ロンドンのクリスマスは、個性豊かなツリーとともに。

世界は愉快 2023.12.20

クリスマスまでカウントダウンとなった今、ロンドンも街中がイルミネーションでまばゆいばかり。ホテル、駅舎、博物館に飾られたクリスマスデコレーションにフォーカス!

トランクを組み合わせたルイ・ヴィトンのクリスマスツリー。

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クラリッジズのロビーに設えられた、ラグジャリーなルイ・ヴィトンのクリスマスツリー。photgraphy: ©︎Courtesy of Claridge's

世界中の王族や要人、セレブたちに愛される最高級ホテル、クラリッジズで展示されているのは、ルイ・ヴィトンのクリスマスツリー。高さ5.2メートルのこのツリーは、巨大な2つのワードローブ型トランクの「マル・ヴェスティエール」と15のクローム製トランクで構成されており、頂点にはパリにあるルイ・ヴィトンのランドマーク的存在の邸宅アスニエールを模したオーナメントが飾られている。

マル・ヴェスティエールの外側にはクラリッジスの往年のトラベルステッカーが貼られており、これはルイ・ヴィトンの創業者の孫ガストン-ルイ・ヴィトンが旅するたびに各地のトラベルステッカーを集めてトランクに貼っていたことに由来しているという。

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レトロなトラベルステッカーも特大サイズ。photography: ©︎Courtesy of Claridge's

サンタクロースの人形とともに、21個のルイ・ヴィトンのマスコット、ヴィヴィエンヌが彩りを添えているのに加えて、雪に覆われたブランドのアイコンバッグ「スピーディ・パンドリエール」もさりげなく置かれていて、細部まで楽しい演出が満載だ。

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愛らしいヴィヴィエンヌたち。
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雪で覆われていてもそのフォルムからすぐに分かるスピーディ・パンドリエール。

ルイ・ヴィトンとクラリッジズの関係は古く、19世紀中頃にナポレオン3世の妻ウジェニー皇后がヴィクトリア女王を訪問した際、御用達としていたルイ・ヴィトンのトランクとともにクラリッジズに滞在した。また1885年に同ブランドがロンドンで初めてオープンした旗艦店はクラリッジズと至近の位置にあったという。

12メートルの本棚がクリスマスツリーに。

ユーロスターの発着でも知られるセントパンクラス駅では、12メートルのらせん状本棚のクリスマスツリーが人々を楽しませてくれている。イギリスで最も古い書店ハッチャーズとのコラボレーションによるもので、270の棚には昔ながらの装丁の本がおよそ3800冊も並べられている。

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セント・パンクラス駅のクリスマスツリー。photography: ©︎Courtesy of St. Pancras Station
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上部には美しい背表紙の本が並ぶ。photography: ©︎Courtesy of St. Pancras Station

ツリーの最下部には8つのブースが設けられており、ボタンを押すと内部に設置されたスピーカーからチャールズ・ディケンズやベアトリクス・ポッターなどによる、この季節ならではの物語を楽しむことができる。

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スノーマンもオーディオブックをお楽しみ中。photography: ©︎Courtesy of St. Pancras Station


デザインデュオ、イザベル+ヘレンによるユニークなクリスマスツリー。

アートとデザインのミュージアム、ヴィクトリア&アルバート博物館は、ロンドンベースのデザインデュオ、イザベル+ヘレンによるユニークなクリスマスツリーで話題だ。

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従来のイメージとは異なり、「これツリー?」と目を疑いたくなるが、他にはない個性的なツリー。photography: ©︎Sam Lort Studios

風力発電のタービンで構成されていて、羽やプロペラなどの回転で作られた電力によってライトが灯される。風量によっては早く点いたり、ゆっくりと点滅したり。夜の光をイメージして作られたというこのインスタレーションは、オレンジ色の光と回転しつづける装置でどこかノスタルジックでありながらも、シンプルな美しさでいつまでも見ていたくなる。

 

 

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どこか懐かしいフォルムのプロペラたち。photography: ©︎Sam Lort Studios

伝統的なもみの木もいいけれども、斬新でユニークなツリーもこの季節ならではの高揚感を与えてくれている。今年、イギリスにいく人はぜひ訪れてみては?

text: Miyuki Sakamoto

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