アイルランドの歌姫〜エンヤ
Music Sketch 2008.10.06
9月下旬にアイルランドへ行ってきました。日本における11月頃の気候と聞いていましたが、それほど寒くはなく、夜もパーカーを羽織るくらいで大丈夫。基本、アイルランドは5月~9月がオススメです。私はU2を筆頭に、ヴァン・モリソン、シン・リジー、メアリー・ブラックにホットハウス・フラワーズ、クランベリーズ、コアーズなど、大好きなアーティストが多いこともあって、アイルランドへは仕事に関係なく、旅行だけでもかなり足を運んでいます。おそらく頻度ではロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルスに次いで第4位では? パリは第5位ではないでしょうか。
今回の取材場所は、18世紀の建物をホテルに改造して運営しているCarton House Hotel。ダブリン市内から40分ほど車を走らせ、ゴルフ場のなかをしばらく運転していくと見えてくる広大な土地の中にあります。建物自体も大きくて全景を写真に収められませんでしたが、スパのほか会議用の施設など、近代的なものが快適に揃っています。室内はというと、ヴィクトリア調時代のものをはじめ、歴史的な絵画から調度品までが飾ってあり、その空間にいるだけでとても贅沢な気分になりました。
取材するアーティストは、自身でお城を購入し、内装をリメイクして生活しているほど、古い建造物が好きな女性。以前に取材を行ない、そのまま宿泊した場所も、やはり古城を宿泊施設として活用していたところ。トイレは誤って穴に落っこちてしまうかのような超旧式で、ベッドもテーブルも何もかもが古く、まさにアイルランドの妖精や精霊が深夜にそっと現れてきそうな場所でした。10月下旬と、夜の闇の深まる季節だったこともあり、アーティストが嬉しそうに笑いながら「本当にここは仲良しの精霊が出るから、みんなに泊まってもらおうと思ったの」と話していたのを憶えています。今回はモダンに改装された室内だったのでそんな不安(?)はなかったものの、残念ながら取材後すぐにダブリン市内へ戻ることになってしまいました。
さて、そのアーティストとは? エンヤです。音楽からイメージされるそのままの雰囲気を持ち合わせていますが、とても気さくでお喋り好きな性格で、取材時間をオーヴァーしても自分からプライヴェートのことや交通事故に遭った話、ホームパーティの話......と、いろいろと聞かせてくれました。日本で11月12日に発売になるニュー・アルバム『雪と氷の旋律(And Winter Came)』では、ドラム・マシーンを演奏するなど、新たなチャレンジもしているそう。未だ5曲しか聴いていないのですが、インタヴューの話を含めて、また改めてご報告しますね。
*to be continued*
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音楽&映画ジャーナリスト/編集者
これまで『フィガロジャポン』やモード誌などで取材、対談、原稿執筆、書籍の編集を担当。CD解説原稿や、選曲・番組構成、イベントや音楽プロデュースなども。また、デヴィッド・ボウイ、マドンナ、ビョーク、レディオヘッドはじめ、国内外のアーティストに多数取材。日本ポピュラー音楽学会会員。
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