アントワネット・ポワソン、ブティックが正式オープン!
PARIS DECO 2019.08.27
バスティーユ広場から、徒歩で小道をちょっと進む。広場周辺の雑踏とは打って変わった静かな場所に、アントワネット・ポワソンの3名がアトリエを構えたのはいまから数年前のこと。18世紀の印刷機を用い、当時と同じプロセスでドミノペーパー(壁紙)を生み出し、さらにそれを用いた小物やオブジェを制作している。
アントワネット・ポワソンは18世紀の内装関連の修復を手がけるジャン=バティスト・マルタン、ヴァンソン・ファレリイ、ジュリー・ストルディオの3名が創業した。
活動はインテリア部門にとどまらず。グッチをはじめとし、コラボレーションもさまざま手がけている。photos : Anne-Charlotte Moulard
左岸のデパート、ル・ボン・マルシェでも春にアントワネット・ポワソンのコーナーができたが、さらなるビッグニュースはブティックのオープンだ。アトリエがあった場所が大変身を遂げ、営業時間内、アポなしで自由に訪れることができるようになった。こぢんまりとした秘密めいた空間。時代の経過による魅力が壁、家具に満ちあふれた中での買い物は、この場所だけで味わえる喜びだ。ドミノペーパー(35×35㎝)、壁紙、プリントファブリック、文具、オブジェなどアントワネット・ポワソンおなじみの品に加え、アンティークも販売。
店内。オリジナル商品に加え、コラボレーション品、アンティークも扱っている。photos : Anne-Charlotte Moulard
空間を仕切るガラスをはめた大きな扉ごしに、印刷作業や彩色といったサヴォワール・フェールの現場が眺められる。アントワネット・ポワソンの手作業を、間近に目にできる素晴らしい機会だ。18世紀にトリップ……ブティックを出たら、お隣のアラン・デュカス・カフェでひと休みして現実の世界に戻ろう。
インクが乾くまで、このようにアトリエ内で乾かすのも18世紀のままのやり方だ。
すべてが手作業。
アトリエ内、大きなテーブルや収納棚など18世紀の家具でまとめられている。photos : Anne-Charlotte Moulard
12, rue Saint –Sabin 75011 Paris
営)11時〜19時
休)日、月
www.antoinettepoisson.com
madameFIGARO.jpコントリビューティング・エディター
東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。フリーエディターとして活動した後、「フィガロジャポン」パリ支局長を務める。主な著書は『とっておきパリ左岸ガイド』(玉村豊男氏と共著/中央公論社刊)、『パリ・オペラ座バレエ物語』(CCCメディアハウス刊)。