『シン・仮面ライダー』のヒーローたちに齊藤工が迫る!

轟音鳴り響くバイクチェイスとド迫力のアクションから始まる映画『シン・仮面ライダー』。このオープニングから観客はあっという間に心をつかまれ、レトロを漂わせながら最先端の技術を搭載した映像に飲み込まれる。劇場には幅広い世代の観客がつめかけ、幼少期にTVシリーズを観ていた世代から、その時代をまったく知らない若者世代、コアのファンから広がった口コミで足を運んだ幅広い客層まで集まっている。
齊藤工は本作に「情報機関の男」として出演する。
齊藤の撮るモノクロのポートレートは、シネマティックな人物の佇まいを捉えるもの。アクションや映像表現の先に、人間の切なさを描いた『シン・仮面ライダー』のヒーローとヒロインたちが見せる表情は、本作の本質的な魅力ともシンクロしているように思える。

この世界観の創造者である庵野秀明監督に対して、齊藤はこう語った。
「観客として観たいもの、作り手として作るべきもの、それぞれの基準値が庵野さんはとても高く、それが世間からしたら亜流と思われるものであっても、主流を凌駕する生命力をそれらの作品に宿せる稀有な方です」

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HIDEAKI ANNO/庵野秀明 1960年、山口県生まれ。監督・プロデューサー。学生時代から自主制作映画を手がけ、TVアニメ『超時空要塞マクロス』(1982年)、劇場用アニメ『風の谷のナウシカ』(84年)などに原画マンとして参加。88年、OVA『トップをねらえ!』でアニメ監督デビュー。TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』(95年)、『新世紀エヴァンゲリオン劇場版』(97年)で社会現象を巻き起こす。06年に株式会社カラーを設立、自社製作による『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズや『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(07〜21年)では、原作、脚本、総監督、エグゼクティブプロデューサーを担当。『シン・ゴジラ』(16年)で脚本・総監督、『シン・ウルトラマン』(22年)では企画・脚本を務めた。公開中の『シン・仮面ライダー』(23年)にて脚本・監督。

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仮面ライダー/本郷猛を演じた池松壮亮の、強さと優しさの狭間で揺れる、繊細さを湛えた演技にヤラれた観客は多かったに違いない。
「かねてから池松さんが己と向き合い、磨耗しながらも言及し続けている表現のリアリティみたいなものが、本作では炸裂していたと思いました。やはり映画を愛し、映画に愛される男だなと」(齊藤)

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SOSUKE IKEMATSU/池松壮亮 1990年7月9日生まれ、福岡県出身。2003年、ハリウッド映画『ラスト・サムライ』で映画デビュー。14年には『紙の月』、『ぼくたちの家族』などの演技が評価され、第57回ブルーリボン賞助演男優賞をはじめ数々の賞を受賞。その後も数多くの映画・ドラマに出演し、第93回キネマ旬報ベスト・テン主演男優賞、第32回日刊スポーツ映画大賞主演男優賞など多数の映画賞を受賞。主な近作に『宮本から君へ』(19年)、『アジアの天使』(21年)、『ちょっと思い出しただけ』(22年)など。『シン・仮面ライダー』(23年)では本郷猛/仮面ライダーを演じる。

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真っ黒なボブヘア、透き通るような白い肌、長いまつ毛が憂いを帯びて美しい。されど果てしなく強くて「用意周到な」緑川ルリ子を演じる浜辺美波の存在感はカッコよかった。クールなのに愛らしい、女性からも憧れられるような女性の役。
「庵野作品は絶対的なヒロインが軸となり、そこから放物線を描くように作品が成立していると思います。浜辺美波さんなくしては『シン・仮面ライダー』は成立しなかったと思うほど、素晴らしく魅力的なヒロインでした」(齊藤)

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MINAMI HAMABE/浜辺美波 2000年8月29日生まれ、石川県出身。2011年の第7回「東宝シンデレラ」オーディションにてニュージェネレーション賞を受賞、同年『浜辺美波~アリと恋文~』で女優デビュー。映画『君の膵臓をたべたい』(17年)で主演、第41回日本アカデミー賞新人俳優賞、第42回放置映画賞新人賞、第30回日刊スポーツ映画大賞新人賞受賞。近年の主な主演作に『映画 賭ケグルイ 絶対絶命ロシアンルーレット』(21年)、CX系ドラマ「ドクターホワイト」(22年)など。NHK 2023年度前期連続テレビ小説『らんまん』にヒロイン槙野寿恵子役で出演予定。

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登場人物の中で、もっとも人間味のある役どころであり、『シン・仮面ライダー』という作品の「転調」をつかさどる役、仮面ライダー第2号/一文字隼人を演じた柄本佑。齊藤は柄本のポートレートを何度か撮影している。ふたりは、いわゆる映画愛の同志的な関係でもある。
「私がカメラと向き合うきっかけをくれたのは柄本佑さんでした。彼に宣材写真を撮ってほしいと言われて。それから干支が一周しましたが、ますます唯一無二の表現者に、どこか軽やかに進化している柄本さん。会うたびにワクワクさせてもらっている稀有な俳優です」(齊藤)

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TASUKU EMOTO/柄本佑 1986年12月16日生まれ、東京都出身。映画『美しい夏キリシマ』(2003年)で主演デビュー。2018年の主演映画『きみの鳥はうたえる』『素敵なダイナマイトスキャンダル』『ポルトの恋人たち 時の記憶』で第92回キネマ旬報ベスト・テン、第 73回毎日映画コンクール主演男優賞、第28回日本映画批評家大賞主演男優賞受賞。近年の出演作に『火口のふたり』(19年)、『心の傷を癒すということ 劇場版』『痛くない死に方』(ともに21年)、『真夜中乙女戦争』『ハケンアニメ!』(ともに22年)など。2024年の大河ドラマ「光る君へ」に出演。
以上は、2021年10月、『シン・仮面ライダー』の制作現場にて撮影。

「役者」が揃った作品だ。作り手も演じ手も渾身のパワーで、それがひしひしと観る側に伝わってくる――それが『シン・仮面ライダー』。

『シン・仮面ライダー』
●監督・脚本/庵野秀明 
●出演/池松壮亮、浜辺美波、柄本佑ほか 
●2023年、日本映画 
●配給/東映 
●121分 
●全国にて公開中

TAKUMI SAITOH

ナビゲーター役の NTV「こどもディレクター」(水曜 23:59~)放映中。出演映画『カミノフデ~怪獣たちのいる島~』が 7月26日公開。企画・プロデュースした今冬公開の児童養護施設のドキュメンタリー映画『大きな家』に続き、ハリウッド映画『ボクがにんげんだったとき/When I was a human』のエグゼクティブプロデューサーも務める。www.b-b-h.jp/saitohtakumi

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