ミラノの中心から15分ほど南西に行くとふたつの運河がある。この運河がミラノでは唯一の水がある場所で、夏になるとここは大人気に。(水を見ているだけでも気持ちが落ち着く)アルザイア・ナヴィリオ・グランデ通りとルードヴィコイルモーロ通りの川沿いが開発地域に指定されていることもあり、とても活況を帯びている。あと2年で完成する「ナヴィリオの森」( http://www.bosconavigli.it )という都市開発は、イタリアの有名な建築家ステファノ・ボエリが手がけるもの。彼は2015年のエキスポの時にも縦式の森という建物を造り、世界中で話題になった建築家だ。彼による建物が近い将来このゾーンに造られるということもあり、現在、新しいレストランやカフェ、そして露天の店まで出てきていて、ファッションのショールームや会社も集まりつつある。ブルネロクチネリやZARA、YOOX、そして世界最大のWPPという広告会社が最近このゾーンにでき、2,500人の従業員がこの付近に来たことで、これからも新しいレストランやカフェができそうだ。
夏にぴったりの運河沿いの散歩。運がよければ白鳥親子にも遭遇できる。
この運河、まず設計はレオナルド・ダヴィンチが1500年に設計したことで観光の名所にもなっている。そのひとつが、サンクリストフォロ教会。これはヴィザンチン時代の小さな教会だが、美しいフレスコ画は必見。このエリアを散歩するなら必ず足を運んで。
ミラノの歴史を知りたいなら3世紀からあるこの教会へ
そのサンクリストフォロ教会の横にある、サンクリストフォロボートクラブの中に最近レストランができて、人気を呼んでいる。 ( http://www.canottierisancristoforo.it )オーナーは最近までテレビで活躍していた俳優で、彼が作ったレストランということもあり、外観からも目立ち話題を呼んでいる。彼の名前はBarù。レストランの名前はBRACI BY Barù(バルーのBBQという意味)。レストランは昼も夜もオープンしていて、BBQを中心のメニュー。
今このゾーンで一番話題のレストラン
TVでも人気を呼ぶオーナーのBarù氏
本格的なBBQを楽しみたい人にお勧め。居心地の良いテラス席は食事以外にアペリティフのみも楽しめる。
人気のバーガーは€18ポテトも最高に美味しい1品。
橋を渡るとミラノでいちばん人気のジェラート屋さん、Gelateria della Musicaここも夜には300人と行列ができる最高においしいジェラート店。特にピスタッキオがおいしい(2種味2.90ユーロ〜) 。
年中人気のジェラート屋で一息して本格的ジェラートを楽しもう。
店内には季節のフルーツを使った物、定番のピスタッキオなど20〜30種のジェラートが楽しめる。
ここを過ぎてペスタロッツィ通りに入ると、タトゥー屋さんが数軒ある。通り過ぎてから、目に入るのがオシャレなラースと書かれたカフェ。白いテントでテラスになっていて、ここはカフェ以外に軽食も食べれる。厳選された食材が売られているのもうれしい。( https://larsmilano.it )
ラースはこのゾーンでも人気のカフェ+レストラン カフェにケーキ、ランチも楽しめる。
店内は広々としていてシャビーで可愛い店。
外のテラスも気持ちよくアペリティフタイムには満員になる。
夜になると屋台のスイカ屋さんが人気に。スイカを1切れ食べるのもよし、マチェドニアやフルーツのジュース(5ユーロ)を飲むのもよし。店にあるフルーツ好きな味の生ジュースも作ってくれる。このスイカ屋さんは6〜9月のみ出店される珍しい店で、ミラノでも他にはもうあまり見れないタイプの店。ここで食べるフルーツはなんでもおいしく、なんだか郊外の田舎に来たような気分にさせてくれる。Via san giuseppe CottolengoとCavalcavia don Lorenzo Milaniのコーナーにある。
地元の人しか知らない夏に出現するこの店のフルーツは何を食べても美味しい。
そしてこのナヴィリオでは月の最終の日曜日にアンティークマーケットが出る。とにかくこのナヴィリオ運河を挟んでミラノの人は年中、とても楽しんでいる。www.navigliogrande.mi.it/eventi/
掘り出し物が見つかるアンティークマーケット。月末の最終日曜を目指してナヴィリオに!
text: Kiyoe Sakamoto

坂本きよえ
在ミラノジャーナリスト。イタリア人の人柄の良さ、寛容さに惹かれて住み続けて数十年。旅好き、ヴィンテージマーケット好き、物好き、食べ物好き。ミラノのギャラリー&レストランの7人の侍(オーガナイザー)に選ばれイベント企画を手がけるニューライフスタイルに挑戦中。最近お気に入りの場所はサンセットが美しいポルトガル。