華やぐパリのアール・ドゥ・ヴィーヴル、女性たちのリレー・マラソン テーブルセッティングならワオゥ・ラ・ターブルにお任せ。
PARIS DECO 2022.05.10
左: ワオゥ・ラ・ターブルのデュオ、アラベル・レイユ(左)とペリ・コシャン。 右: テーブルセッティングをキットで販売する「ターブル・シネ」の一例。
ペリ・コシャンとアラベル・レイユという仲良しふたりが、アール ・ドゥ・ヴィーヴルをめぐるブランド「Waww La Table(ワオゥ・ラ・ターブル)」を設立した。その活動はとても活発で、ついてゆけないほどどんどん広がっている。
始まりは2020年6月、インスタグラム上でのテーブル・セッティング・コンクールだった。ペリはTVのプロデューサー、アラベルはテレビ番組出演も多いアート史家で彼女たちの豊かな人脈ゆえだろう。コンクール参加は一般人を対象にしているが、審査員はシェフのティエリー・マルクス、室内建築家&デザイナーのインディア・マーダヴィ、フランスの歴史保全に尽力するTVのアニメーターのステファン・ベルヌという、フランス人の誰もが知る名前を揃えた。
これと並行して、大勢の著名人たちのテーブルセッティングを紹介。wild & moonの創業者エマ・サウコ、ヘアカラーリストのクリストフ・ロバン、by Terry創設者テリー・ドゥ・ガンズブール、ジュエリーデザイナーのエリー・トップ、ディオール メゾンのコーデリア・ドゥ・カステラーヌ、デザイナーのアレクシ・マビーユなどが、自宅の食堂やキッチンに用意したテーブルを披露していて、見て美しいだけでなくセッティングのヒントもいっぱいだ。ワオゥ・ラ・ターブルに家の扉を開く顔ぶれを見ていると、どことなく7区のブルジョワ・コネクションが感じられなくもないけれど、パリ的シックなアール・ドゥ・ヴィーヴルが息づく地区だから、当然といえば当然なのかも。
左: ワオゥ・ラ・ターブルのオンラインショップ「テーブル・シネ」より。 右: 「セカンド・ライフ」より。ヴィンテージの皿、グラス、ティーセットなど時代もタイプもさまざまな品を扱う。
こうした活動に加え、彼女たちはオンラインショップもバラエティ豊富にスタート。「セカンド・ライフ」として、古い食器類を5ユーロくらいから販売すると同時に、「テーブル・シネ」では掘り出した古い品々をふたりがコーディネートした2~12名用のテーブルセッティング(クロス、プレート、グラス etc...)の販売も。足りないのは料理だけ!というアイデアが楽しい。クリエイターやデザイナーたちによるワオゥ・ラ・ターブルのための限定販売オブジェ「objets by」も、充実している。たとえばジュエリーのデザインで有名なマドモワゼル・オーレリー・ビーデルマンが麦、4つ葉のクローバーの刺繍モチーフをデザインしたランチョンマットやグラス。陶芸家オリヴィエ・ガニエールの花瓶、キャンドルスタンドもあれば、金銀細工師アンドレア・ザンコナートがデザインしたジュエリーのようなナプキンリングも。
「objets by」より。マドモワゼル・オーレリー・ビーデルマンがデザインした刺繍のモチーフはクローバー、麦など。
左から、ジャン・ボッジオのフルートグラス、オリヴィエ・ガニェールの陶器、アンドレア・ザンコナートのナプキンリング。
ワオゥ・ラ・ターブルのためのオブジェを、最初にデザインをしたのはインディア・マーダヴィだ。グラスの底のカラフルな丸いボールがカラフルで陽気な“les Mabouls(レ・マブール)”のコレクション。彼女によるグラスというのは、これが初めて。経済危機で困窮している職人たちを支えるべく、レバノンのアトリエ・ドゥ・ティールにて製造されている。グラスに続き、ピッチャーも最近コレクションに加わった。インディアの家具も素敵だけど、簡単には手が出ない。こうしてテーブルウェアで彼女の世界を自宅の食卓に手頃な価格でコーディネートできるのは、とてもうれしい。モノプリとのコラボレーションでも大人気だったインディア。4月28日から、H&M homeと陶器のコラボレーションの販売が始まったという。その話題は次に!
インディア・マーダヴィの「les Mabouls」コレクションより。左: グラス。16ユーロ(写真右)~。ボールの色はブルー、オレンジなど6色。 右:ピッチャー 75ユーロ〜
editing: Mariko Omura