新しいメゾン・ブレゲに泊まりたい! 食事もしてみたい!
PARIS DECO 2018.01.29
2017年末、バスチーユの近くにひっそりと素敵な5つ星ホテルがオープンした。その名はメゾン・ブレゲ。通りの名前と同じなのだが、その名は顧客リストにマリー ・アントワネットも含む天才時計士アブラアン=ルイ・ブレゲからとったもの、と聞けば、記憶に残しやすいだろう。といっても、この通りは高級ブランドとは一切無縁の昔ながらのごく庶民的な界隈にある。近くのマレ地区を活発に動き回った後、自宅に帰る。そんな感覚での宿泊を提案するので、ホテルではなくメゾン・ブレゲなのだ。
こぢんまりとした控えめの外観の裏側に、ホスピタリティあふれる素敵な世界が隠されている。photo:The Socialite Family
客室例。photo:Christophe Biesla
部屋はスーペリア(15〜18平米)、ドゥリュックス(19〜24平米)、ジュニア・スイート(34平米/2〜4名)の3つのカテゴリ。photo:Mariko OMURA
2フロアからなる一軒家は最高8名までが宿泊できる115平米の広さ。リビングルームのある1階からは専用の庭に出られ、また上階の2ベッドルームにはそれぞれバルコニーが付いている。ホテルは4月頭までオープニング記念に、ホテルの室料の30パーセントオフ・セールをしている。いまが泊まりどき!
淡いブルーでまとめられた廊下。気球の壁紙が見えたら、エレベーターが近い! というサイン。photos:Mariko OMURA
53室と一軒家からなるホテル。ここのところ新しくできるホテルのインテリアはなんとなく似通った匂いがあるけれど、メゾン・ブレゲの客室は流行りの要素より素材の良さやフランスの職人仕事を生かした内装でまとめられている。目に優しい落ち着いた色調の部屋は、まさに寛ぎの空間だ。地下は サウナ、ハマム、フィットネスルーム、そして温水プールからなる、宿泊客だけが利用できるウェルネス・フロア。旅行者は1日の疲れをここで落とすもよし、ひと泳ぎしてから1日を始めるもよし。
バスルームに並ぶシャンプー、ボティークリームなどは、マルタン・マルジェラの香りのブランドReplicaだ。
大理石を杉綾模様に組み合わせたバスルームの壁の職人技は、一見に価する。photo:Christophe Biennial
地下は宿泊客専用のスペース。プールはさほど長くないが、逆流式なので泳ぎたい人も満足させる。
photo:Christophe Biennial
メゾン・ブレゲの魅力を味わえるのは宿泊客のみならず。1階のガラス屋根の下に広がるバー、レストラン 、カフェはすべての人に開かれている。例えば、奥の庭に面した温室のような場所で午後のティータイム……考えただけで、うっとり!
1階のガラスドアを開けると、ガラス屋根の下にバー、レストランが広がる。Racines、Le Bon Saint Pourcant,Café Sternなど話題のレストランを次々と仕掛けるDavid Lanherが3年がかりで実現させた場所だ。
50年代と70年代をミックスしたような個性的な内装。
レストラン内はアートを壁に飾ったコーナーもあれば、床に美しいモザイクタイルが広がるコーナーも。
朝食はアラカルトでオーダーできる。例えば、ホームメードのグラノラ(9ユーロ)は、ホワイトチーズが軽いムース状で病みつきになる美味しさだ。
レストラン。前菜(11〜18ユーロ)、メイン(18〜34ユーロ)、デザート(10〜13ユーロ)。 photo:The Socialite Family
レストランの営業は年中無休で7時〜23時。朝食7時〜10時30分、ランチ12時〜14時30分、ディナー19時30分〜23時。日曜のブランチは11時〜15時30分。バーの営業は19時〜翌1時。photos:Lisa Klein Michel
8, rue Bréguet
75011 Paris
tel:01 58 30 32 31 (レストラン tel:01 43 38 04 31)
www.maisonbreguet.com
ホテルの界隈を散策
最寄り地下鉄駅は5番線のBréguet–Sabin(ブレゲ・サバン)。8番線のChemin Vert(シュマン・ヴェール)からも遠くない。バスチーユ広場からリシャール・ルノワール大通りを経由して、徒歩で約7分の距離だ。ホテルの周辺は庶民的だが気になるスポットもいろいろある。例えば、イートインできる人気のパン屋Ten Belles Bread、ビオ食堂のLe Grand Bréguet、ビオの食料品店Welcome Bio Magasin、そのデコ店のWelcome Bio Bazar……。メゾン・ブレゲに宿泊して、この辺りを探検するのも面白そう。
Ten Belles Bread
17-19bis, rue Bréguet 75011 Paris
営)8:30(土日9:00)〜19:00(土日17:30)
無休
www.facebook.com/tenbellesbread
Le Grand Bréguet
17, rue Bréguet 75011 Paris
営)8:00〜翌2:00
無休
www.facebook.com/LeBreguetBio
Welcome Bio
10,rue Boulle 75011 Paris
営)10:00〜20:00
休)日
http://welcomebio.fr
Welcome Bio Bazar
13 rue Boulle 75011 Paris
営)11:00〜19:30
休)日
madameFIGARO.jpコントリビューティングエディター
東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。フリーエディターとして活動した後、「フィガロジャポン」パリ支局長を務める。主な著書は「とっておきパリ左岸ガイド」(玉村豊男氏と共著/中央公論社)、「パリ・オペラ座バレエ物語」(CCCメディアハウス)。