冬と春の間に。立春には春のトビラをあける黄色の花
~芽吹き前の枝物とスイセン、チューリップ、そしてパンジー~

花のある週末 2016.02.02

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2月、如月。旧暦で2月をさす如月(きさらぎ)の語源には諸説ありますが、草木が生えはじめる月で「生更木(きさらぎ)」、草木の芽が張り出す月である「草木張月(くさきはりづき)」が転じたとも。そう、2月はまさに生命の胎動、息吹を感じる月です。百花に先んじて咲く梅の香気に、きいんと凍てついた空気が緩み、優しい春の気配に足取りも軽くなるようですね。

2月4日は二十四節気の一番目「立春」。そして、立春の前日が「節分」なのです。立春とは冬と春を分ける節目の日、その節分けをする日が「節分」というわけです。旧暦では「立春」が1年の始まりですので、「節分」は大晦日にあたります。新しい年に向けて邪気を払うために、豆まきをしたり、年齢の数だけ(もしくは1つ多く)豆を食べ厄除けをしたり、地方によっては邪気除けの柊鰯などを飾ったりするというわけです。

そんな春が立つ日に、部屋に飾りたいのは黄色の花。黄色の花をチョイスするのは、春のトビラを開けるようなワクワク。一足早く春の陽光をまとった花々は、長い冬を越えてきた希望の花でもあるのです。

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節分と立春、猫柳と黄色の花あしらい

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【材料】
猫柳       1~2本
ミモザ      1/2本
スイセン・アイスフォーリス(アイボリーに黄色のリップ) 2本
黄花水仙     2本
豆の花      1本
フラワーベース  1点(画像は横幅13cm、奥行き5cm、高さ12cm)
切花栄養剤    小袋1袋

【作り方】
1. フラワーベースに8分目ぐらい水を入れ、切花栄養剤をよく混ぜ入れます。
2. 猫柳の枝の先端を30cmくらいカットし、枝ぶりを見ながら活けます。
3. スイセン・アイスフォーリスを中央に活けます。2本が横並びにならないよう、高低差、凹凸をつけるとより生き生きした表情になります。
4. 黄花水仙と豆の花を短くカットし、器の口元に活けます。
5. 最後に、ミモザの枝の先端の柔らかい部分を、背景に添えるように活ければ出来上がり!

※小さな器に「スイセンの葉」を活けるのはなかなかテクニックが必要ですので今回は使用していませんが、もっと高さのある器に活ける際には美しい葉もぜひ活けてくださいね。

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家の中を浄化してくれそうな清々しい香りのスイセンに、春の陽だまりのようなふわふわのミモザ。節分の日、豆まきや恵方巻など楽しい伝統行事にも、春と福を呼び込むような花があるとよいですね。明るく前向きに春への一歩が踏み出せそうです!

冬と春の間、まだ新緑が芽吹く前の枝物たち。春の息吹を内に秘めた、この季節ならではの花材だと思います。「猫柳(ねこやなぎ)」は、葉が出る前の銀白色の毛におおわれた花穂が 、やわらかなふっくらとした猫のようだということでこの名前がつきました。子猫のような手触りと愛らしさで、思わずすりすりしてしまいます。そして、猫柳の花言葉は「努力は報われる」......! 本番を控えた受験生を猫柳でそっと応援してあげたくなりますね。また、猫柳だけをたくさんまとめて垂直に立てるように活ければ、ホワイトグレーがモダンな空間にも似合う、2月のはじまりにおすすめの素敵な活けこみになります。
そして、この季節にもうひとつご紹介したい枝ものは「青文字(あおもじ)」。
淡い黄緑色の実物のように見えるものは、実はつぼみ。やがて淡黄色の花が咲いてきますが、この美しい緑色のつぼみを愛でるのです。青文字はよく見ると枝の表面も暗緑色、枝にも葉にも香気があるといわれ、「楊枝」の材料であることも有名です。枝ぶりに優雅さはありませんが、1枝2枝をさりげなく飾った感じが不思議と絵になります。和洋どちらのテイストにも似合いますので、花店で見つけたらぜひ一度手に取ってお部屋に飾ってみてくださいね。枝もやわらかくて扱いやすいので、枝物初心者の方にもおすすめですよ♪

