こんにちは、吉田パンダです。今年も残すところ、あと2ヶ月(ほぼ)。早いですね...。仕事ではフィガロのトルコ撮影を始め、あちこち行きましたが、(早くも)振り返ってみれば、ほんとにワインの撮影が多い一年でした。イタリア、スペイン、イギリス各国のワイン撮影にも行きましたし、フランスだけでもシャンパーニュ(二回)、ブルゴーニュ(三回)、ボジョレーとあちこち廻りました。好きこそ何とかで、日頃からワインに恋していると公言して憚らないのが仕事に反映しているのでしょうか。アメリカやオーストラリア、南アフリカの葡萄畑も見てみたいなあ←静かにアピール。今回はあちこち訪ねたワイン産地の中から、もうすぐ解禁日、ボジョレー・ヌーヴォーでお馴染みのフランスはボジョレー地方をご紹介したいと思います。
「今年も美味しいヌーヴォー、オラが届けるでよ〜」←何弁?
訪ねたのはちょうど収穫の季節でした。
フランスワインの中で、ボジョレーとシャンパーニュだけは手で葡萄を摘まなければワインに産地名を名乗れません。機械で摘んで「ボジョレーワインです」とは言えないということですね。知らなかった!!それなのに価格は控えめ、すごいよボジョレー。
日本は産地であるフランスより早く解禁されるとあって、毎年盛り上がるボジョレーの新酒はこんな風景の中で育まれています。ボジョレー地区にある「フランスで最も美しい村」の一つ、Oingt(オワン)から眺めた風景。
黄金の石と呼ばれる蜂蜜色の石灰岩で造られた石壁が特徴のオワン。ちょっと歩いてみましょう。
「日本では猫用ボジョレー・ヌーヴォーもあると聞いたニャ!」
この日は人にも猫にもほとんど会いませんでした...リヨンから車で一時間弱。ボジョレー探訪の際は、中世の趣を残す黄金の村歩きもおすすめです。
ちなみに、ボジョレーの日本消費は9割はボジョレー・ヌーヴォーが占めるそうです。「え?ボジョレーってヌーヴォーのことじゃないの?」と思ったそこのあなた(例えばウチのお父さん)、違いますよっ!ボジョレーワインは他の産地のように一級、特級と格付けはありませんが、例えばボジョレー地方の中で特に優れたワインを生産する10地区は「クリュ・ボジョレー」という名称を名乗ることができるんです。知ってた?お父さん!?
軽くて飲みやすいイメージのボジョレーですが、熟成もできる「クリュ・ボジョレー」は豚のソーセージや鳥のクリーム煮、鳩などによく合いますよ。猫も杓子もヌーヴォーに浮かれる季節「やっぱりボジョレーってクリュだよね。オホホ」と、もうひとつのボジョレーを試してみませんか←何だかイヤミな人ですよ。新しいワインへの扉が開くかも...。
というわけでボジョレー親善大使がお届けしました。深まる秋、次回はたぶんスペインから。どうぞお楽しみに!

写真家。長年住んだパリを離れ、現在フランスはノルマンディー地方にて、犬猫ハリネズミと暮らしている。庭づくりは挫折中。木漏れ日とワインが好きで夢想家、趣味はピアノ。著書に『いぬパリ』(CCCメディアハウス刊)がある。instagramは@taisukeyoshida