愛しのペット編 from ロサンゼルス ドッグラバーの女性たちが起業、インテリアを愛でる飼い主のための犬グッズ。

世界は愉快 2022.04.10

稲石千奈美

犬を飼っている世帯が国民の半数を超えるアメリカでは、パンデミック中に新たにペットを迎えた人が2割も増したそうだ。うちにもやってきたパンデミックパピーは、生後2カ月のミックス犬。いい感じに焦げ目がついた焼き餅のような色と仔犬ならではのもっちりしたやわらかさに「もち」と命名した。

保護犬ゆえ急に縁が決まり、必要なペット用品も当日にペットショップに駆けつけて調達した。しかし、犬周りのグッズは生活空間でかなり存在感がある。インテリアの一部としてデザインが気になる人は多いらしく、デザインにこだわったブランドやグッズも多数あるけれど、人間目線のデザイン優先で犬は使いづらそうだったり、スタイリッシュだけれど実用性は「??」なものもある。そこで、私が実際に使用してみて犬も人も太鼓判を押せるふたつのインディペンデントブランドをご紹介!
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20220407-doglover-01.jpgphotography: Bree McCool

まずドッグベッドは、「犬にとっても快適で、インテリアとしてデザインも重視されるべき」とクリエイティブ・コンサルタントのガブリエラ・ベイターがガレージで起業したLay Lo(レイロウ)がおすすめ。快眠に誘う低反発性マットと取り外しができるカバー付きだ。カバーはインテリアに合わせやすいシックなカラーの無地やシンプルなパターンの定番ラインに加え、ミッドセンチュリーのテラッツォ、北アフリカの伝統的なマッドクロスなどにインスピレーションを得た限定コレクションもある。

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レイロウ創業者のガブリエラ・ベイター。Photography: Stephen Paul

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チャックでくるりと開閉して取り外し可能だから、洗濯はもちろん、衣替えまでできるのがうれしい。メッシュ地のさらっとした手触りで、引っ掻き傷にも負けない素材であることも、レザーカバーを付けた持ち運びに便利な取っ手があるのも、愛用してよさを実感するデザインディテールだ。同ブランドはサステイナブルを目指していて、不要になったタオルや衣類などをカバーに詰めてベッドにすることを提案している。

20220407-doglover-03.jpgW.A.L.Dとのコラボ、「ReMadeベッド」で寝そべるデザイナーの愛犬。カバーとベッドのセット125ドル~、カバーのみ75ドル~/レイロウ photography: Bree McCool

最新の「ReMade(リメイド)コレクション」は、ロサンゼルスのテキスタイルデザイナー 、ウォーレン・アルドリッチが過去のデッドストックや端切れを手縫いでパッチワークした限定デザインだ。4種類あるがすでに3種類は完売している。レイロウが初めて届いた日、もちは新しいベッドの匂いをクンクンと嗅ぎ、そのままストンと寝そべって……以来連日気持ちよさそうにしているので、犬レビューは4ツ星なのだと思う。犬が寝ていてもそうでなくても、微笑ましいインテリアのアクセントとして2枚のカバーを交換するのも楽しみだ。
 

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もうひとつ犬を飼ってみてわかったのが、フローリングでは犬が滑るということ。よちよち歩きだった頃はなんとも歩きづらそうでかわいそうだった。一人前(?)に歩けるようになってからも、ボールを追って疾走する廊下やソファからジャンプした時に安全なラグがあればいいのにと思う反面、絨毯やラグは汚れや手入れが大変そうだし、苦手だなと迷っていた。

20220407-doglover-04.jpg洗濯の日は「ラグはどこへ?」と不安になるほど、我が家のもちもご満悦の「ラガブル」(W182xH274cm)319ドル。使い勝手が良すぎてすでに3枚購入済み。

この悩みを解消してくれたのが下敷きとカバーの2枚式でおうち洗いのできるラグ、Ruggable(ラガブル)だ。サイズもデザインも豊富で気に入ったものはすぐに見つかり、リビング用にモダニズム柄のラグを一枚購入してみた。ラグの表面は定番のシニール、シャギーな毛足のプラッシュ、屋外用と3種類があり、いずれもシミになりにくい素材なので白や明るい色だって犬も飼い主も心配無用。一見普通に見えるのだが、下敷きパッドがマジックテープのようになっていて、そちらにしっかり張り付く仕組みだ。汚れたらバリバリっと上敷きラグを剥がして、洗濯機にいれる。LAの乾燥した天気で外干しすれば、182x274cmのラグでも1時間弱で乾いてしまう。

洗うたびに「マジか!」と思うほど画期的だ。洗った後のラグは犬と遊んでいても心地いい。ラガブルではデザイナーとのコラボも展開していて、昨年ジョナサン・アドラーコレクションが発表された際には、犬が走る廊下用のピーコック柄の細長いランナーをゲットした。ラグがお気に入りなのか、もちはたまにラグの端っこに座り込み、そこから一歩も出ないことがある。


いずれのブランドも心から犬との生活を愛するゆえ、デザインも機能性も妥協しないドッグラバーの女性たちが起業している。気に入ったデザインのペットグッズをみると毎日うれしくなるし、犬がエンジョイしている姿には癒されて、もういくつもあるのに時々買い足したくなっている。

text: Chinami Inaishi

稲石千奈美

在LAカルチャーコレスポンデント。多様性みなぎる都会とゆるりとした自然が当然のように日常で交差するシティ・オブ・エンジェルスがたまらなく好き。アーティストのアトリエからNASA研究室まで、ジャーナリストの特権ありきで見聞するストーリーをエディトリアルやドキュメンタリーで共有できることを幸せと思い続けている。

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