齊藤工が映す太陽のような山田裕貴と、影のある山田裕貴。

フィガロジャポン本誌とmadameFIGARO.jpの連載 活動寫眞館では、ドラマや映画の撮影の合間をぬって、短い時間で齊藤が被写体を撮影するケースもある。そんな短い時間にもかかわらず、思いがけない表情、ふだんとまったく異なる印象の佇まいが撮影され、送られてきたそれらの写真にこちらも素敵な発見をすることが多々ある。

今回の被写体である山田裕貴もそのひとりだ。

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2023年11月、長崎にて。ドラマ「君が心をくれたから」撮影時。以下同。

この記事で紹介する山田裕貴は明るくて、前向きな青年。一方、フィガロジャポン2024年2月号(12月20日発売)で掲載した山田のポートレートは、どこか影のある、悲しさも含まれるような揺れる心を持った人物として映っている。長いまつ毛が憂いをたたえているようなデリケートな表情だ。

おそらく山田裕貴という俳優は「イケメン」と呼ばれるのが心地よくはないタイプなのかな、と予想する。演技の間合いが独特で、観ている人に何かを感じさせ考えさせる「演技のメッセージ力」が本能的に優れている俳優。本当はとてもカッコいいのに、笑いのセンスも抜群。コメディ作品やバラエティ番組に登場しても、すんなりなじんでしまう。

「夕張の映画祭で井口昇監督に紹介していただいたのが最初の出会いです。当時から唯一無二の光を持った人物で、そこからHiGH&LOWシリーズで間接的にご一緒したこともありましたが、映画ウォッチャー的には『BLUE GIANT』の宮本大役が素晴らしかった印象が強いです。先日、この宮本役のサックスを担当された馬場智章さんの演奏をライブで聴いて、感慨深かったです」(齊藤)

山田と齊藤は、2024年1月8日よりスタートするフジテレビの月9ドラマ「君が心をくれたから」にて共演する。番組公式ページにて山田は、

「人は、周りのいろいろな人から、いろいろな言葉をもらったり、行動をもらったりするが、それは『相手の心をもらう』ことだと思う」

というようなコメントを述べている。役者は、他者から受け取るものに心揺さぶられて、その心を演技のカタチとして表現するもの。山田のこの言葉は本作に限らず、出演作を向上させるために山田が自身の哲学としていることのように感じる。

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「坂の多い長崎の街を疾走する山田さんに隙間で2回も時間をいただき撮影したのですが、快く被写体になってカメラの前に立ってくださいました。『君が心をくれたから』では"太陽"という役名の山田さんは、実際にドラマの撮影現場でも太陽のような存在です」(齊藤)

演技の広がりや新しい挑戦に、ますます未来が楽しみな俳優・山田裕貴。2024年の月9スタートが待ちどおしい!

山田裕貴/YUKI YAMADA
1990年9月18日生まれ、愛知県出身。2011年「海賊戦隊ゴーカイジャー」で俳優デビュー。23年はNHK大河ドラマ「どうする家康」、映画『キングダム 運命の炎』『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編』などに出演。現在、映画『ゴジラ-1.0』が公開中。フジテレビ系1月期月9「君が心をくれたから」に朝野太陽役で出演予定。22年4月より、ラジオ「山田裕貴のオールナイトニッポンX」でパーソナリティを務め、24年1月13日には横浜アリーナにて番組イベントも決定。

TAKUMI SAITOH

ナビゲーター役の NTV「こどもディレクター」(水曜 23:59~)放映中。出演映画『カミノフデ~怪獣たちのいる島~』が 7月26日公開。企画・プロデュースした今冬公開の児童養護施設のドキュメンタリー映画『大きな家』に続き、ハリウッド映画『ボクがにんげんだったとき/When I was a human』のエグゼクティブプロデューサーも務める。www.b-b-h.jp/saitohtakumi

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