ストックホルムの中央駅から地下鉄と徒歩で北上すること約40分。Edsviken(エーズヴィーケン)という湾沿いにUlriksdal(ウルリークスダル)という緑がいっぱいの地域がある。そこには国王グスタヴアドルフ6世と女王ルイースのカール・マルムステーンの家具を使った有名な居間を代表とするウルリークスダル城もあり、特に夏の間は訪問客でいっぱいだ。
城もそうだが、なんといってもいちばん人気なのが「Ulriksdals Köksträdgård (ウルリークスダルス シュークストレードゴード)」。ウルリークスダルの庭菜園だ。広大な敷地に広がる緑いっぱいの木や植物達と1.5ヘクタールもの土地で育てられる野菜の数々、また色とりどりの花に囲まれながら散歩やフィーカ、食事をこれでもかと楽しめる。
地下鉄の駅から徒歩で10分ほど、レストラン「エンメル」に着くまでの第一グリーンスポット。
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その庭菜園を仕切っているのが隣接する「Ulriksdals värdshus (ウルリークスダルス ヴェーズヒュース)」という伝統あるレストランだ。ここのレストラン内に2020年の夏にオープンしたのがレストラン「Emmer(エンメル)」で、夏の間はエンメル、そして冬になると「ウルリークスダルス ヴェーズヒュース」としてレストランの2毛作を営んでいる。サステナビリティに力を入れているこのレストランは、夏の間の「エンメル」でサービスされる野菜や花は自分たちの庭から、冬の間の「ウルリークスダルス ヴェーズヒュース」でサービスされる、これもまた有名で大人気のクリスマスディナーで使われるニシンや野菜の酢漬け用の野菜やハーブも庭から採り入れ仕込んでいる。
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城は夏の間は一般公開しており、ストックホルムの中心から少し離れているのでちょうどいいお出かけ遠足気分にもなる。何より見渡す限りのグリーンを夏が短いスウェーデンで十二分に満喫できる癒やしのスポットにて、これまた隣の菜園からのフレッシュこのうえない採れたて野菜を頬張るなんて、極上の森林浴ならぬグリーン食浴だ。
ディナーの始まりは菜園内の散歩から!
緑がだんだんと赤付き、グリーンな夏日が終わりに近づいている。
https://www.restaurangemmer.se
ウルリークスダルス ヴェーズヒュース|Ulriksdals värdshus
https://ulriksdalsvardshus.se/
ウルリークスダル城
https://www.kungligaslotten.se/vara-besoksmal/ulriksdals-slott.html
text: Sakiko Jin
神咲子
在スウェーデンライター。コーディネート業も行うが、本業はレストラン業だった。そして50歳を過ぎてから、鉄道の電車の運転手に。スウェーデンの北部ウメオ市とスンズヴァル市を運転する日々を送る。