ヨークはイングランド北部に位置する歴史ある街。いまこの地では幽霊の出現が大きな話題となっている。14の場所で、中世の騎士やウェディングドレスをまとった花嫁、さらには孔雀や猫などの動物まで。39もの幽霊の目撃情報が寄せられているのだ......。
枯葉が敷き詰められた秋の公園を散策する紳士。
実はこれ、11月12日まで行われている「ゴースツ・イン・ザ・ガーデンズ」というイベントなのだ。地域のビジネス推進を請け負う会社ヨークBIDがハロウィンがあるこの時期に合わせて企画、今年で3回目となっている。今秋は過去2回に比べてさらなる数の幽霊たちを「招集」し、市民はもちろん観光客たちを震え上がらせている。
地元のデザイン会社によってメッシュのワイヤーを使って作られた幽霊たちは、遠目に見ると半透明でまさに本物そのもの。臨場感あふれている。それぞれが設置されているロケーションも、尼僧の幽霊は教会の横に建つ廃墟となった修道院脇だったり、看護師の幽霊は病院の敷地内だったり。考えられていて、なかなか怖い。
茂みのなかでひざまづく中世の騎士。
古い修道院脇の尼僧。
結婚式会場としても人気のホテルの庭で結婚指輪を手にして立ちすくむ花嫁は、何を思っているのだろう?
それでも39のすべての幽霊たちを探すトレイルが人気を集め、人々を楽しませているそうだ。
とはいえ、夜間に知らずに公園などで遭遇したら、驚いて悲鳴を上げてしまいそうだけれども。
Ghosts in The Gardens
https://www.theyorkbid.com/ghosts-in-the-gardens/
https://www.theyorkbid.com/ghosts-in-the-gardens/
text: Miyuki Sakamoto
在イギリスライター。憂鬱な雨も、寒くて暗い冬も、短い夏も。パンクな音楽も、エッジィなファッションも、ダークなアートも。脂っこいフィッシュ&チップスも、エレガントなアフタヌーンティーも。ただただ、いろんなイギリスが好き。
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