かつてはヴィクトリア女王が生まれ育ちダイアナ妃が暮らした場所であり、現在はウィリアム皇太子一家の住居(注:子供たちの学期中は郊外のウィンザーの邸宅で生活しているが一家の正式なアドレスは同宮殿)でもあるロンドンのケンジントン宮殿。この宮殿内のギャラリーでは現在、ロイヤルファミリーたちや彼らにまつわる人々のフォーマルな衣服を展示するエキシビション「Dress Codes」展が開催されている。


ヒストリック・ロイヤル・パレスが500年の間保管してきたおよそ1000着の中から選ばれたアウトフィットの数々が陳列されている。


最愛の夫であるアルバート公を早くに亡くし、以降喪服で過ごしたことでも有名なヴィクトリア女王の漆黒のドレスとボディスや、ダイアナ妃着用のデザイナー、キャサリン・ウォーカーによるグリーンのシルクベルベットのタキシードドレス、ブルース・オールドフィールドが手がけた朱赤のアンサンブルなどが並ぶ。

ひときわ目をひくのはリバティプリントの子供用ドレスだろう。幼少のエリザベス女王と妹のマーガレット王女が着用したものだ。幼い頃のふたりはお揃いを好んでいたことでも知られている。エリザベス女王のドレスは裾の長さを調節した縫い跡が見られ、女王の成長とともに直しながら着続けたことが伺える。
王族以外にも、ヴィヴィアン・ウェストウッドが2006年にエリザベス女王からDBE勲章を授与されたときに身につけていたドレスも並び興味深い。
会期は11月30日まで。ロンドンを訪れるチャンスがあれば、立ち寄りたい展覧会だ。
Kensington Palace
Kensington Gardens, London W8 4PX
開)10:00~18:00
料)24.70ポンド(ケンジントン宮殿内の見学料含む)
https://www.hrp.org.uk/kensington-palace

在イギリスライター。憂鬱な雨も、寒くて暗い冬も、短い夏も。パンクな音楽も、エッジィなファッションも、ダークなアートも。脂っこいフィッシュ&チップスも、エレガントなアフタヌーンティーも。ただただ、いろんなイギリスが好き。