ヴィンテージ・ポップなサンタンドレ・デ・ザールに泊まりたい!

PARIS DECO 2021.10.29

その昔、サン=ジェルマン地区のサンタンドレ・デ・ザール通り66番地にセルジュ・ゲンズブールをはじめ多くのアーティストが宿泊した1ツ星の古ぼけたホテルがあった。その隣にはこれまた古ぼけたレストランが。それもくっつけて、2019年秋に工事を始めた「Hôtel St. André des Arts(オテル・サンタンドレ・デ・ザール)」。30室のこぢんまりとした4ツ星ホテルとして、今年6月末にオープンし、早くもアメリカやイギリスからの観光客を惹きつけている。

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左岸に合計7つのホテルを経営するグループLa collection HPRGに属するホテル。4ツ星ホテルらしく、サービスは上質だ。photo:Karel Balas

ここはクレージュのビニールのヴィンテージコートとか着てチェックインしてみたくなる、60~70年代調のポップなインテリアが文句なしに可愛いホテル。9区のオテル・ビアンヴニュでホテルを始めて手がけた室内装飾家クロエ・ネーグルが担当した。小さなフロント、その前のミニサロン、バーのある朝食ルーム……ホテルのために彼女がデザインした家具とホテルのために掘り出した古い家具がミックスされ、楽しい気分が地上階からあふれている。

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レコード、レコードプレーヤーが置かれたレセプション、その向かいのミニサロン。クロエ・ネーグルによる60~70年代調のインテリアがチャーミングだ。photos Karel Balas

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朝食ルーム。夕方にはバーカウンターでアペリティフタイムも。パントン、アルテミデ、カルテルなどヴィンテージ家具のリプロ、オリジナル家具が混じり合う。

客室4フロアの階ごとにクロエが選んだテーマカラーは赤、緑、黄、青。部屋のタイプがさまざまで、かつ家具も異なるので、同じフロアで同じテーマカラーでも、部屋の印象がまったく違っているのがおもしろい。しかも、クロエはまるで自分の自宅のように頻繁にホテルを訪れては、部屋やパブリックスペースの家具や装飾を付け加えたり変更したりしているというから、しばらく期間を空けての滞在ではさらなるインテリアの驚きに迎えられそう。

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左: 各客室にカルテルの有名な収納家具のコンポニビリが。クロエはその上にクルミの木のコブをふたつ割りして平にしたプレートを配置している。 右: 家具だけでなく、カーテンのセレクションにもクロエはこだわった。photos:Karel Balas

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クロエがデザインした2角がカーブした長方形がドアの装飾として、また鏡のフォルムにも。グラフィックデザイナーのレスリー・ダヴィッドはこれにインスパイアされてホテルのヴィジュアルアイデンティティ、ロゴをデザインした。photo:Karel Balas

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客室は5カテゴリあり、14〜29㎡。室料は175ユーロ〜。photos:Karel Balas

ホテルの建築物の既存の要素をあえて残す努力をしたということで、天井や壁の木の梁も取り払わず内装に取り込まれていて、その新旧のうまいミックスがパリらしさをより増しているようだ。石の壁にむき出しの梁がいかにも16世紀の建物!という感じの階段を地下へおりてみよう。そこは30㎡の至極のウェルネス・フロア。「感覚のお風呂」なる一種のジャクジーのようなバスタブが備えられていて、ゲストは好みの香りに包まれて無料で1時間のバスタイムを過ごせるおまけも。

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左: ポップな家具と石の壁、木の梁が調和するインテリア。 中: ウェルネス・スペース。 右: そのエントランスには籐のエマニュエル・チェアが。photos:(左)Karel Balas、(右)Mariko Omura

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バスルームのアメニティはヴィーガン、客室に備えられたエスプレッソマシンのカプセルは土に還る素材で、その中身はエシカル・カフェで……と現代人の志向に合わせた配慮も行き届いてる。ホテルの通りにはギャルリー・カメル・メヌール、パン屋のリベルテ、老舗の名画館があり、また向かいのパッサージュはバルテュスの絵画のタイトルでも有名なコメルス・サンタンドレ小路だ。サン=ジェルマン散策も可能なら、ポン・ヌフを渡って右岸へも簡単へ、というパリを満喫するのにとても良い立地のプチ・ホテルの誕生である。

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ホテルからドフィーヌ通り経由でポン・ヌフを渡れば、いま話題のデパート、ラ・サマリテーヌが待っている。photos:Mariko Omura

Hôtel Saint-André des Arts
66, rue Saint-André des Arts 75006
Tel 01 43 26 96 16
www.saintandredesarts.com
@hotelstandredesarts

editing: Mariko Omura

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