山城葉子の人生を貫く3つのキーワードとは?

ブランドプロデューサー柴田陽子が、自分の進むべき道を、信念を持ってまっすぐに歩んでいく“真ん中の女(ひと)”と対談する新連載。今回のゲストは、ドレスショップやデザイン事務所を立ち上げるなど、自分の信じる道を力強く歩む山城葉子さん。彼女の人生を貫くキーワードとは ?

The Role Modelsの
概要はこちら

 

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ゲスト:山城葉子(クリエイティブディレクター)

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YOKO YAMASHIRO/東京都出身インポートウェディングドレスのセレクトショップを全国展開後、独立。ドレスデザインをはじめ、カタログやブランドコンセプト、店舗内装など多岐にわたるデザインを手がける「YOKO YAMASHIRO Designs」CEO兼チーフアートディレクター。3児の母。

#1. 計画して、実行して、振り返る、を繰り返す。

私の転機は19 歳の時。友人の結婚式の打ち合わせでウェディングプランナーと出会い、「この仕事がしたい 」とブライダルの専門学校に入学しました。卒業後2年間の下積みを経て、ホテルやレストランを世界中に展開するプラン・ドゥ・シーに転職。プランナーとして全国のプロジェクトに わるうちに、地方の結婚式のクオリティの低さに気付きました。

特にドレスは仕入れから改善する必要があると痛感。そんな折、社長からバイヤーをやってみないかと言われ、27歳でドレスショップ、ザ・トリート・ドレッシングを立ち上げることに。わからないことだらけだったけれど、とにかくトライアンドエラーで「計画して、実行して、振り返る」を繰り返し、気付いたらお客さまに認めてもらえるお店になっていました。この経験で学んだ教訓は いまも私の仕事の土台になっています。

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#2. みんなを支え、みんなの人生に伴走できる自分でいたい。

ザ・トリート・ドレッシングを立ち上げて12 年。次世代のメンバーを育て、お店を譲る時がやって来ましたが、私はバトンを渡す勇気が持てなかった。やり切った自信はあったけれど、それを失ってまたゼロから始めることになかなか踏ん切りがつかなかった。でも周りの人たちの応援と支えがあり、葛藤を乗り越えることができました。

その後、クリエイティブディレクターとして独立するも、ドレスへの思いを捨てきれず、2020 年にレンタルドレスショップ、ナンバー・ファイブを創業。ザ・トリートから付いてきてくれているスタッフもいて、いまは自分が前に出るのではなく、サポートする側に回っています。スタッフには仕事だけではなく女性や母としての自分も大切にしてほしい。だから私は、みんなを支えて、伴走できる立場に徹したいと思っています。

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#3. 扉は叩かなければ開かない。

ステージが変わるたびに素晴らしい人たちに出会えることは、私の人生をより華やかにしてくれています。待っているだけではダメ。私を突き動かすのは「扉は叩かなければ開かない」という信念です。もちろん「自分なんかには無理」と思うこともあるけど、扉を叩くか叩かないかで人生は大きく変わる。扉を開くことができれば、幸せで充実した日々が待っているはず。

それは私の子育てにも通じています。昨年、いちばん下の子が「1年半くらい言葉の遅れがある」と診断されました。新しい子育てのチャレンジは試練でもありますが、病院を探したり本で調べたりしながらいろいろトライしています。それは、いまの私にとって扉を叩くこと。たまに落ち込むことはあるし、ほかのママと比較してしまうことも多いけど、365日のうち300日はハッピー。これからも扉を叩き続けたいと思います。

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対談を終えて

年下だけど、ずっと大切な友人であり、私のロールモデルでもある山城葉子ちゃん。家も近くて、何かあれば相談し合う身近な存在です。はじめは専門的な知識を持っていたわけではなかったけれど、自分の想い・判断・感性でキャリアと幸せを掴んだ彼女の生き方は、多くの人の参考になると思います。

彼女が住む世界は一見すると華やか。でも、地味なことや与えられたミッションに実直に取り組み、常に最善の方法を模索し続けたこと、何事も自分事として挑戦し続けたことが、いまの彼女を形作っている。「扉は叩かなければ開かない」という彼女の言葉に、自分を信じ、前に進んでいく強さを感じました。

怒り、憤り、不平不満を募らせるのではなく、等身大の自分を謙虚に評価して仕事に取り組んでいるからこそ、周囲に「この人と一緒に働きたい」「この人のために頑張りたい」と慕われるのだろうと思います。私もそんな彼女の背中を追いかけているし、みなさんにもぜひ参考にしてほしいと思います。

*「フィガロジャポン」2022年4月号より抜粋

柴田陽子

YOKO SHIBATA /神奈川県生まれ。外食産業に入社し2004年に「柴田陽子事務所」を設立。「グランツリー武蔵小杉」「パレスホテル東京」「東京會舘」、ローソン「Uchi Café SWEETS」などを成功に導いたいま注目されるブランドプロデューサー。
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