冬の楽しみ編 from ベルリン 4つのキャンドルを灯す、ドイツのアドベントクランツ作り。

世界は愉快 2021.11.22

写真・文/河内秀子(在ベルリンライター)

クリスマスが近づいてくると、ドイツはアドベントの準備におおわらわだ。アドベントとは「待降節」、12月24日のイエス・キリストの降誕を待ちわびる期間のこと。12月24日までに4回の日曜日が入るように考えられており、今年は11月29日の日曜日がアドベントの始まり、第1アドベントの日曜日となる。アドベントの期間にはさまざまな風習があり、暗く寒い冬を暖かく盛り上げてくれる。たとえば、クリスマスまでのカウントダウンを楽しむ「アドベントカレンダー」。そして、もうひとつこの時期に欠かせない風物詩といえば「アドベントクランツ」だ。この時期にだけ飾られる、4つのろうそくを灯すリース飾りである。

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リース形のアドベントカレンダー。カード形やお菓子入りが定番だが、最近はコスメやスパイス、鉱石やビールなどの変わり種までさまざまなものがある。
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ドイツのアドベントクランツに欠かせないのは、4回あるアドベントの日曜日にひとつずつ灯していく4本のキャンドル。4本目に火が灯ると、クリスマスはもうすぐそこだ。アドベントが始まる頃になると、ドイツの花屋の店先にはアドベントクランツがぎっしりと並ぶ。定番はモミの枝のリースに赤いキャンドルをのせたものだが、最近ではモダンなアレンジも多い。

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白やグリーンのキャンドルも美しいアドベントクランツ。

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王立庭園アカデミーにはアドベントクランツ用の色とりどりのキャンドルが並ぶ。

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ろうそくが4本あることが最も重要ポイント。ケーキ用のキャンドルを4本つけただけの「ポケットアドベント」もある。www.spiegelburg-shop.de

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首都ベルリンでは、人気なのが1823年に欧州初の庭園文化の教育施設として造園家ペーター・ヨセフ・レンネが創立した王立庭園アカデミーのアドベントクランツだ。敷地内に植えられたさまざまな植物の実や枝を中心に自然素材だけを使った、美しく独創的なアドベントクランツがずらりと並ぶ。

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王立庭園アカデミーのアドベントクランツコーナー。さまざまな枝ものや花材が並ぶ。

最近はオリーブの葉を使った“地中海風”のアレンジが人気だそうだ。王立庭園アカデミーのフローリストのおすすめは、さまざまな針葉樹の枝の緑にペールグリーンのろうそくで同色系にまとめたもの。今期のインテリアトレンドカラーのグレーにも映える、軽やかなグリーン。ドイツの森に多いトウヒをベースに爽やかな香りのジュニパーの枝などを組み合わせ、オリーブの葉にライムやレモンといったドライフルーツを散りばめたら、生き生きとした動きのあるアドベントクランツが完成した。

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地中海風のアドベントクランツの製作風景。グルーガンを使わず、すべてワイヤーで固定し、自然素材のみを使うのがこだわりだ。

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木々が枯れ、街が暗く寒々しくなるこの時期に、家の中にぽっと暖かな光を灯してくれるアドベントクランツ。「昔の人は、森や庭に落ちている木の実や松ぼっくりや枝を集めてアドベントクランツを作ったのではないでしょうか。香りのいい枝でこうやってリースをを作っていると、クリスマス前の忙しさも一時忘れられますよ」とフローリスト。

今年もまたおうち時間が増えそうなドイツ。アドベントクランツを手作りしてキャンドルを灯し、ゆったりとした時間を過ごすのもいいかもしれない。

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photography & text: Hideko Kawachi

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