ダリアの季節、マゼンタで彩る秋のテーブル

花のある週末 2016.10.06

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10月に入り、街はすっかりハロウィンモード。花屋さんの軒先では、巨大なオレンジ色のカボチャがディスプレイされていたり、色とりどりのパンプキンたちがこっくりした秋色の花々と楽しくおしゃべりしているみたいで愉快ですね。
そして、秋の女王「ダリア」。美しさを競い合うように咲き並び、吸い込まれそうな魅力にくらくらと惑わされそう……!

ダリアという魅惑の花の歴史を少し紐解いてみましょう。
原産地はメキシコ、メキシコの国花でもあります。メキシコといえば灼熱の国のイメージですが、ダリアが自生するのは冷涼な高原地帯。そこで発見されたわずか6品種の原種から、ヨーロッパにもたらされて今に至る400年の間に、3万種を越えるダリアが作出されたといいますから驚き! 人々の熱狂ぶりが窺い知れますね。花色、花形ともに豊富で、品種数は最も多いのではないかと言われています。

メキシコからスペインに初めて種子が渡ったのが1789年、奇しくもフランス革命が起こった年。ナポレオン妃ジョセフィーヌは「ダリアは私の花よ!」と宣言し、球根を誰にも譲らず(笑)国外への持ち出しを禁止するほど溺愛していたそうです。ジョセフィーヌの影響でしょうか、ヨーロッパではダリアは華麗な大人の女性にたとえられ、19世紀前半には花の女王と賞賛されたそうです。

そんなダリアがオランダ船で日本に渡来したのが江戸後期、明治になってから栽培が盛んになりました。現代の日本では、2000年初め頃から「黒蝶」というまさに黒紫色に艶めく大輪ダリアが一大トレンドとなり、ダリアブームが巻き起こりました。美しい姿と引き換えのように花の命が短いのが悩みのダリアでしたが、日持ちを向上させる技術も進み、まさにリバイバル! 今や不動の人気を誇ります。

ユニークなのは、日本で開発されているダリアの品種名! 例えば、秋田県が秋田国際ダリア園と連携して開発しているオリジナル品種「NAMAHAGEシリーズ」。秋田の冷涼な夏を過ごして咲く「NAMAHAGE」たちは、発色が美しいことが特徴、画像手前のエレガントなダリアも「NAMAHAGEマジック」という品種なのです。最初は美しいダリアに「なまはげって……」と思っていましたが、秋田の生産者の方々のダリアに懸ける情熱などがわかると、なまはげという伝統文化に重ねるほどプライドがあるのだなあと納得します。その他にもダリアには、「熱唱」や「雪国」「恋祭り」など、演歌ともJ-POPともつかない和名の品種も多く、なかなかのインパクト。花屋さんではダリアの品種名も気にしてみると楽しいですよ!

ダリアの英名はDahlia、この「Dahlia」のスペルがなんともファッショナブルかつ小悪魔的で、スペルが美しい! と感じるのは私だけでしょうか……今回は、そんな小悪魔的な雰囲気の象徴のようなマゼンタカラーのダリアをチョイス。
画像奥のポンポン咲きの品種はとても人気のある品種ですが、なんとその名は「ミッチャン」! どちらのミッチャンだったのでしょう(笑)

バスケットの隙間には、ワインボトルやバゲットなどを入れて、大人のピクニック風に。秋晴れの週末なら、本当のピクニックに連れて行きたいかも!

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マゼンタカラーのダリアのバスケットアレンジ大人のピクニック風

【材料】(画像左から)
*コニカルブラック 1~2本
*ダリア・ミッチャン 1本
*ダリア・NAMAHAGEマジック 1本
*ユーカリ ½~1本
*バスケット 1個(縦17㎝、横26㎝、高さ15㎝)
*バスケットに入れる花器 1個
*切花栄養剤小袋 1~2袋※最近は購入時につけてくれる花屋さんが増えました

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【作り方】

  1. バスケットに花器をセットし、切花栄養剤を正しく希釈した水を花器の7分目ぐらいまで入れます。
  2. ダリアは水に浸かる部分の葉や多めの葉は取り除き、茎は斜めにカットせず、真っすぐに切ります。
  3. 2輪のダリアを、花器の縁を利用しながら美しく見える角度に活けます。
  4. コニカルブラックと、小分けにカットしたユーカリの枝をダリアの間や背景に挿せば出来上がり!

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この季節、魅力的なダリアが多すぎて困りますが、すごく心惹かれるのは複色のダリア。赤や紫に鮮やかな白い斑が大胆に入る花弁は、まるで豪奢な着物のようであり、水に揺れる金魚のようでもあり。他の花材と組み合わせるのはかなり難易度が高いので、この艶やかで絢爛なダリアだけを粋に楽しみましょう! キャンドルでも灯せば、闇に浮かび上がるシルエットがまた妖艶で、お部屋がちょっと違うムードになりそうですね(笑)画像のダリアは「影法師」、華やかな中にもどこか影を感じる、これまた絶妙なネーミングです。

葉もとても美しかったのであまり落とさずに活けていますが、本来は多めの葉は落とした方が花が長持ちします。

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ウィークエンドのブランチや、ちょっと早くからワインを開けたくなるような夕暮れ時、テーブルやリビングに秋色の彩りがあれば一層楽しいはず♪

ではでは皆さま、花と素敵な週末を。

 

<INFORMATION>

c04-waku-weekendflower151026.jpg花の国日本協議会では、昨秋より本格的に
「WEEKEND FLOWER」企画をスタート!

家族や友人が集う食卓に、1週間がんばったご褒美に。ウィークエンドに花があるだけで、会話がはずんだり、笑顔が増えたり、心がほっとしたり。"日常の素敵"――花のある暮らしを提案します。

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