空き時間があったら、ついスマホを取り出して見てしまう。そんな人は多いのではないだろうか。
ちょっとスマホを置いて、自分を取り戻す時間が欲しい! そんな思いを叶えるべく、ドイツ各地でいま人気のオフラインイベント「The Offline Club | Berlin (ザ・オフライン・クラブ・ベルリン)」を体験して見えたことは......?

ある調査では、ドイツ人ひとり当たりのインターネット利用時間は、週平均で72時間。18歳〜39歳では86時間、実に1日12時間以上をオンラインで過ごしている計算に。
学校での授業も、友達とのおしゃべりも、新たな出合いもすべてオンライン。だが、世界中の人といつでも繋がることができる一方で、逆に孤独を感じている人が増えてきているという。その流れを受けてか、いまドイツで注目を集めているのが「オフライン・クラブ」。スマホを預けて、その場の人たちとリアルな時間を過ごそう!というこのクラブは、2024年にアムステルダムで始動。ベルリンでは昨夏からスタートし、いまではドイツ各地に広まる人気だ。
「2024年にアムステルダムで参加して、自然と涙が出てきたんです。ネットに繋げなくても、こんなに多くの人たちと繋がっているんだって感動したのかも」と、ベルリンのオーガナイザー、イシェック・ジミレさんは言う。「それで、このイベントをベルリンで開催しなきゃって思ったんです」
オフライン・クラブのイベントは現在、月に1回ほどのペースで開催されている。会場となるのは、カフェや公園など。オーガナイザーは参加者と握手をしてにこやかに歓迎すると、スマホを預かって鍵付きのケースに収納。そのあとは1時間の沈黙の「ミータイム(私の時間)」だ。読書や編み物、考え事をしたり、ぞれぞれが思い思いの時間を過ごす。

ミータイム終了後は、30分間のおしゃべりタイム。オーガナイザーから提案される議題について、近くに座っていた人たちと互いに意見を交わしたり、イベントに参加してみての感想などを共有していた。なかには、心からリラックスできた、集中力がアップしてよく読書がはかどったという意見も。
ジミレさんは、丸3日間のデジタルデトックスなど、長期間のものも考えているそうだ。今後はもっと大きなスペースを会場にして多くの人を繋げていきたい、と意気込む。
「日本を旅したことがあるのですが、、神社やお寺が人が集まる場になっていると感じました。東京でも、オフライン・クラブ、どうでしょうか?」と笑顔を見せるジミレさん。
Netflixの恋愛リアリティシリーズ「オフライン ラブ」の大流行をきっかけに、日本でも高まりを見せているリアルで会うことの価値。デジタルと距離を置き、自分を取り戻すための時間を作ってくれるとオフライン・クラブのような集まりは、これからドイツだけでなくこれが日本でも広がっていくのではないだろうか。

河内秀子
ライター&コーディネーター。2000年からベルリン在住。ベルリン芸術大学在学中に、日本のメディアでライター活動を始める。好物はフォークが刺さったケーキ、旧東ドイツ、マンガ、猫。 note:そとのひと