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花屋さんには愛らしさを競い合うように春の花々が並び、そこにいるだけでハッピーになれる「気」が溢れています。毎週末どの花にしようかと本当に迷いますが、今日ご紹介したいのは、春の主役級の花・チューリップと、昨今切花でも出回るフリフリのパンジー。

チューリップは学校の花壇に咲いている品行正しき花でありながら、中世にチューリップ狂時代なるものがあったほど、人々を狂わせる魅力を持った魔性の花でもあります。花好きの性でしょうか......春になるたびに珍しい色や咲き方のチューリップを見るとむくむくと「欲しい!」衝動にかられます(笑)。今回魅了されてしまったチューリップは、黄色の八重咲きで有名な「モンテカルロ」という品種のギザギザした剣弁バージョン「モンテスパイダー」! スタイリッシュなチューリップといえば、暗紫色やパーロット咲きの品種が真っ先に浮かびますが、黄色のチューリップでこれほどカッコいい! と思える品種にはなかなか出会えません。写真はちょうど良い咲き加減ですが、これが次第にガーッと花弁が全開していく様がまた、何ともアートな花姿なのです。

そして、フリフリのパンジーたち。パンジーも花壇の花のイメージが強いですが、花壇のパンジーにはあまり見られないフリル咲きの品種が切花で出回るようになっています。切花としてブーケにしやすいように、フラワーベースに活けやすいように、草丈を長く丈夫にするために、生産者さんたちは気が遠くなるような手間ひまをかけて育てているそう! 想像以上に日持ちも良く、小さなつぼみまで咲いてきます。
1本に異なる色の花が混ざる気まぐれさもこの切花パンジーの魅力! 眺めていて本当に飽きない、ひと花ひと花が絵画のような色彩と陰影をたたえています。
パンジーの語源はフランス語の「pensée(パンセ)」=思想、だそうで、それはパンジーの花顔が、まるで物思いにふける人間の顔であるようだからとか! 言われてみれば、顔に見えなくもありませんね。

そしてパンジーは、とても美しい「押し花」になります(画像下)。
少女の頃を思い出して、本にはさんで押し花を作るのもノスタルジックな素敵なひとときですね。
パンジーの花言葉は「think of me」。あーなんとも切ないですねー。パンジーは片想いの恋に効く花とも、花汁は惚れ薬だとも......! 気まぐれで甘くて苦い恋、パンジーはそんな乙女心の花でもあります。

春を待つウィークエンド、どんな花と過ごしましょう!?
花屋さんで新しい花にときめいたり、季節の想い出の花に癒されたり。そんな時間もまた愛おしいですね。

ではでは皆さま、花と素敵な週末を。

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<INFORMATION>

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2月といえばバレンタインデー! 皆さま、「フラワーバレンタイン」ってご存知でしょうか?
日本におけるバレンタインデーは、「女性から男性へチョコレートで愛を伝える日」とされ久しいですが、世界におけるバレンタインデーは、男女がお互いに愛や感謝の気持ちを伝えあう日なのです。欧米では、メッセージカードを交換したりするそうですが、あわせて、男性から女性に花を贈ることが最もポピュラーです。実はバレンタインデーは。世界でいちばん花を贈る日でもあるのです。

女性から男性へとっておきのチョコレートを贈る気持ちと同じように、男性から女性へちょっと勇気をだして愛する人のために選んだ花を贈ってくれたら......そこから新しい物語がいくつも生まれ、LOVEにあふれた心温かな一日になるよう 大切な人に花を贈る2月14日にしていきませんか?

そんなご提案に今年は人気FM局J-WAVEがご賛同くださり、「Flower Valentine with J-WAVE ~バレンタインデーには花と音楽を贈ろう」という素敵な企画がスタート! 2月1日から14日まで、さまざまな番組でフラワーバレンタインをご紹介します。特設サイトでは、大切な方へのメッセージを募集中、男性パーソナリティが"花と音楽"のプレゼントをご用意しています。そして、首都圏の約500店舗で、J-WAVEとフラワーバレンタインのコラボブーケも展開、別所さんのPOPとハートのタグが目印です!

ぜひ、J-WAVE 81.3FMをチェックしてくださいね♪

◆J-WAVE特設サイト
http://www.j-wave.co.jp/special/flowervalentine2016

◆フラワーバレンタイン公式サイト
http://www.flower-valentine.com/

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