医師・友利新の人生を貫く3つのキーワード。

ブランドプロデューサー柴田陽子が、自分の進むべき道を、信念を持ってまっすぐに歩んでいく“真ん中の女(ひと)”と対談する新連載。初回のゲストは、3児の母でありながら前向きにパワフルに挑戦を続ける内科、皮膚科医の友利新さん。彼女の人生を貫くキーワードとは?

The Role Modelsの
概要はこちら

 

---fadeinpager---

ゲスト:友利新(内科・皮膚科医)

A のコピー.jpg
ARATA TOMORI /沖縄県宮古島出身、東京女子医科大学を卒業。2004年に「準ミス日本」に選出。内科と皮膚科のクリニックに勤務しながら、テレビや雑誌、ウェブなどで活躍。現在YouTubeチャンネルが爆発的な人気。7歳、5歳、2歳、1男2女の母。

 

#1. 誰にも奪われることのない最大の武器、それが知識。

私のロールモデルは働き学び続けた母です。両親は宮古島で運送会社を営んでいて、島では珍しくスーツを着て仕事をするような女性でした。

私が小学生の頃、母は会社を経営していくために法律の知識をつけたいと、大学の法学部に入り、通信教育で学び始めました。私たち3人姉妹が寝た後、六法全書を開いて食卓で勉強し、夏休みに1カ月スクーリング(対面授業)に出かけた母は、とてもカッコよかった。そんな母を父は応援し「財産は泥棒に入られたり火事になったりしたら、なくなるけれど、知識は誰にも盗まれない」と教えてくれました。

知識は人生を闘っていく武器。私のいまがあるのも医師免許のおかげ。妊娠や出産で仕事上の制約ができた時も、医学書を読み直し日本だけでなく海外の情報のインプットにも努めました。時代が変わっても知識さえあれば、生き抜けると信じています。

---fadeinpager---

#2. 人を正しい道に導き、その人の人生を変えられる人に。

中学3年生の時に子宮内膜症と診断され、薬の副作用で20㎏も太りました。ショックで巷にあふれるダイエット情報を鵜呑みにし、拒食症のようになってしまったんです。そんな時、私の悩みを聞き、丁寧に対話をしながら正しい方向に軌道修正してくれる女性医師に出会いました。この経験から誰かの人生を変えられるような医者になりたいと決意。

医師になり、テレビに出演するようになったのも正しい医療をより多くの人に伝えられると思ったから。私が救われたように、健康のことで悩んでいる人の人生を変える、そのために必要なことは、患者さんと向き合い続けること。人間の身体は教科書どおりではないので、実際に症例を見ないとわからないことが多い。いまはふたつの病院に勤務していますが、その現場での経験を大切にしながら発信を続けたいです。

---fadeinpager---

#3. 働くとは、傍(はた)を楽(らく)にすること。

働くという言葉には自分を消耗し、お金のためにやらなければいけないこと、というイメージもありますが、この言葉の語源は、他人を楽にすること、ともいわれています。私にとって働くとは、まさにこの言葉そのもの。自分のYouTubeチャンネルは、観ている方が5分、10分で楽に美容や健康に関する知識を得て、自分で自分の主治医になってほしい、そんな思いで収録しています。

仕事で遅くなると、子どもに罪悪感を覚えることもありますが、働くことは素晴らしいこと。悪いことだと捉えてほしくないので、謝るのではなく「ママ、今日も頑張ったよ」と伝えています。

子どもにも専門的な知識を武器に働き、周囲の人に良くする人になってほしい。何か困ったことがあった時「あなたのためなら」と手を差し伸べてくれる人が周りにたくさんいる人生が、いちばん幸せだと思うから。

S__67952793.jpeg

---fadeinpager---

 

柴田陽子の編集後記

社会と繋がり、仕事をし、生き生きと成長したいと願う、意欲にあふれた女性はたくさんいます。でも残念ながら、いまの日本社会で生き方の基準、ロールモデルになる女性が少ないと感じ、この企画を立ち上げました。

第1回のゲストを考えた時に、真っ先に思い浮かんだのが友利新さん。3児の母である友利さんのお母さんも働いていました。子どもの頃の友利さんはそんなお母さんを嫌いになったり寂しく感じたりするどころか、とても自慢だったそう。仕事を持つお母さんはどこかに罪悪感を抱えているものですが、そんなことを感じる必要はないよ、と伝えたい。

また「働くことは傍を楽にすること」という友利さんの言葉は、まさに私が仕事をする時のモチベーション。働けば働くほど、自分に近い大切な人に良くすることができます。友利さんがコロナ禍で始めたYouTubeチャンネルは約60万人の登録者数を誇ります。友利さんの生きる力の強さ、前向きな明るさを、ぜひ参考にしてください。

*「フィガロジャポン」2022年3月号より抜粋

柴田陽子

YOKO SHIBATA /神奈川県生まれ。外食産業に入社し2004年に「柴田陽子事務所」を設立。「グランツリー武蔵小杉」「パレスホテル東京」「東京會舘」、ローソン「Uchi Café SWEETS」などを成功に導いたいま注目されるブランドプロデューサー。
シバジムアカデミー

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

いいモノ語り
いいモノ語り
パリシティガイド
Business with Attitude
フィガロワインクラブ
BRAND SPECIAL
Ranking
Find More Stories