カイリー・ミノーグ ライヴ@幕張メッセ イベントホール
2011年4月23日②
Music Sketch 2011.04.28
映像も衣裳も、そしてとても声が伸びていたカイリーの歌唱力もすばらしかったのですが、圧巻は第4幕のエンジェルシリーズ。カイリーの曲「ルッキング・フォー・アン・エンジェル」からユーリズミックスの名曲「ゼア・マスト・ビー・アン・エンジェル」へと続く部分では、背中に白い大きな翼が生えた男性ダンサーが登場。その鳥男2人の翼にカイリーが包まれていくと、その美しさに大声援が飛び交います。そして歌い終わると、カイリーが「My Personal Angelsを紹介するわ」と、メンバーを紹介。レディー・ガガを慕うのがリトル・モンスターなら、アフロディーテのカイリーは天使たちに慕われているのでしょうか。
両日ともカイリーの声は非常に出ていて「私たちにはエナジーがあるのよ!!!」と、叫ぶほど。また一転して静かになり、階段に腰掛けて「イフ・ユー・ドント・ラヴ・ミー」をしっとりと歌い出すと、ファンから「We Love YOU!!!」と歓声があちこちから上がり、バラードになってもまったく観客のテンションが下がりません。
ライヴの写真撮影は最初の3曲のみなので掲載が限られ得てしまいますが、それにしても衣裳も映像も凝っています。
第5幕は1990年のヒット曲「悪魔に抱かれて(Better The Devil You Know)」で幕が開き、ラテンビートに乗ってホットパンツをはいたカイリーが登場。上半身の派手やかな衣裳やダンサーのカラフルな衣裳からリオのカーニバルを想像させるようなダンスパートとなり、続いて「I'm watching you!!!」という言葉とともに私たち日本人を励ますように「ベター・ザン・トゥデイ」を歌います。
「悪魔に抱かれて(Better The Devil You Know)」も大ヒットしました。
そして「とてもとても古い歌を歌うわ」と言って、1987年の大ヒット曲「ラッキー・ラヴ(I Should Be So Lucky)」のイントロが流れ出すと、会場には割れんばかりの歓声があがり、カイリーもその熱気に「オーマイゴッド!!!」と身を屈めるようにして絶叫。最高潮が続いた中でも超最高潮の異常な盛り上がりに包まれました。そして誰もが両手をかざして踊ってしまう「プット・ユア・ハンズ・アップ」へ。
懐かしい、デビューから2曲目のヒット曲。「ラッキー・ラヴ(I Should Be So Lucky)」
アンコールと見せかけて、最後に演じられた第6幕は、シンクロナイズドスイミングの映像からスタート。最後は最新アルバムからの大ヒット曲であり、その奇抜なミュージック・ヴィデオからも話題を集めた「オール・ザ・ラヴァーズ」で締めます。でも、ここでもヴィデオを想起させるようなトリックが成されていて、最後の最後まですばらしいパフォーマンスの連続で幕を閉じたのでした。
世界的に話題を集めた「オール・ザ・ラヴァーズ」の映像。
きっちり2時間。すでにYouTubeなどにショウの模様がアップされていますが、DVDで衣裳などをしっかり確認しつつ、何度も見直したいと思ったすばらしいコンサートでした。ちなみに私は24日はアリーナのチケットを購入していたので、ステージの前から6列目あたりで、タイ人のニューハーフさんやゲイのカップル、50歳前後の熱狂的なカイリーファンのおじさんたちに混ざって、友人2人とペンライトを振りかざして楽しんできました。
次に簡単なプロフィールを紹介します。
セットリストはコチラ。
最新アルバム『アフロディーテ』。2010年6月発売。
LIVE PHOTO : TEPPEI
*To Be Continued

音楽&映画ジャーナリスト/編集者
これまで『フィガロジャポン』やモード誌などで取材、対談、原稿執筆、書籍の編集を担当。CD解説原稿や、選曲・番組構成、イベントや音楽プロデュースなども。また、デヴィッド・ボウイ、マドンナ、ビョーク、レディオヘッドはじめ、国内外のアーティストに多数取材。日本ポピュラー音楽学会会員。
ブログ:MUSIC DIARY 24/7
連載:Music Sketch
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