ピンクハイヒールで歩くカナダの男性議員に非難轟々。

Society & Business 2023.04.28

女性に対する性暴力や家庭内暴力について意識を高める「Hope in High Heels」キャンペーンの一環で、カナダの男性議員たちがハイヒールを履いて行進する動画が、ネットで議論を巻き起こしている。

 

 


コミカルで珍しい光景だ。キャンディピンクのハイヒールを履き、カナダのとある会議室のテーブル周りをぎこちなく行進する男性議員たち。カナダのオマル・アルガブラ運輸大臣が4月20日にTwitterに投稿したこの動画は、その後700万回以上再生されている。

 

 

「私たちの社会には、女性に対する暴力がいまだに蔓延しています。“Hope in High Heels”は、女性に対する暴力についての認識を広めるとともに、男性や男の子がこの問題の解決に向けて取り組むことを促すイベントです。私たちは、この重要な活動に賛同し、このキャンペーンの象徴であるピンクのヒールを履きました」と、アルガブラ氏はツイートした。

この動画は、ハルトンにある女性保護施設「Halton Women's Place」が実施する、女性への性暴力や家庭内暴力についての意識を高めるキャンペーン「Hope in High Heels」の一環。ピンクのヒールは、このキャンペーンの“シグネチャー”のひとつとなっている。

この取り組みを支援したカリーナ・グールド家族・子ども・社会開発大臣は、自身のTwitterで、「男性や少年を教育することは解決策の一部であり、ジェンダーに基づく暴力を終わらせることは私たち全員の責任です」と説明している。

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「とても恥ずかしい」

メッセージは立派であるにも関わらず、この動画は嘲笑の的になっている。「ハリー・ポッター」シリーズの著者で、女性への暴力に反対する一方で、トランスジェンダーを揶揄する発言で知られるJ.K.ローリングは、この動画に「これで何件の女性殺害が防げたのか、また報告します」という皮肉なコメントを付けてリツイート。、20万人のフォロワーを抱えるイギリスのコメンテーター、バーナデット・スポフォースも「女性への暴力の解決策として、“シグネチャー”のハイヒールを履いて練り歩く男性政治家たち。とても恥ずかしい」と反応した。

フランスの極右政党「国民連合(RN)」の議員のマチルド・アンドルーエも、この動画に疑問を呈した。「足が痛くなると訴える以外、この行為に何の意味があるのでしょう? レイプや暴力の被害者たちは、自分たちを苦しめる加害者から守られることを望んでいるのに。見せ物にするのはやめて!」

これらのツイートに対し、アルガブラ運輸相は次のように自らを擁護した。「社会が敏感になりすぎていることを嘆く人たちが、些細なジェスチャーに対して敏感になるのは皮肉だ」......物事の見方の問題だ。

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