつ新しさも追求する文化や町並みは、当時ファッションを学んでいた私にとって、とても刺激的だったのと同時に、どこか自分と通じるものを感じました。
それから何度も足を運んでいますが、パリはいつも私に静かな気づきやインスピレーションをくれます。現代美術、ダンスや舞台、文学……すべてにおいて、真っ直ぐな糸が通っているかのような強い芯を感じます。日本でいうと少し京都と似ている部分もあります。昔から落ち着く、大好きな場所です。

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「わたしたちのおはなし」<危険な関係_コデルロス・ド・ラクロ> ©︎AsamKiyokawa

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「わたしたちのおはなし」<人間失格_太宰治> ©︎AsamKiyokawa

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「わたしたちのおはなし」<春の雪_三島由紀夫> ©︎AsamKiyokawa

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「わたしたちのおはなし」<別れの歌_ショパン> ©︎AsamKiyokawa

「わたしたちのおはなし」は、私自身が所有する本のなかで、特に思い入れのある印象的なページに刺繍でドローイングを施した作品です。
過去の記憶をひとつずつ編み込むように、物語の糸は紡がれます。そして、糸と糸は繋がり合い、私たちのなかでもうひとつの物語へと変化するのです。
シリーズの中からフランス語の書籍に刺繍をした作品、特に、パリらしく愛をテーマにした4点をセレクトしました。

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Asami Kiyokawa
淡路島生まれ。2001年に初個展。2003年より写真に刺繍を施す手法を用いた作品制作を開始。水戸芸術館や東京・表参道ヒルズでの個展など、展覧会を全国で多数開催。代表作に「美女採集」「Complex」シリーズ、『幸せな王子』『銀河鉄道の夜』絵本シリーズなど。「ベストデビュタント賞」受賞、VOCA展入賞、「VOGUE JAPAN Women of the Year」受賞、ASIAGRAPH アワード「創(つむぎ)賞」受賞。平成28年度後期のNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」ではタイトルオープニング映像やポスターのディレクション・制作をトータルで手がけ話題に。最新刊は作品集『清川あさみ採集』(パイインターナショナル刊)。
2018年11月現在は、12月10日まで、京都の両足院 建仁寺山内、グランマーブル祇園にて「千年後の百人一首」原画展–糸で紡ぐ、歌人のこころ-を開催中。展覧会会場にて『清川あさみ 百人一首かるた』を先行発売。
www.asamikiyokawa.com/

【関連記事】清川あさみ『千年後の百人一首』原画展が、京都・両足院で開催 。

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