サマリテーヌ周辺、アール・ドゥ・ヴィーヴルの新しい2店。
PARIS DECO 2021.08.06
19世紀末にオープンし、16年前から眠りについていたデパートのサマリテーヌ。大改装を終えて、6月23日に営業を再開した。同じく6月に開館したブルス・ドゥ・コメルス - ピノー・コレクションからも徒歩圏内にあり、パリでいま最も活気づいているのがこの界隈だ。ポン・ヌフに面したサマリテーヌ前の広場も美しく整備され、買い物目的ではない人々も集まる憩いのスポットとなっている。テイクアウトのランチ、待ち合わせ、ひと呼吸……と。サマリテーヌ(意味は「慈善家」)のご加護に預かろうというわけではないだろうが、偶然にもイケア・デコラシオン、ダッチャというふたつのインテリア系ブティックがサマリテーヌと同日近所にオープンした。
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IKEA DECORATION(イケア・デコラシオン)
かつてイケアというのは、行くのが不便な離れた場所にあるのが当たり前という存在だった。価格の安さと豊かな品揃えのためなら、と受け入れていた人々を喜ばせたのは、マドレーヌに2019年にオープしたイケア。パリの中心地にあり、あっと言う間にパリっ子たちに大人気の店に。ここは今年初めからIKEA CITYと呼ばれるようになり、そして6月、IKEA DECORATION(イケア・デコラシオン)が話題の新生サマリテーヌのお向かいにオープンしたのだ。なるほど、これでパリ市内に2軒となったイケアをしっかりと区別できる。
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地上階、地下1階、2階の3フロアからなるイケア・デコラシオンはマドレーヌ店と違って、名前のとおりインテリア専門の店だ。キッチンやベッドといった家具類は扱わず、2900㎡のスペースでテーブルリネン、食器、照明、植物などを販売している。昨年、日本で初めて販売を始めたロゴ入りグッズのコレクションEftertrada(エフテルトレーダ)も、1階に小さなコーナーが。おなじみの丈夫なブルーのショッピングバッグも売っているけれど、この店で気になるのは鮮やかな黄色の店内使用専用のバッグ。これ、いつか売り出すだろうか……。同じく1階には、ホットドッグやソフトクリームなどがテイクアウトできるビストロ・スエドワもあり、なかなか便利だ。
144, rue de Rivoli
75001 Paris
営)10:00~20:00(月~土) 11:00~20:00(日)
無休
www.ikea.com/fr/fr/stores/paris-rivoli
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DATCHA(ダッチャ)
さて、今度はサマリテーヌをセーヌ河岸に沿って左方向へ。少し歩いたところにDatcha(ダッチャ)が、6月23日に10区から引っ越してきた。手作り感いっぱいの陶器が魅力のブランドは、かつてアートギャラリーで仕事をしていたという2人組によるもの。彼らがデザインした陶器はスペイン、ポルトガル、モロッコなどで、テキスタイルはインドで……と、地元のアルチザンたちがサヴォワールフェールを活用して製造している。ダッチャという名前にロシアの田舎に建つ木製の別荘を思い浮かべ、ブティックに並ぶ地中海的雰囲気のうつわとはなんだかしっくりこない気がするのだが、温かくオーセンティックな家庭、旅や異国情緒を感じるということから、ふたりはブランド名をこれに決めたそうだ。この夏はパリっ子がインテリアの買い物をするThe Socialite FamiliyやAM PMとのコラボレーションを行った。秋にもまた新たなコラボレーションを準備しているという。オリジナル商品ともども、これも楽しみである。
豊富な食器類の中には、和食にも似合いそうな品も。グラフィカルでカラフルな暮らしを求め、ブティックをのぞいてみよう。
20, quai de la Mégisserie
75001 Paris
営)10:30~19:00(火~土) 14:00~19:00(日) 13:00~19:00(月)
無休
www.datchaparis.com
@datcha_paris
editing: Mariko Omura