【篠原ともえ連載Vol.14】エゾ鹿革で"きもの"をつくる

この度日本タンナーズ協会による革のプロジェクトに参加させていただき、「THE LEATHER SCRAP KIMONO」と題して、エゾ鹿革できものを制作しました。

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革のきものを構想したのは約半年前。埼玉県草加市のタンナー・伊藤産業と協働させていただきました。何度かオンラインミーティングをさせていただきタンナーの工場へも足を運びました。革は製品化の際、端の部分はカットされ、廃棄されてしまうことを知り、本来なら捨てられてしまう革の有機的な端の曲線美に着目。自然の美しさを宿したその形を、動物たちが暮らす山容に見立ててイメージを構築しました。

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鞣すことにより皮から革へと生まれ変わった貴重な素材の形状は、動物の個性そのもの。かけがえのない命からいただいたこの貴重な革を無駄なく生かして、革一枚一枚に山の稜線を表現し、日本の水墨画を彷彿とさせるモノクロのグラデーションと掛け合わせ、日本産の本革の魅力を引き出したいと思いました。

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私が近年取り組んでいるのが、生地に極力残布を出さないようなお洋服や衣装づくり。今回もその観点から、生地を無駄なく使う日本の伝統衣装「きもの」に仕立てることで、唯一無二の作品ができると思ったのです。

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革ときものは、まったく違うようでいて、長く愛せるものであるという共通点があります。革の端を組み合わせればひとつの美しい作品にもなるという、SDGsに繋がるアイデアを提案すること、デザインの力で革の新たな魅力を引き出すことは私たちの役割であると感じました。

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この作品を通して、日本産の革の繊細な美しさ、そしてひとつひとつ紡がれてきた革の伝統というものを、皆さんに届けることができたら嬉しいです。これまでの制作プロセスは写真と動画と共に日本タンナーズ協会のWEBサイト「革きゅん」にてご覧いただけます。またフィガロジャポン5月号(3月19日発売)にグラフィック作品が掲載されます。ご尽力いただきました制作そして撮影チーム、革職人の皆さんの素晴らしい技術をぜひご覧ください。  

革きゅん公式サイト
https://kawa-kyun.jp/story/

 

leather design: Tomoe Shinohara/ art direction: Machi Kagawa/ photography: Sayuki Inoue/ retouch: Kanako Sato (VITA Inc.)/ movie director: Mitsuo Abe/ styling: Keiko Honda/ hair and makeup: Ryoji Inagaki (maroon brand)/ model: Yuka Sekimizu (Satoru Japan)/ collaboration: STUDEO, Ito Sangyo, Lefans, Sinco Sangyou/ special thanks: Fukushima Kagaku Kogyo, Ayako Nagahashi (Fruttarossa),EMON

1995年歌手デビュー。文化女子大学(現・文化学園)短期大学部服装学科デザイン専攻卒。歌手・ナレーター・女優活動を通じ、映画やドラマ、舞台、CMなどさまざまな分野で活躍。現在はイラストレーター、テキスタイルデザイナーなど企業ブランドとコラボレーションするほか、衣装デザイナーとしても松任谷由実コンサートツアー、嵐ドームコンサートやアーティストのステージ・ジャケット衣装を多数手がける。2020年、アートディレクター・池澤樹と共にクリエイティブスタジオ「STUDEO」を設立。
篠原ともえ公式サイト:www.tomoeshinohara.net
公式インスタグラム:www.instagram.com/tomoe_shinohara/

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