世界遺産の町、ケルン旧市街のクリスマスマーケットって?

世界は愉快 2023.12.25

河内秀子

いまや世界中で開催されているクリスマスマーケット。ドイツでは、正確な数は不明ながら、毎年2,500以上ものクリスマスマーケットが開催されているというからすごい。その歴史は中世にまで遡る。

クリスマスマーケットの魅力とは?と、マーケットの来場者に問うと、口々に「好きな人と共に楽しむこと」という答えが返ってくる。友達や同僚、家族や恋人......。一緒に過ごす時間こそが、クリスマスマーケットの醍醐味なのだ。

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世界遺産のケルン大聖堂など旧市街をバックに、盛り上がる。photography: Heinzels Wintermärchen Köln

世界遺産の街、ケルン旧市街で開催されている「ハインツェルの冬のメルヘン」は、その意味で最高級のクリスマスマーケットと言えるだろう。ユネスコ世界遺産にも登録されているケルン大聖堂をバックに、スケートリンクやカーリング、スピードが速すぎでスリリング(?!)な130年の歴史を持つ観覧車など、エンターテイメント性のあるものがいっぱい。ワイワイと遊園地のように楽しめるクリスマスマーケットだ。

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ハインツェルや、ピラミデと呼ばれるクリスマスの装飾で飾られた入り口。photography: Hideko Kawachi

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なんと1902年に作られたレトロな観覧車。意外なスピードの速さに驚く。photography: Hideko Kawachi

このマーケットの名前は、その昔ケルンにいたハインツェルと呼ばれる、小人たちの伝説に由来する。人々が寝静まった頃に現れて、日中やり残した仕事を朝までに片付けてくれる小人。ハインツェルの仕事ぶりに感謝して、ケルンの人たちは彼らをそっとしておいたのだが、ある時好奇心旺盛な仕立て屋の妻が階段に豆をまいて正体を暴いてしまう。それ以来、街にハインツェルはいなくなってしまった。

しかし、このマーケットの期間だけには街に舞い戻り、ケルンの子供たちを楽しませてくれるというのが、「ハインツェルの冬のメルヘン」なのだという。忙しい師走には仕事場にこそ来てほしいハインツェルだが、ここでのミッションは、人々を心から温め、楽しませることなのだ!こちらも心ゆくまで、マーケットを堪能しよう。

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入り口では、小人たち"ハインツェル"に出迎えられる。photography: Heinzels Wintermärchen Köln

まずは、クリスマスマーケットにはちょっと珍しい、スケートリンクへ。旧市街のど真ん中に作られるスケートリンクは、いまやケルンの冬の風物詩!直線コースが100メートル以上あり、夜のライトアップがロマンチックだ。夜になれば、爆音でDJの音楽が流れるヘッドフォンをレンタルするサイレントディスコも氷上で開催。みんなで楽しく盛り上がれるが騒音の問題もない、近年話題のイベントだ。

ビアホールに直結した"アイスストック"のコースは、予約がスタートする9月にもういっぱいになってしまうほどの大人気。アイスストックとは棒付きの器具を氷の表面の上に滑らせて、的に当てるカーリングに似た競技のこと。単純だが盛り上がる。

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日中は学校帰りの子どもたち、夜は大人でいっぱい。人気のスケートリンクと"アイスストック"のコース。photography: Heinzels Wintermärchen Köln

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プロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム3世の騎馬像を囲むスケートリンク。photography: Heinzels Wintermärchen Köln

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スケートしながらのサイレントディスコは、友達と行けば楽しさ倍増。photography: Heinzels Wintermärchen Köln

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クリスマスマーケットでも、ドイツだとやはりビールは必需品?ケルンの名物ビール、ケルシュを手にしたシロクマは、ビアホールの看板。

零下の気温に体が冷えたら、"フォイヤーツァンゲンボウレ"を頼みたい。熱々のホットワインの上に強い蒸留酒を染み込ませた砂糖を乗せて着火する、ホットワインのフランベ!青い炎が消えたところで飲むと、熱とアルコールでお腹の中から燃えるようだ。

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ラム酒やウォッカなど強いお酒を砂糖に染み込ませて火をつける、"フォイヤーツァンゲンボウレ"は人気のドリンク。photography: Hideko Kawachi

鮭を炭火で丸焼きにした"フラムラックス"や、ケルン名物"ライベクーヘン"や、バターとミルクたっぷりのミニドーナツ"ムーツェン"など、フード屋台も充実。ハインツェルと一緒に、童心に帰って冬のお祭りを堪能したい。

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杉板に打ちつけた鮭を炭火で焼く"フラムラックス"。photography: Hideko Kawachi

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カリカリに揚げたハッシュドポテトにアップルムースをのせる(?!)甘辛ケルン名物"ライベクーヘン"。photography: Hideko Kawachi

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熱々のミニドーナツ、ムーツェンは、人気のクリスマスマーケットフードのひとつ。photography: Heinzels Wintermärchen Köln

「ハインツェルの冬のメルヘン」
開催中〜2024年1月7日まで
https://www.heinzels-wintermaerchen.de/

text: Hideko Kawachi

河内秀子

ライター。2000年からベルリン在住。ベルリン芸術大学在学中に、雑誌ペンなど日本のメディアでライター活動を始める。好物はフォークが刺さったケーキ、旧東ドイツ、マンガ、猫。ドイツでも日本でも「そとのひと」。 twitter:@berlinbau

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