昨年のスウェーデンのクリスマスシーズンは、ストックホルムを初め各都市でも賑わいを見せた。
ここ数年のスウェーデンでは、クリスマスデコレーションを初め色々な電飾や装飾に何故か寒色が使われているのが気になる。この寒いスウェーデンでわざわざ更に寒さを増長させる青い色とか使わなくてもいいのに......と思うのは私だけなのだろうか。北欧デザインの特徴として挙げられるのがシンプル、ミニマル、淡い色合い、アースカラーなどだ。先日、開催された、ノーベルライトフェスティバルでの装飾もそうだったが、綺麗で素晴らしいが心は寒くなる一方だ(笑)。
ストックホルム市庁舎での光のインスタレーションもノーベル賞受賞パーティーとともに12月の目玉になっている。
そんな中、インスタに投稿される色使いがいい意味でスウェーデン人っぽくないインフルエンサー、Sebastian Bergström(セバスチャン・ベリィストローム)。ストックホルムの彼のアパートでの素晴らしいインテリアデコレーションを紹介したい。
さまざまなフレームで飾られたアート作品とポップな赤いチェアがポイントのリビングルーム。
いまも十分に色鮮やかだが、更にカラフルにしたいと言うセバスチャンのバスルーム。
モーセバッケ@mosebackeというセバスチャンのインスタアカウント名は、ストックホルムのカルチャーやヒッピー達に人気のセーデルマルム地区の一画の地名。彼はそこに住んでいるわけではないが、そこの地域が大好きなのだ。42平米とそれこそ大きくはない彼の現住居での内装の様子をインスタグラムで投稿している。フランスのビストロ、スウェーデン流のフォークロアシック、イギリスの庭園からインスピレーションを受け、またそれらを彼の42平米の中で表現したいという想いがたくさん詰まっている。シンプルとミニマルからは程遠い色のオンパレードと愛着溢れるモノたちが所狭しと、でもセンス良く飾られていて「ホー」っと感嘆の息が漏れる。
そんなセバスチャンも以前はグレーや黒など暗い色が好きだったが、年月をかけて試行錯誤を行い、いまのカラフルなスタイルになっている。
2018年の玄関ホール。淡いグリーン・グレー配色だ。
2019年には青い色で。
リビングルーム変遷。こちらは2018年。以前のセバスチャンのお気に入りカラーのグレー・黒・白が使われている。
そして現在2023年のリビングルームは色のオンパレード。これだけの多種多様な色をとてもセンス良く使い合わせている。
インスタグラムの投稿からも変化が見られるが、彼の内装にあたってのアドバイスは、「怖がらず、色々な色やスタイルを合わせて試してみること」だ。
セバスチャンが言うだけではないが、カラフルな色はエネルギーをもたらしてくれる。彼のデコレーションは暗く寒い時期に元気と暖かさをくれるクリスマスプレゼントに違いない。
一日中寝ていたいと思わせるベッドルーム。小さいがとてもMysig(ミーシグ)。
Mysigはスウェーデン語で「心地よい、団欒、コージー」の意味。日本語の「かわいい」ではないが、スウェーデン人が大好きでよく使われる。
愛犬ヘルマンとストックホルムのお気に入りを散策中。
クリスピーブレッドに色々なトッピング、そしてコーヒーは欠かせない。本をゆっくり読める週末の朝食モーメントが一番好きなセバスチャン。
2024年3月にオープン予定のセバスチャンのインテリアブティック。
彼のブログではストックホルムでのお気に入りの場所やショップなども挙げているので、ストックホルム訪問の際はガイドブック代わりにチェックしてみて!
https://sebastian.elle.se
text : Sakiko Jin
神咲子
在スウェーデンライター。コーディネート業も行うが、本業はレストラン業だった。そして50歳を過ぎてから、鉄道の電車の運転手に。スウェーデンの北部ウメオ市とスンズヴァル市を運転する日々を送る。